マンション売却において、最後の仕事が引渡しです。
- 内覧
- 申込み
- 契約
と流れで進んできた買主さんとの契約・やり取りの最終章が引渡しです。
これで、マンション売却活動が終るわけですが、最後まで気を引き締めていきましょう。
今回は、売主目線で引渡し前に行ったほうがいいことを紹介します。
マンション売却 引渡し
マンションを売る場合、
買主は
- 内覧
- 引渡し前
に室内の確認をします。
- 内覧で部屋の雰囲気を確認
- ライフライン関係として引渡し前に設備の紹介
を行います。
しかし 、この2回で部屋の状況を全て確認してもらえるわけありません。
室内の状況は、実際に使ってみるまで分かりません。
マンション売却から引渡しまで
売買締結から引渡しまで、買主の意向によってその期間は変わりますが、
一般的に2・3か月、早くて1ヵ月程度です。
- 住宅ローンがあれば、抵当権の抹消手続きなどがあります
- 買主が賃貸住まいであれば、退去の手続きは1・2か月前になっています
などのことから、即引渡しはあまりありません。
となるため、引渡しまで2・3か月程度が一般的です。
売主が引越しをしてから買主が引越してくるまでの間、室内は空室状態になります。
空室は思わぬ事態を生むことも
マンション売却は、早くても3ヵ月、長ければ半年・1年かかることもあります。
- 空室の状態でマンション売却をしていれば、3か月間・半年間、設備は休眠状態です。
お風呂や給湯器は、その間使われることなく眠っているわけです。 - 売買契約前までは、内覧前にしっかり掃除をしていても、契約後はそのままだったりもします。
ベランダもゴミが溜まっているかもしれません。 - 室内が密閉状態になれば、カビが生えることもあります。
その意味で、
契約が決まり、引渡しまでに
- 空気の入れ替え
- 室内の掃除
- 設備の稼働
を行うといいでしょう。
その中でも、特に設備の稼働・テストは直前に行っておくといいでしょう。
空室時のマンション売却でも紹介していますが、
空室時の不動産売却の注意点:現地確認
マンション売却だけでなく、賃貸マンションも同じですが、
空室の状態で2か月、部屋を放っておくとどうなるか知ってますか?
- トイレ、特に便器の水にカビがはえます。
- 室内に嫌なにおいが漂います。
- 室内は湿っぽく感じたりします。
家・マンションを売る時に
掃除やハウスクリーニングでキレイにしたとしても、
トイレの水にはカビの原因がうじゃうじゃいますし、月日が経てばシンクからのニオイが室内に充満します。
掃除がおろそかになっていれば、ゴキブリが徘徊しているような時さえあります。
キッチン・洗面台
洗面台やキッチンの下を確認すると配管がS字になっていることが多いと思います。
s字トラップと言いますが、この部分が意味しているものは、
s字の部分に水が溜まるので、
- 下水の臭いを防ぐ
- ゴキブリの侵入を防ぐ
効果があります。
よって、長期間水を流さない状況下では、s字の水が蒸発してしまう。
それが、ニオイの原因であったり、ゴキブリの侵入となります。
マンション売却時は小まめに室内に足を運び、
- キッチンの水を流す
- 洗面台の水を流す
を行いたいところです。
トイレ
トイレも、掃除直後はキレイかもしれませんが、時間が経つとカビが湧きます。
小まめに水をながすだけでそれを回避できますが、時間が経つと、便器・便座にこびり付きます。
2ヵ月・3か月・半年、マンション売却が進まずに、人の出入りもない状態であると、カビは汚れの域を越えることでしょう。
小まめに室内に足を運び、トイレの水を流すだけでも行いたいところです。
水が出ない時
これに関しては、契約に関係なく、水道の元栓を開放することで水は出るようになる場合が多々あります。
玄関前の水道メーターがあるボックスの元栓を確認してみてください。
エアコンの起動
ニオイを考えるとエアコンも起動させておくといいでしょう。
エアコンは、未使用な期間が長くなるとフィルターの掃除を行っていたとしても、ニオイがこもります。
よって、突然使用するとエアコン臭が立ち込めます。
内覧時に、快適な室内環境を演出するためにも、小まめにエアコンを起動させ、エアコン臭を取り除くことが可能となります。
空室時のマンション売却注意点:引渡し前の現地確認
小まめに現地に足を運んで、換気や水流しを行う!というのは、
不動産会社が当たり前のようにやってくているかもしれません。
内覧が入れば、必然的に換気などは行ってくれますが、一度、営業マンに確認するといいと思います。
現地に行くのが難しい人はお願いするのもありでしょう。
また、
今回の小まめに室内の設備を稼働させること、リフレッシュされることは、
以前紹介したマンション引渡し前に行っておくといいこと にも通じます。
長い間、空室の状態になるということは、換気や水回りだけでなく、設備も眠っていることになります。
引渡し前に、
何か月も使用していない設備のまま引き渡すとトラブルの原因になるかもしれません。
特に、給湯器などは、時間が経つとススが溜まったし、ニオイを発したりします。
ブレーカーを上げ、一度起動確認するなど売主としてのマナーとして覚えておくといいでしょう。
事前の確認は必須
中古マンション売却は、中古ですから、キズがあったり、汚れがあるのは当たり前です。
ただ、設備は通常稼働することが前提です。
よって、引渡し前に、
- 換気扇
- お風呂の水割り
- キッチン・台所の水・お湯
- トイレのウォシュレット・便座等の機能
- 床暖房
- エアコンの起動
などの確認をしておくといいでしょう。
基本的に売主の立場からすれば、今まで使っていたものなので、故障していることはないという思いがあるでしょう。
しかし 、買主は大きな買い物ですから不安を取り除いてあげる必要があります。
1ヵ月、エコキュートなど給湯器が止まっていれば、再起動時は普通に稼働しても、汚れやニオイが発生することもあるでしょう。
給湯器自体は故障していないのに、ニオイがすれば故障と感じるかもしれません。
買主はプロではないので、2,3度使えば通常の動きになることを伝えれば納得してもらえるでしょうが、それをケアするのも売主のサポートでもあります。
厄介な買主は、その点を瑕疵と言ってくるかもしれません。
決してクレーマーではないですし瑕疵でもないので、しっかり説明することで何の問題もありませんが、事前に回避することは可能です。
築15年のマンションを売却したときに、床鳴りに対して瑕疵を訴えてきました。
床鳴りは瑕疵ではありませんし、キズや汚れ同様に、生活していれば起きるものです。
買主も売主も悪気が無くても、
不安を感じさせない・ちょっとしたトラブルに発展させない気遣いも大切でしょう。
権利を主張できる部分はしっかり主張しますが、それを軽減できれば、気持ちよく引き渡せるものです。
マンション売却・引渡し・その後
中古マンション売却の引渡し後、1週間は売主が保証するものとなっています。
物件状況報告書、付帯設備などもそれに準じます。
よって、
もし、買主から故障ではないか?
というアナウンスがあれば、それが買主の
- 設定ミス
- 使用方法の誤り
- 再起動時の誤作動
であっても、一旦、専門業者に確認してもらい、買主への伝達をしてもらう必要があります。
瑕疵であるのを隠して売却はもってのほかですが、
今まで、普通に使えているものであっても、使用者が変わればスムーズに対応できないのが普通です。
マンション引渡し前に行っておくこと:まとめ
今回は、マンション売却時の最後の儀式、引渡し後の対応を紹介しました。
新築マンションであっても初期不良はあります。
中古マンション、それも3か月、場合によっては半年、使用していない設備が存在することもあるわけですから、引渡し前に確認しておくといいでしょう。
クリーニングや床鳴り修理などを行う必要はありませんが、設備のテスト稼働を行っておくといいでしょう。