管理費・修繕積立金滞納
マンションは住人みんなで管理・保持していくものです。
よって、
- 管理費で日々の管理(掃除・管理人の配置)
- 修繕積立金で、後の大規模修繕のための用意
資産価値を維持する必要経費の扱いですが、この徴収が滞ると・・・。
今回は、管理費・修繕積立金の滞納問題について紹介したいと思います。
滞納は一時的なことも
マンションを売却する場合、
不動産会社は、管理費・修繕積立金等の金額などを管理会社に確認します。
ただ、管理費・修繕積立金の滞納に関してまでは確認しないのが現状です。
聞いてしまう・知ってしまうと告知の義務が発生するからかもしれません。
とはいえ、総会では滞納の状況や対応など報告(総会資料)があります。
一般的には一時的な滞納であることが多いので、築年数の浅いマンションは、そこまでナーバスになることはありません。
しかし、最近問題になりつつあるのが、管理費・修繕積立金滞納から大規模修繕がままならず廃墟マンション化です。

廃墟化マンションまでのストーリー
最近、よくニュースにもなるリゾート地の廃墟化タワーマンション、完全に負動産です。
別荘を持つことは、お金持ちのステータスとして今でも変わらないかもしれません。
リゾートマンション建設ラッシュ
リゾート地にタワーマンションが立ち並んだ昭和50年代。
経済成長も伴い、小金持ちも増え、リゾート地のタワーマンションを持つ人が増えました。
バブル期には、さらに拍車がかかり、リゾートマンション建設ラッシュとなりました。

バブル崩壊
しかし、そんな好景気は長く続くわけもなく、
問題の発端はバブル崩壊。
- 手放さざるを得ない人
- 購入者の激減
- 資産価値の低下
リゾートマンションには空室が目立つようになりました。
マンション管理
管理費・修繕積立金滞納者が増えると、まず、日々の管理が杜撰になります。
- エントランスが汚く
- 掃除が行き届かなくなり
- ゴミ置き場は無法地帯
イメージの悪くなったマンションは、人が近づかなくなり、売却も難しくなります。
さらに、ここまでくると管理組合は機能せず、管理会社も管理費未払いから滞納者への対応などの業務にも影響を与えます。
滞納者への対応を怠ると滞納者の所在確認する難しくなり、捜索にかかる費用問題もあり、諦めざるを得ない状態に陥ります。

修繕できず
滞納者が続出すれば、予定通り大規模修繕の計画はとん挫し、安全面だけなく、景観も損なわれます。
外壁塗装、1つ施すだけでマンションのイメージは変わります。
リゾートマンションであれば、売りであった共有施設の温泉も、このころは稼働するしていないでしょう。
となると、これが廃墟マンションのはじまりと言っていいでしょう。
管理も修繕積立金もままならないとなると、そこに住む住人も徐々にその地を離れます。
管理費・修繕積立金滞納マンションは売るに売れず
見た目で、住みたくないマンションとなった、廃墟マンションを買う人はいません。
仮にローン自体は終わっていたとしても、管理費・修繕費以外にも固定資産税などがかかります。
タダでもいいから、手放したい・・・。

これが、リゾートマンションの廃墟化リゾマンの現状です。
管理費・修繕積立金滞納は都内でも
この管理費・修繕積立金滞納問題は、リゾマンだけに限りません。
一時的な滞納も入れると、
都心でも、3棟に1棟くらいは滞納があるのが現実です。
親が亡くなり、息子に相続も息子の所在が分からないというケース。
この場合、息子の所在を確認し催促すればいいのですが、もっと厄介なのが海外(中国)オーナーのパターン。
国内に住んでいればまだいいものの、海外ということで音信不通という場合も・・。
さらに厄介なのが、
- 滞納した金額を請求するために訴訟としても
- 強制執行(給料差し押さえ)するにしても
それに関わる経費(弁護士)の方が高くつくため動きずらい。
一般的には、差し押さえを匂わせる、内容証明郵便でどうにかなるものですが・・・。
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早めの対処・対応がすべて
多くの人は管理会社任せのマンション管理だとおもいますが、管理状況を把握だけはしておいたほうがいいと思います。
特に、役員人事が毎年、順番制の場合、滞納者の取り扱いを軽視しがちです。
総会で滞納者について言及したくても、責任者にされるのは面倒ということで見て見ぬふりをしてしまったり・・・。
こんな時は、役員に矛先を当てるのではなく、管理会社に厳しく対処をお願いは重要でしょう。

管理が行き届いていれば長期保有も
管理組合がしっかりし、管理費・修繕積立金滞納のないマンションは、住民の質の高いマンションとも言えます。
要するに、長期保有してもいいマンションとも言えます。
築年数が経った時に、質の高い住民の多いマンションの場合、建て替えの話もスムーズに進むでしょう。
建て替えによって、
- 売却を選択する人
- 一時退去を選択する人
明確な判断ができることは、その後のマンションの方向性を決めるのが容易になります。
逆に、そのようなマンションを今後、デベロッパーは探しに来るかもしれませんし、もう動いているかもしれません。
同様に、管理の行き届いたマンションは、マンション売却の負担軽減になります。
マンション売却の時のために、
あなたのマンションの管理費・修繕積立金の滞納はあるか、負動産になる前に知っておきましょう。
