千代田区がマンション設備不足に罰則を設ける条例化に向けて動き出すようです。
《今回の記事でコチラ》
東京都千代田区はごみ置き場や駐輪場などの設備を備えていない新築マンションを規制する条例を制定する方針を固めた。
地価の上昇で開発費用が膨らむなか、住民生活に欠かせない設備を省いてコスト削減する物件を防ぐ狙いだ。
条例案には悪質な事業者に懲役刑を科す内容も盛り込まれる見通しだ。
早ければ9月区議会に提出する。同区によると、薬物乱用防止や暴力団排除以外の目的で懲役刑を科す条例は全国でも珍しいという。対象は区内に新築される分譲・賃貸マンション。マンション管理の適正化を推進する条例案で、事業者に計画段階での区との協議を求める条項を設ける。区は協議でごみ置き場や駐輪場などの設置を確かめる。防音や防臭などの構造や、緊急連絡先などの表示板の有無も確認する意向だ。
引用:日本経済新聞
昨日、24時間ゴミ出し可能なマンションについて紹介しました。
今年のように、暑いが続くと生ゴミを常時捨てられる24時間ゴミ出しOKのマンションは重宝されます。
ただそれだけでなく、
マンションでしっかりゴミの管理を行うことは、
治安や景観・臭い問題を未然に防ぐ
という意味で、自治体が規制するのは自然な流れかもしれません。
そこで、今回は、
- なぜ、千代田区はマンション設備不足の規制を設けるのか?
- マンション価格や不動産投資に影響があるのか?
紹介したいと思います。
千代田区がマンション設備不足に罰則・規制をする訳
現状、マンション建設において
- 土地の確保
- 人件費の高騰
- 資材の高騰
により、マンション価格が上がっています。
いかに建築コストを抑えて、販売価格を安くするか?
が求められています。
それなりの新築分譲マンションを見ても、
10年前の仕様と今の仕様では、コスト削減のために大理石や御影石などがオプション扱いになったり、至る所で価格を抑えるための試みがうかがえます。
ただ、今回の規制、そことは若干相違があるように思います。
投資用物件にメス?
千代田区が今回、マンション設備不足を規制しようとしているのは、
- ごみ置き場の設置
- 駐輪場の設置
等です。
買主が居住する一般的なマンションは
- エレベーター
- ゴミ置き場
- 駐輪場
- 駐車場
など、しっかり整備されています。
対して、不動産投資専用・賃貸専用のマンションはどうでしょうか?
残念な話、賃貸専用のマンションは、余計な経費を最大限、削減した造りになっています。
以前、賃貸専用のマンションの内見をした記事を書きましたが、築3年のマンションでありながら、床はべこべこ、壁が薄く、その造りに驚きました。
コストカットが至る所
オーナーが住むことを前提にしていないので造りは甘い場合があります。
さらに
- 施工時の経費削減
- 管理に費用をかけない
- 修繕を簡素化
などのために、余計なものを排除します。
それが、マンション内のゴミ置き場であったり駐輪場・駐車場です。
- マンション内にゴミ置き場を作らなければ、管理人の作業が軽減します。
- 駐輪場や駐車場を作らなければ、管理や修繕、維持費も不必要となります。
今回、千代田区が条例化へ向けて動き出した要因は、
このようなマンションへの警告・警鐘ということでしょう。
千代田区のワンルームマンション規制に通じるものも
そもそもマンション規制には、区ごとに出しているワンルームマンション規制があります。
- ゴミ問題
- 騒音問題
- 違法駐車問題
に併せて、税収アップのために、大学生などの1人暮らしよりファミリー層を呼び込みたいという観点で
- ワンルームでも、ある一定の広さを設けること
- ワンルーム以外にファミリー層向けの間取りを設けること
などを規制するとともに、
緑化の確保、ゴミ容器置場、自転車等の置場、駐車場の確保、騒音や防音の対処などを設けています。
規制は各区によって若干変わり、罰則、また課税を定めている区もあります。
今回、千代田区が条例化へ向けているのは、ワンルームマンションに限らず、
すべてのマンションのようなので、千代田区の街づくりとして、周辺環境・近隣問題、また、街の健全化を念頭においた条例整備がうかがえます。
参考ページ:ワンルームマンション規制とは?
千代田区のマンション設備不足に罰則:まとめ
日本の中心である東京、
都心3区(中央区、港区)の1つ千代田区。
- 匂いの問題
- カラスの問題
を引き起こします。
放置自転車は、歩行者や車の通行の妨げになります。
また、街の景観・美観を損ねます。
街の価値を高めるために、千代田区のマンション設備不足に対する罰則は、必要な規制なのかもしれません。