マンション売却の落とし穴:知人の不動産屋にお願いする時の注意点

マンション売却の落とし穴:知人の不動産屋にお願いする時の注意点

筆者の知り合いの体験談から、
知人の不動産屋にマンション売却をお願いしたときに起きた事件を紹介します。

マンションを売る場合、
やはり、滅多に行わないことなので、身近に不動産会社の知り合いがいればお願いしたくなるものです。。

士業(司法:弁護士、会計、建築、土木、医療、福祉)に困った時も同じで
例えば、弁護士さんが必要となったときに、まず、身近に弁護士がいないか?知り合い・知り合いの知り合いを探すことでしょう。

不動産も同じで、
身近に相談できる人がいたほうが、安心してお願い出来るという心理になるのは自然なことでしょう。

知人にマンション売却をお願いした

静岡にマンションを持っている知り合いが、一軒家(新築)を建てるということで今住んでいるマンションを売ることになりました。

個人的に相談があったときに、
「場所も駅から近いし、賃貸でもいいんじゃない?」
というアドバイスもしたのですが、住宅ローンが残っているということで、マンションを売ってローン完済し、残りを一軒家の資金にしたいということでした。

それから6か月後、その知り合いに
「マンション売れた?」
っと確認したところ、

「まだ、売れていない」
とのことでした。

場所もいいから、強気の金額で行ったのかと思ったのですが、
その彼からは

  • 周りのマンションも売れていない
  • 内見はそこそこあるみたい

とのこと。

そこで、
仲介をお願いしている不動産屋さんについて
「媒介契約はどうなってる?」
っと質問しました。

「知り合いの知り合いが不動産会社に勤めていて、その人にお願いしている」
ということ。

「以前から、何度か会ったことがあり、しっかりした人だから・・・。」
っと。

知人にマンション売却をお願い

知り合いだから安心してマンション仲介を頼めるか?

不動産業界は、なんだかんだ言って悪しき慣習がはびこっている業界。

伝統という言葉では言い切れない、グレーな行為も当たり前の世界。

そこで、彼にいくつかアドバイスした。
不動産会社の両手取引の話。

両手取引とは

不動産仲介は、売り主と買い主からの仲介手数料で成り立っています。

  • 売り主の売却に向けてのサポートをすることで、売買契約が実現したときに売り主からもらう仲介手数料
  • 買い主を紹介し、売買契約が実現したときに買い主からもらう仲介手数料

この2つになるのですが、
彼は、売り主として知り合いの不動産に売却の窓口をお願いしているわけです。

彼からしてみれば、
知り合いの不動産屋さんだし、売却に向けて頑張ってくれていると思っていることでしょう。
常時、経過報告をしてくれるし、売れない原因も周りが動いていないようではしょうがいと思い込んでいることでしょう。

しかし、不動産担当者の本心は別のところにあります。

マンションを売りたいということには変わり在りませんが、
買主も自分のところで見つけ、買い主からも売り主からも手数料を取りたい!
これが本心です。

売り主から委任を受け媒介契約を結んだ担当者は、
ネット広告(Yahoo不動産・SUMOなどなど)・ちらし(ポスティング)・不動産業者専用のデータベース(レインズ)などで、告知作業を行います。

ネットやチラシに関しては、購入希望者から直接お問い合わせが来るので、そこで売買が成立すれば、買主からも仲介手数料をもらうことはできますが、同業者が購入希望者を紹介した場合、仲介手数料は、その同業者に行ってしまいます。

具体的に流れで説明すると
レインズで売却マンションを確認し、自社の顧客に告知作業を行います。
このマンションを内見したいと希望者から要望があったとき、この同業者は窓口となっている不動産担当者に確認を取ります。

本来であれば窓口となっている業者は、即内見の日程調整に入るのですが、
両手取引を行い業者は、売り主には内緒で
その同業者に

  • もう売買が成立している
  • 内見の日程調整を延び延びにする

など、囲い込みという妨害行為を行うのです。

要するに、他社からの購入希望者を受け付けないというわけです。

売り主はそんなことはわかりませんし、
もちろん、購入希望者から連絡がいくはずもなく、いつまで経っても売れないという状況が続くというわけです。

知り合いの不動産会社

厄介なのは、半ば知り合いであるということ

マンションがなかなか売れない。

でも、知人の不動産屋さんからは、

  • 内見はそこそこあるけど、売買が決まらない
  • 同じマンションでも売り物件があり、それも動かない
  • 周辺地域自体、あまり売れていない

と聞かされているため、売れないのは地合・時代だと思い込まされています。

一般的に、媒介契約は3か月で解任が可能であるため、売れない状況が続くようであれば、担当者を変えるという選択肢もあるのですが、半ば知り合いである場合、そんなことすら頭に浮かびません

担当者もそれをいいことに、両手取引を行うために、売り主への対応をしているわけで・・・。

新たに発覚した事実

囲い込みのことを説明しても、友人は信頼できる不動産会社の人だから・・・っと半ばキレ気味に。

私も自分のことではないので、強引に説得することもなく、まぁ、偶然売れないんだろうと思っていました。

ただ、私の知り合いの不動産会社の人に、その話をした時、その彼がレインズで調べてくれました。

すると、レインズへの登録が1週間前であったと判明。

1年間、売るに出していたにも関わらず、レインズへの登録を怠り、今回、私が知人に口を出しこととで、急いで登録したのだろうと推測。

これが意味すること
同業者は、彼の物件をレインズで知ることが1年間できなかったということ

ただ、そのレインズの登録には、部屋の見取り図が添付されておらず、明らかにまだまだ両手取引継続の構え。

レインズに登録されていない

そこで友人にアドバイスしたこと

知り合いをいいことに不動産会社の担当者は囲い込みを行っているであろうことが分かった以上、もう少し口をはさみたくなった。

そこで、彼には
「媒介契約はどうなっているのか?」
確認したところ、お願いはしているけど契約らしい契約はしていないとのこと。

本来であれば、別の業者と専任媒介契約を提案したいところだが、彼も知り合いとの関係があるので、きっちり仕事をさせる意味で

  • 専任媒介契約をしっかり結ぶこと
  • レインズに見取り図を掲載すること

そして
囲い込みの行為は行わないこと

これを、担当者につたえるように提案しました。

これで、売却依頼主用 物件確認も可能となりました。

レインズ 売却主用確認

レインズ 確認画面

マンションが売れないからと諦めえない

マンション売却は、地合というか、その時の経済情報・相場にも左右されます。

しかし、売れない理由は業者にある場合もあることを知っておいたほうがいいでしょう。

知り合いだから安心と思いたい気持はわかります。

疑うことが決していいことだとは思いませんが、少なくとも知識として持っておいたほうがいいことはあります。

”敵は身内にあり”とは言いません。

両手取引・囲い込みがあるということ知っておくことだけでも、それを回避できるはずです。

媒介契約を見直すことも

知り合いの不動産会社にお願いしている、していないに限らず、なかなかマンションが売れないという場合、

媒介契約の業者を変更するのも手です。

その場合の流れは、
一括査定サイトで各不動産会社に概算見積もりをお願いし、その中から5社ほどに絞り込み、実際に訪問査定(無料で出張してくれます)で担当者と実際に会い、その中から媒介契約業者を決定していく形になります。

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