空き家税
空き家税って何?
空き家問題をどう解決したらいいの?
空き家リフォームのポイントや注意点は?
これまで、
- 家屋の倒壊の恐れ 保安上の危険
- 景観を損なっている
- 衛生上有害・周辺環境への悪影
等の空き家を特定空き家と認定し、自治体は勧告、場合によっては過料も課せられていました。
2023年12月の空家等対策特別措置法の改正によって、
- 1年以上住んでいない
- 管理が不十分
等、特定空家になる可能性のある空き家を管理不全空き家とという区分が新たに設置されました。
この管理不全空き家への指導に対して従わず勧告を受けると、現状、200㎡以下の住宅用地は固定資産税が6分の1軽減を受けられなくなり、固定資産税の負担が大幅(6倍)に増す可能性がでてきました。
日本は急速な人口減少と高齢化が進行する中で、全国各地に空き家問題が深刻化しています。
国土交通省の調査によれば、全住宅の約8%が空き家となっており、その数は増加の一途をたどっています。
これらの空き家は、地域の景観を損ねるだけでなく、放置されたままであると火災の原因となったり、犯罪の温床となる可能性もあります。
このような背景から、
地方自治体は空き家問題の解決に向けてさまざまな取り組みを行っています。
その一つが「空き家税」の導入です。
空き家税とは、
その名の通り空き家に対して課される税金のことで、これにより空き家の所有者に対して空き家の有効活用を促すことを目指しています。
しかし、空き家税の導入は所有者にとって新たな負担となります。
また、どのような空き家が課税対象となるのか、どのように空き家を有効活用すれば良いのかといった疑問を持つ方も多いでしょう。
本記事では、
- 深刻な空き家問題
- 空き家税の詳細とその影響
について解説します。
空き家税の概要から、
- 具体的な導入地域の事例(京都の空き家税)
- 空き家税を避けるための対策
まで、幅広く紹介します。
空き家を所有している方、これから空き家を所有する可能性がある方、または空き家問題に興味がある方にとって、有益な情報を提供できればと思います。
空き家問題とは?
空き家問題のニュースで、
- 日本の空き家は820万戸
- 空き家率、13.6%で過去最高
- ゆくゆくは4分の1・3分の1が空き家に
などを目にします。
えぇ!!
4分の1が空き家になるの?!
こんな状況で、
- マンションは買えない
- 不動産投資は難しい
と考えてしまうでしょう。
空き家の定義・4つの種類
では、そんなに空き家はあるのでしょうか?
空き家のイメージは、
- 相続人が手をつけず無法状態の一軒家
- 空室だらけの廃墟化したマンション
ではないでしょうか?
もちろん、これも空き家です。
- 賃貸用の住宅
- 売却用の住宅
- 二次的住宅
- その他の住宅
等があります。
空き家の種類:1.賃貸用の住宅
賃貸用住宅は、賃貸マンション・アパートにおける空き家です。
賃貸募集中のアパートやマンション、一軒家がこれになります。
不動産投資を行っていて
ちょうど今、借主が退去し募集中のシチュエーションも空き家にカウントされます。
空き家の種類:2.売却用の住宅
売却用住宅の空き家は、売却中のマンションです。
空室の状態で一軒家・マンション売却されているシチュエーションも空き家にカウントされます。
空き家の種類:3.二次的住宅
二次的住宅というとどのようなものなのか?
分かりにくいですが、別荘・セカンドハウスです。
別荘・リゾートマンションも叩き売りが始まっているのも事実です。
関連ページ;リゾートマンション売却
空き家の種類:4.その他の住宅
空き家におけるその他住宅、これが今、問題になっている
- 所有者が不明
- 雑草だらけ
- 廃墟化
管理もされていない物件です。
《空き家の内訳》
これを見ると空き家って言っても
賃貸募集中とか売却中、別荘まで入ることがわかります。
ちなみに、この内訳ですが
- 賃貸の空室:429万戸
- 売却の空室:31万戸
- 二次的住宅:41万戸
- その他の住宅:318万戸
です。
ちなみに、住宅総数6242万戸です。
簡単に解決しない空き家状況
問題になっているように、
”その他の住宅に”分類される空き家の数は増えているのは事実です。
また、この数は今後どんどん増えていくといわれています。
- 核家族化
- 少子化
- 都心への人の流れ
合わせて都心でもワンルームや狭小住宅など共有自体たくさんありますから、空き家状況が簡単に解決はしないかもしれません。
空き家をスムーズに解体できない状況ですから、
治安の問題や廃棄物投棄などの問題も深刻化の懸念があります。
とはいえ空き家に対して、自治体が何もしていないわけではありません。
- 自治体による指導、勧告
- 空き家を改装などの再利用
- 居住者の誘致・助成
本来であれば、即解体・更地という形が望ましいのですが、
権利関係が難しい不動産だけあって、そのスピードは遅く、手探り状態であるのが実情かもしれません。
その対処策の1つが、空き家税です。
空き家税の概要
空き家税とは、所有者が居住していない住宅に対して課される税金のことです。
これは、空き家の増加による地域の衰退や安全性の低下を防ぐための施策の一つとして、
- 空き家の有効活用を促進し、地域の活性化を図ること
- 空き家による問題を解決するための財源を確保すること
などを目的としています。
空き家の固定資産税
空き家の固定資産税は、
所有者が納税する税金で、毎年1月1日時点で土地や建物、償却資産を所有している場合に課されます。
具体的な計算方法は、「固定資産税評価額×1.4%(都市計画税は0.3%)」によって算出されます。
特に注意すべき点として、
「特定空き家」に指定されると、固定資産税の負担が大幅に増す可能性があります。
これまで、
- 家屋の倒壊の恐れ 保安上の危険
- 景観を損なっている
- 衛生上有害・周辺環境への悪影
等の空き家を特定空き家と認定し、自治体は勧告、場合によっては過料も課せられていました。
2023年12月の空家等対策特別措置法の改正によって、
- 1年以上住んでいない
- 管理が不十分
等、特定空家になる可能性のある空き家を管理不全空き家とという区分が新たに設置されました。
この管理不全空き家への指導に対して従わず勧告を受けると、現状、200㎡以下の住宅用地は固定資産税が6分の1軽減を受けられなくなり、固定資産税の負担が大幅(6倍)に増す可能性がでてきました。
*特例の適用には一定の条件がありますので、詳細は各地の自治体に確認することをおすすめします。
関連ページ:空き家の固定資産税が6倍はいつから?
京都市の取り組み
京都市では、「空き家:非居住住宅利活用促進税」が導入が決定されました。
*2026年度にも導入予定
空き家や別荘、セカンドハウスなどの居住者のない住宅(非居住住宅)に対して課される税金として
非居住住宅の有効活用を促し、その税収入をもって空き家の活用を支援する施策を講じることを目的としています。
空き家/空き家税のよくある質問:疑問・悩み・不安を解決
空き家・空き家税について疑問・悩み・不安においてよくある質問・Q&Aを公式サイトから抜粋し紹介します。
よくある質問:空き家税はどのように計算されるのか?
空き家税の計算方法は地域により異なりますが、一般的には固定資産税の一部を基に計算されます。
よくある質問:空き家税を納めなかった場合のペナルティは?
空き家税を納めなかった場合、遅延税が課される可能性があります。
また、長期間納税を怠った場合には、更なる法的措置が取られることもあります。
よくある質問:空き家を有効活用する方法は?
空き家を有効活用する方法は多岐にわたります。
賃貸や売却、事業用途など、空き家の状態や所有者の状況により最適な方法が異なります。
みんなの0円物件
- 売りたいけど全然売れない
- 放ったらかしている土地あるんだけど
- 自治体から「特定空き家」された家
など、0円でもいいから買ってほしい・もらってほしい
そんなオーナーとのマッチングサイトとしてみんなの0円物件というサイトがあります。
実家を相続したけど使い道がなく、タダでもいいから貰って欲しい人。
無症譲渡物件、不動産マッチング支援サイト”みんなの0円物件”に登録してみるといいと思います。
空き家・空き家税:記事まとめ
空き家の問題は、これからもっと大きくなるでしょう。
空き家税に関しても、京都のように自治体が空き家問題の解消と地域活性化を目指すことを念頭に、設定していくことも考えられます。
地方では、誰も住んでいない、所有者が分からない家も多数あります。
今の制度では、勝手に解体することもできないため、
自治体がその権利者を見つけ、管理をうながす形ですが、正直、お金と時間の無駄です。
また、マンションにおける空き家問題もこれから表面化しそうです。
核家族化が進み、終の棲家としてマンションを選択する人が増えてきていますが、
- 築40年・50年のマンションを息子・娘は相続したがらない
- 古い住まないマンションの修繕積立金・管理費・固定資産税を払いたくない
結果的に、
相続拒否で曖昧な存在になったマンションの修繕積立金・管理費の未払いが発生しています。
集合住宅であるマンションは、
容易に解体できませんから、さらになる問題になるのも時間の問題です。
相続問題
空き家問題には、相続がうまくいかず、放置されている家も少なくなりません。
各自治体もあの手この手で対策を講じていますが、難しい局面になっているのが現状です。
廃墟化している家を解体し撤去したいところですが、権利が複雑ですし、それに乗じて訴訟を吹っ掛ける人もいます。
“全国住み放題”定額制サービスも登場
全国で空き家問題が深刻化しています。この問題を解消すべく、さまざまなサービスが注目されています。富山県上市町では今年から「空き家のマッチング制度」を開始。定額制で全国の空き家などが住み放題となるサービス「家のサブスク」も注目
富山・上市町建設課 玉井耕平課長
「こちら(の家)が、上市町の『0円空家バンク』に登録されまして」
空き家問題を解消し、人口増加につなげたいということです。
山梨県上野原市にある築350年の物件も、内部はすべてリノベーションされていて、古民家の良さを生かしたシェアハウスとして、室内にはエアコンやWi-Fiなどを完備しています。都会に住み続けなくても、リモート環境が整っているため、単身の会社員や大学生の利用が多い
関連ページ:マンションの空き家問題
空き家が増えるマンションの現状とは?深刻な原因から解決策まで
最後に
個人的に思うのは、今後、
- 仕事を都会でする必要がなくなる
- 都会である必要がない
という時代、その思想の人たちが増えるのは事実です。
- 遠隔で会議もできます
- 通販で物も買えます
- ネットで見たいものは見れます
となれば、魅力のある街へ分散していってもおかしくないでしょう。
空き家はリノベーションされ、新たな需要を生んでいくことでしょうし財政が整えば整備も進むでしょう。
そこに、新しい不動産投資の形も生まれることでしょう。
関連公式サイト
・一般社団法人 全国空き家相談士協会
・一般社団法人 空き家管理士協会
元メガバンク融資課出身、バブル時代に不動産コンサルティングに従事し、2000年、会社設立後、底地ビジネス・事務所の立ち退き裁判等も経験した宅建士と共に立ち上げ、現在、不動産にまつわるサービスの紹介、口コミ・筆者の感想を加え紹介しています。