中国の不動産バブル崩壊
中国「恒大集団」の経営危機が表に出たのが夏。
巨額の債務を返済できないのではないか?
というニュースで、株価と社債が急落した。
それに合わせて、
中国の不動産バブル崩壊の可能性・他への影響の可能性等まで広がった。
中国の不動産開発
中国の不動産バブルが言われ始めたのが2000年あたり。
名目GDPの上昇・国家戦略としてきた中国。
それを支える1つが不動産開発でもあった。
ただ、そこは中国。
土地を自由に持てた国ではないし、そもそも国の土地。
不動産を売買するというよりは、開発・インフラ整備等を活性化させることがスタートであった。
至ることで土地計画が足りあげられ、不動産投資も含めて手を出す人が増えていきました。
その裏側で、
2010年過ぎあたりから、
過剰に開発された地方の不動産・土地開発地域では、ゴーストタウン化?も噂されました。
- 都市計画通り進んでいるも、人が集まらない。
- 集まらないから計画が中途半端。
- お金にならないなら放置。
なんとも中国らしい潔さ。
開発がとん挫しそのまま、ポツンとマンションが更地に立っている写真を見たことがある人もいるでしょう。
日本のリゾートマンションの廃墟化のイメージ以上かもしれません。
ゴーストタウン化は氷山の一角か?
広い中国、また、複雑な環境である中国、
民営企業は、国からの圧力をかけられ、結果的に国有企業と変わらない形で運営にならざるを得ない環境でもあり、
悪いものはなかったことにできるのも中国。
ゴーストタウンも、基本的に表には出にくく、華々しい経済成長が前面に出てきたのが今までの中国。
実際のところゴーストタウン化の町は氷山の一角なのか?広がっているのか?
この辺りは分かりません。
しかし、
中国「恒大集団」の経営危機のニュースから、
- 不動産業界の実態
- 中国共産党の舵取り
このあたりが連動して見えてきた。
今まであれば、
即、中国共産党は恒大集団を助け、何もなかったように振舞っていただろう。
しかし、
大きな果実に成長させることが中国共産党の考えだったものが、手を出していない。
その1つが共同富裕なるもの。
共同富裕とは?
習近平国家主席が掲げる格差是正のスローガン「共同富裕」
「先に豊かになった人」が貧困層を助けるという考え、
貧困層を助けるために富裕層を抹殺・高所得への制裁というイメージが広がっている。
これは個人に限らず、企業に対しても課すとされ、
単純に税率を上げるだけでなく、資産を取る・奪うともされていることから、
恒大集団を助けることは富裕層を助けるということにもなるため、
世論と中国経済の影響を考えながらの判断になっている。
中国 不動産関連ニュース
中国不動産業界のM&A
中国の不動産セクターで資金繰り難に陥っている開発会社の資産売却が進みつつある。
国有企業を巻き込んだ業界再編で、債務危機が和らぐ可能性もある。
雅居楽集団と世茂集団が、国有企業への事業の持ち分売却を相次ぎ発表
中国恒大集団が本社移転
中国恒大集団は、本社を構えていた広東省深圳市の高層ビルから昨年12月に退去した。
創業の地、同省広州市にある自社ビルに移った。経営危機のなか、コストを減らす狙い。
中国不動産開発の世茂集団、株価急落
中国の不動産開発会社、世茂集団が信託会社から受けていた融資の返済を期日内に履行できなかったことを受け、7日の香港市場で株式が大幅安となり、子会社の上海上場社債も急落し、取引停止となった。
恒大に海南島の建物39棟の撤去命令
中国不動産開発大手・中国恒大集団が同国南部の海南島で手掛けるリゾート施設「海花島」をめぐり、地元当局が39棟の建物の撤去を命じたことが明らかになった。
中国恒大、株取引停止 香港証取
香港証券取引所で、経営危機に陥っている中国不動産大手、中国恒大集団の株取引が停止になった。
恒大は公告で停止の理由を明らかにせず、新たな発表を準備しているとした。
恒大は昨年10月にも株取引が停止となっていた。
恒大は米ドル建て社債の利払いを実施できず、格付け会社から一部デフォルト(債務不履行)と認定された。
中国不動産会社の「資金繰り」、国有と民営で明暗
中国では不動産大手の恒大集団(エバーグランデ)の経営危機をきっかけに、金融機関がリスク回避のために不動産会社への融資を一斉に絞ったことから、不動産業界全体の資金繰りが急速に悪化した。
この問題に対し、中国政府は不動産会社の合理的な資金需要に応えるよう金融機関への指導を重ね、ここに来て資金調達環境は改善の兆しを見せている。調査会社の中指研究院によれば、11月1日から23日までに中国の不動産会社が発行した無担保社債の総額は425億元(約7646億円)と、10月の発行総額の3倍を超えた。
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中国不動産の「堕天使」世茂、社債・株価急落
香港に上場する不動産開発会社、世茂集団の社債と株式が13日の取引で突然大きく売られた。中国不動産セクターの健全性を巡る懸念が再燃し、すでに不安定になっている中国高利回り債の相場回復を脅かしている。
S&Pグローバル・レーティングは先月、世茂の長期格付けを投資適格級から投資不適格(ジャンク)級で最上位の「BB+」に引き下げた。格付け見通しは「ネガティブ(弱含み)」。いわゆる「堕天使」となった世茂の債務返済能力を巡る懸念の高まりが社債売りを引き起こし、この動きは他社にも波及。世茂の人民元建て債6本は急落後、売買停止となった。うち1本は50%を超える値下がりだった。
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中国、不動産プロジェクト買収を要請 デベロッパー支援
中国当局は民間・国有の大手不動産会社に対し、資金繰りが悪化している不動産開発会社から不動産プロジェクトを買い取るよう求めている。
負債拡大で経済が不安定化するリスクを抑制することが狙い。
中国人民銀行(中央銀行)と中国銀行保険監督管理委員会はこのほど、金融機関に通告を出し、そうした買い取りに対する金融面の支援を強化するよう求めた。
中国不動産業の佳兆業と華人置業の株価が急落
中国の不動産開発会社、佳兆業集団の株価が20日の香港株式市場で大きく下げている。同社の株式はほぼ2週間ぶりに取引が再開された。華人置業集団の株価も急落。同社は中国恒大集団に出資しているが、非上場化計画が頓挫した。
佳兆業は複数のオフショア債で支払いを怠り、フーリハン・ローキー(中国)を財務アドバイザーに、シドリーオースティンを法務アドバイザーにそれぞれ起用した。
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恒大集団だけなのか?
問題は、中国経済自体。
恒大集団だけの問題なのか?
不動産業界自体はどうなのか?
ということ。
恒大集団の問題によって、中国国内の不動産に対しての扱い・市況の冷え込みは間違いないでしょう。
不動産会社・デベロッパーも、ここで何としても売り抜けたいという意思もあるだろうから、値引きが始まっているのも想像が付きます。
問題は、それがクリアできるか?
ココで売り切れなければ、更なる値下げ合戦・たたき売りになりかねない。
そうなれば、完全に暴落・・・。
バブル崩壊となる。
というのが日本社会で考えられるイメージ。
ただ、中国はそこに共産党の圧力が入る。
富裕層の購入への圧力として
- 住宅ローンの金利の操作
- ローンの融資額の制限
などをかけることで、購入者層への圧力が・・・。
一説では、不動産購入に関して借入自体の禁止という話も・・・。
となれば、
恒大集団だけの問題だけでは済みそうもありませんし、恒大集団をはじめて大企業は下請け・孫請けが形成されていますから業界崩壊の流れも想像が付きます。
いずれにしても、
中国共産党が経済成長をあえて阻害することはないでしょうから、どの程度のさじ加減で納めるか?
金利を上げることは、購入者を抑制することはできるが、既存に購入している人の首を絞めることになる。
国にゆだねられた感は否めないということでしょうか?
【引用】
中国人民銀行(中央銀行)は上海の銀行に対し、初回住宅購入者への住宅ローン金利を4.65%から5%に引き上げるよう命じた。中国メディアが報じた。政府は不動産部門の過熱抑制策を強化している。
中国証券報によると、人民銀の上海支部はまた、市内の銀行に対し、2軒目の住宅購入者への住宅ローン金利を5.25%から5.7%に引き上げるよう命じた。24日に発効する。
https://jp.reuters.com/
恒大集団破綻でリーマンショック並の危機はくるか?
リーマン・ブラザーズの経営破綻の結果、世界的に金融システムが混乱しました。
その結果、実体経済まで影響が出ました。
では、恒大集団破綻でリーマンショック並の危機はくるか?
これに関しては、見方がいろいろありますが、
リーマン・ブラザーズの経営破綻の時は、金融商品・サブプライムローン関連債権などの価値の下落によって、広域な形で影響がでたことから、恒大集団においては金融システム危機の影響は少ないと考えられます。
しかし、中国経済の冷え込みがどの程度になるか?
経済の冷え込みからの波及効果は、避けることはできないでしょう。
国が国だけにどう転ぶか分かりません。