暴落待って不動産購入・マンション購入
人生で一番高い買い物・人生で一番大きな借金を背負うもの、それがマイホームの購入です。
そのため購入のタイミングを真剣に考えるでしょう。
そこで思うのが、
- 「今より安くなるのでは?」
- 「もっと良い条件で買えるのでは?」
と、下落を待って購入を先延ばしにしようとする気持ち、よくわかります。
しかし、このような考えは不動産市場の予測可能性に大きく依存しています。
市場が下落するのを待っている間に、金利が上昇したり、好立地の物件が市場からなくなるリスクもあります。
さらに、不動産価格は多くの外部要因によって左右されるため、単純な価格の動向だけを見て決断するのは危険です。
実際、過去のデータによれば、長期的には不動産価格は上昇傾向にあることが多く、短期的な価格変動に振り回されるよりも、自身のライフスタイルや金融状況に合わせた購入が賢明かもしれません。
そこで、本記事では、不動産価格の下落待ちで家の購入の考え方について深掘りしてみました。
不動産価格の下落待ちでマイホーム購入
- マンションが高すぎて買えない!
- マンション価格 下落はいつ?
最近、多くの方が上記のような悩みを検索しています。
こればかりは、簡単に予想できるものではありません。
ただ、
- 今の高騰の要因
- 暴落待ちのリスク
ある程度のエビデンス(裏付け)を持って説明することが出来ます。
現在の不動産市場の概況
2013年9月7日:東京オリンピック開催が決定し、より拍車がかかった日本の不動産市況。
暗黒の民主党政権時代から考えれば、デフレ脱却や物価目標2%など達成していないとはいえなんとか持ち直し、株価だけ言えば2倍以上になった日本の株価。
不動産価格は、右肩上がりで上昇しました。
しかし、2019年中国武漢由来の新型コロナウイルスによって世界的にパンデミック・ロックダウン・緊急事態宣言等で、経済が止まりました。
コロナの影響で東京オリンピックは延期・無観客開催となり、不況の時代に突き進むと多くの人が想像したものです。
ただ、経済対策、補助金や支援金、特に欧米では巨額の財政出動で急激に景気回復、逆にインフレが加速するまでとなりました。
結果的に、コロナによる不況は限定的となり、日本における不動産価格には大きな影響を受けることはありませんでした。
首都圏の中古マンションの平均成約価格が
- 平成15年は、1,980万円
- 令和4年は、4,158万円
参考:国土交通省「不動産価格指数」
築年数や間取り、外的要因で多少、不動産購入環境が変わったとしても、
20年あまりで約2倍になっているデータがあり、現状も高値で推移しています。
不動産価格が高騰している理由として以下の3つがあります。
- 建設コスト(資材費・人件費)の上昇も、新しい住宅の価格を高める原因となっています。
これらの要因が複合して、新築マンション価格の高騰を引き起こしています。 - 都市部や人気地域における住宅の供給不足です。
人口増加や都市化の進行に伴い、住宅需要が供給を上回っています。 - 低金利の経済環境も不動産価格を押し上げる要因の一つとなっており、投資としての不動産に対する需要が増加しています。
過去の価格下落事例とリスク
では、不動産価格の下落待ちを考えた時、過去にどのような大幅下落があったのか?
《バブル崩壊》
バブル崩壊は、日本の不動産市場に大きな影響を与えた出来事です。
1980年代から1990年代初頭にかけて、不動産価格が異常に高騰しました。
しかし、その後、バブルは崩壊し、価格は急落しました。
- プラザ合意
1985年に行われたプラザ合意により、円高が進みました。
海外からの観光客や投資家が増加し、不動産価格が上昇しました。 - 低金利政策
日本政府は公定歩合を引き下げ、低金利政策を実施しました。
融資が容易になり、不動産投資が活発化しました。 - 実体経済との乖離
不動産価格が実際の経済成長と乖離していたため、バブルが形成されました。
《リーマンショック》
2008年のリーマンショックは、世界的な金融危機を引き起こしました。
不動産市場にも大きな影響を与えました。
リーマンショックの主な原因は、アメリカのサブプライムローン市場での問題でした。
信用力の低い借り手向けの住宅ローンが証券化され、世界中の金融商品に組み込まれていました。
しかし、不動産価格の下落により、これらの証券の価値が急落しました。
これらの事例からわかるリスクには、資産価値の急落、投資の失敗、経済全体の不安定化などがあるのは事実です。
不動産価格の下落を待ったほうがいいのか
実際にココ半世紀で、バブル崩壊・リーマンショック・東日本大震災など、一時的に不動産価格が下落したのは事実です。
ただ、それはあくまでも指標です。
「不動産価格が異常高騰している」という声ですが、全国一律に高騰しているわけではありません。
- 首都圏
依然として高値圏だが、落ち着きつつある
東京都心部: 新築マンション平均価格は約1億円越えですが、50億円・100億円を越える超高級マンションが底上げのカラクリ - 郊外
都心部へのアクセスが良好なエリアを中心に、価格上昇が続いています。
都心の不動産に手が出せない人が、郊外の物件を物色しています。(昔で言うドーナツ化現象的) - 地方
都市部と地方で明暗が分かれます。
政令指定都市・中核都市は、駅近や商業施設が充実しているなど、利便性の高いエリアでは価格上昇も見られます。
地方都市・農村部は、 人口流出や空き家増加の影響で価格下落が顕著、バブル崩壊以降、ずっと右肩下がりのエリアも多数です。
そもそも、不動産価格下落を待つというのは、大幅に上昇した反動を狙うものです。
都市部は、高騰の雰囲気はありますが、その他エリアは、まだまだ割安なエリアはたくさんあります。
【青森駅の公示地価平均】
サンプルの1つとして青森駅の公示地価平均を紹介します。
- ≪バブル時≫
- ≪近年≫
青森県の中枢でもある青森駅の公示地価でさえ、バブル時以降、毎年下落を記録し、やっと近年、底が見えた程度です。
青森県に限らず、地方の都市でさえ下落傾向が続き、さらに過疎地では、話にならないくらいの下落傾向というのが実情です。
暴落待って不動産購入を考えるリスクとは?
暴落待って不動産購入を考えるリスクとして
★希望の物件を逃してしまう
★金利上昇によるリスク
★ライフプランへの影響
などが考えられます。
希望の物件を逃してしまう
不動産価格は常に変動しており、理想の物件がなかなか見つからないという状況も起こりえます。
不動産市場の変動性は高く、理想の物件を見つけることは容易ではありません。
特に、市場が不安定な時期には、価格の暴落を期待して購入を遅らせることには大きなリスクが伴います。
まず、市場が回復した際には、希望の物件がすでに売り切れてしまっている可能性があります。
他の買い手がより早く行動を起こすためです。
さらに、もし市場が急速に回復すると、物件の価格が購入を遅らせた期間中に上昇してしまうかもしれません。
このため、暴落を待つことで、結局はより高い価格で購入せざるを得なくなることもあり得ます。
したがって、市場の変動を正確に予測することは非常に困難であり、理想の物件を確保するためには、適切なタイミングでの行動が求められます。
・東京都心部の駅近マンション:常に高い人気を誇り、発売開始から数日で完売する物件も少なくありません。
・地方のリゾート物件:コロナ禍の影響で、ワーケーションや移住の需要が高まっており、人気が急上昇しています。
金利上昇によるリスク 毎月の返済の増加・融資枠・審査の影響
金利が上昇すると、住宅ローンの返済費用が増加します。
毎月の返済額の増加
例えば、借入額5000万円
金利0.5%、返済期間35年の場合、毎月の返済額は約13万円です。
金利が1.5%に上昇すると、毎月の返済額は約15万5000円となり、約25000円も増加してしまいます。さらに、返済総額を確認すると
0.5%:5400万円
1.5%:6500万円
融資枠にも影響がでます。
購入可能な物件の価格範囲が狭まり、より安価な物件を選ばざるを得なくなる可能性があります。
金利が低い時には、同じ月々の返済でより高価な家を購入できたかもしれませんが、金利が上昇するとその金額で購入できる家の価値(レベル)は下がります。
さらに、金利の上昇は住宅ローンの審査基準を厳しくする可能性があり、融資を受けることが難しくなるかもしれません。
返済期間が長くなるというリスクもあり、これにより総返済額が増加するため、長期的に見るとより多くの金利を支払うことになります。
したがって、不動産の暴落を待つことで、これらのリスクに直面する可能性が高まるため、購入のタイミングを見極める際は、現在の金利状況を慎重に評価することが重要です。
日銀は金融政策決定会合でマイナス金利政策の解除を決定、17年ぶりの利上げに踏み切りました。
イールドカーブコントロールの撤廃が、住宅ローン金利上昇に拍車をかけるわけではありませんが、上昇の流れになっておかしくないでしょう。
他の金利が上がって、住宅ローン金利だけが上がらないということはありませんから、短期プライムレートに連動する変動金利の動きにも影響が出ておかしくないでしょう。
少なからず、ずっと低金利という安堵感は薄れたのは事実です。
参考ページ:今後の変動金利:いつから住宅ローン金利は上昇する?
ライフプランへの影響
不動産価格の暴落を待って購入を先延ばしにすることは、ライフプランに大きな影響を与える可能性があります。
まず、特定のライフイベント、例えば結婚や子供の誕生に合わせて新しい家を購入する計画が遅れることがあります。
人生の大切な節目での住環境の安定が得られないという問題が生じることがあります。
さらに、家を購入せずに賃貸住宅に留まることは、長期的に見ると家賃支払いが続き、その分貯蓄や老後資金の蓄積が困難になるリスクも伴います。
家を早期に購入してローンを完済すれば、老後の住居に関する費用を抑えることができますが、暴落を待つことでこれらの利点を逃すこともあり得ます。
したがって、マイホーム購入は慎重にタイミングを選ぶ必要があり、市場の動向だけでなく、個人のライフプランとのバランスを考慮することが重要です。
マイホーム購入はどのタイミングがいいのか?
マイホームの購入タイミングは、個人の状況や市場の動向によって大きく異なります。
一般的に、以下のようなポイントを考慮することが重要です。
金融状況 |
低金利の時期は、住宅ローンの返済負担が軽減されるため、購入に適しています。 |
家族計画 |
結婚や子供の誕生など、家族の構成や計画に合わせた住まい選びが重要です。 |
職業の安定性 |
収入の安定している時期や職場が確定している時に購入することで、長期的な計画が立てやすくなります。 |
市場の動向 |
不動産市場が下降傾向にあるときよりも、安定しているか上昇している時期に購入することが望ましい場合が多いです。 |
これらの要素を総合的に検討し、個人のライフプランと経済的状況に最も合致するタイミングでの購入が推奨されます。
下落を待たず値切ることも可能
不動産価格の下落について紹介してきた今回ですが、
下落している地域の物件を購入するより、上昇傾向・需給関係が成り立っている地域の物件を安く購入を筆者はおすすめします。
- 早く売りたい
- 引越しの期限が決まっている
- 1日も早く現金を手にしたい
- 借金返済の期日が近づいている
- 離婚の清算で金額より時期
など、値引き・値切りが効くシチュエーションは多々あります。
上昇している地域がこのまま上昇し続けるとはいいません。
しかし 、下落しにくい街のマンションを少しでも安く購入することで、
- 何年後かに売却を検討した時
- 賃貸マンションとして運用する時
のリスク管理になります。
- 購入を考えた時
- 住宅ローンの低金利の今
のために、常に情報収集をおすすめします。
と、コネクションを作っておくだけです。