内部収益率(IRR)とは?利回りがすべてではない!不動産投資で成功するための重要指標:不動産投資のIRRとNPV

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IRR:内部収益率

不動産投資は、その安定した収益性から多くの投資家にとって魅力的な選択肢となっています。

しかし、物件の選択から資金計画、運用戦略まで、成功するためには様々な要素を考慮する必要があります。

その中でも、特に重要なのが投資の収益性を評価するための指標です。

投資の収益性を評価するための指標として、一般的に利回りが有名ですが、
そのほかにも「内部収益率(IRR:Internal Rate of Return)」と「正味現在価値(NPV:Net Present Value)」は特に重要です。

これらの指標を理解し、適切に活用することで、より良い投資判断を行うことができます。

しかし、IRRやNPVは一見複雑に見え、理解するのが難しいと感じる方も多いでしょう。

この記事では、IRRとNPVの基本的な概念から計算方法、活用法までをわかりやすく解説します。

これらの指標を理解し、自身の投資活動に活用することで、より良い投資結果を得ることができるでしょう。

内部収益率(IRR)とは?

IRR(Internal Rate of Return)は、投資の利回りを評価する指標の一つです。

具体的には、
「投資によって得られる将来のキャッシュフローの現在価値と、投資額の現在価値が等しくなる割引率」
を指します。

何???

利回りとの違い
IRRと一般的な利回りとの違いは、IRRが投資の時間的な価値を考慮している点です。

つまり、IRRは投資期間やキャッシュフローのタイミングなどを反映した、より精緻な指標と言えます。
内部収益率(IRR)とは

【利回り】
利回りは、投資によって得られる収益を投資額で割ったものです。
例えば、100万円を投資して1年後に20万円を得た場合、利回りは以下のように計算できます。

利回り = 20万円 / 100万円 = 0.2 (20%)

この場合、利回りは20%となります。
利回りは計算が簡単で直感的に理解しやすいため、投資の収益性を評価する基本的な指標として広く用いられます。

【内部収益率(IRR)】
一方、内部収益率(IRR)は、投資の時間的な価値を考慮した指標です。
100万円を投資して、1年後に50万円、2年後に70万円の収益が見えているとします。
この場合、IRRは以下の等式を満たす割引率を求めることで計算できます。

100万円 = 50万円 / (1 + IRR) + 70万円 / (1 + IRR)^2

IRRが投資の時間的な価値を考慮しているためIRRを計算すると、実際の年間の収益率はそれよりも低くなることになります。

つまり、IRRは投資の収益性をより正確に評価するための指標と言えます。

具体的なエクセルを使ったIRR計算は↓で紹介しています。

内部収益率(IRR)の具体例

不動産投資を例に、IRRの計算方法を具体的に見てみましょう。

  • ある物件を購入するための初期投資額が500万円
  • 毎年得られる家賃収入(キャッシュフロー)が100万円
  • 投資期間が5年、最終的な売却予定価格が600万円

とします。

この場合、IRRは以下の等式を満たす割引率を求めることで計算できます。

500万円 = 100万円 / (1 + IRR) + 100万円 / (1 + IRR)^2 + 100万円 / (1 + IRR)^3 + 100万円 / (1 + IRR)^4 + (100万円 + 600万円) / (1 + IRR)^5

このIRRがある基準(例えば、他の投資案件のIRRや自身の目標利回り)を上回っていれば、その物件への投資は収益性があると判断できます。。

投資案件の比較

異なる投資案件を比較する際にも、IRRは有用なツールです。

それぞれの案件のIRRを計算し、比較することで、より収益性の高い投資を選択することができます。

例えば、以下の2つの投資案件があるとします。

  1. 投資案件A:初期投資額が100万円で、1年目に60万円、2年目に60万円を得る。
  2. 投資案件B:初期投資額が100万円で、1年目に50万円、2年目に70万円を得る。

これらの投資案件のIRRを計算すると、以下のような結果が得られるとします
(実際のIRRの計算はExcel等のツールを用いて行います)。

  • 投資案件AのIRR:13.1%
  • 投資案件BのIRR:12.3%

この結果から、投資案件Aの方がIRRが高いため、投資の収益性が高いと判断できます。

つまり、同じ100万円を投資する場合、投資案件Aの方がより良い投資となります。

ただし、IRRだけで投資案件を比較するのではなく、他の要素(リスク、投資期間、キャッシュフローの安定性など)も考慮することが重要です。
また、IRRが高いからといって必ずしもその投資案件が最善であるとは限らないことも覚えておきましょう。

不動産投資においても、IRRは重要な評価指標となります。
物件の購入価格、予想されるキャッシュフロー(家賃収入など)、売却価格などを考慮してIRRを計算し、物件の収益性を評価します。

Excelでの計算方法

Excel(Microsoft Excel)を使えば、IRRの計算を簡単に行うことができます。
IRR関数を使用し、キャッシュフローのデータを入力するだけでIRRを算出できます。

Excelのシートにキャッシュフローのデータを入力します。
最初のセルには初期投資額(負の値)を、その後のセルには各期のキャッシュフロー(収益)を入力します。

IRR関数を使ってIRRを計算します。IRR関数の引数にはキャッシュフローのデータが入力されたセル範囲を指定します。

例えば、ある投資が初期投資額100万円で、1年目に50万円、2年目に70万円の収益を得る場合、以下のように計算できます。

A1セルに-100(初期投資額100万円)、A2セルに50(1年目の収益50万円)、A3セルに70(2年目の収益70万円)を入力します。

任意のセル(例えばB1セル)に=IRR(A1:A3)と入力します。

内部収益率 計算

この操作を行うと、B1セルにIRRの値が表示されます。この値が投資の内部収益率(IRR)となります。

手計算での計算方法
手計算でIRRを求める時は、試行錯誤が必要になります。
具体的な計算方法は、IRRの定義に基づき、NPVがゼロとなる割引率を見つけることです。

IRRのメリットとデメリット

  • メリット
    IRRの最大のメリットは、投資の時間的な価値を考慮した収益性の評価が可能であることです。
    また、異なる投資案件を公平に比較するための基準としても有用です。
  • デメリット
    一方、IRRには計算が複雑である、解が複数存在する可能性がある、キャッシュフローの再投資率を仮定しているなどのデメリットもあります。
IRRと他の指標
IRRだけでなく、NPVや利回りなど他の指標と組み合わせて投資判断を行うことが一般的です。
それぞれの指標が持つ特性を理解し、適切に活用することが重要です。

NPV(正味現在価値)について

内部収益率(IRR)と比較されるNPVも紹介します。
NPV(Net Present Value)は、投資の収益性を評価するための指標の一つです。

具体的には、投資によって得られる予想されるキャッシュフローの現在価値から、投資額(初期投資額)を引いたものを指します。

NPVの計算式は以下の通りです。

NPV = Σ(CFt / (1 + r)^t) – I

ここで、
・CFtはt期に得られるキャッシュフロー
・rは割引率
・tは期間(年数)
・Iは初期投資額
を表します。

NPVが正(プラス)であれば、その投資は収益性があると判断できます。
逆に、NPVが負(マイナス)であれば、その投資は損失をもたらす可能性があると判断されます。

また、複数の投資案件を比較する際には、NPVが最も大きい案件が最も収益性が高いと評価されます。

IRRとNPV
IRRは、NPV(Net Present Value、正味現在価値)と密接に関連しています。
NPVは、投資によって得られるキャッシュフローの現在価値から投資額を引いたもので、IRRはこのNPVがゼロになる割引率を求めることで計算されます。

内部収益率 計算

 

ちなみに、内部収益率(IRR)以外にも、
事業評価として経済的内部収益率(EIRR:Economic Internal Rate of Return)
事業期間を通じた事業自体の収益性・投資利回りを計るための指標:PIRR(事業内部収益率:Project Internal Rate of Return)
などもあります。
内閣府・総務省ホームページより

内部収益率(IRR):よくある質問・Q&A

内部収益率について疑問・悩み・不安においてよくある質問・Q&Aを紹介します。

よくある質問詳細はコチラ  

IRR:内部収益率まとめ

内部収益率(IRR)は、投資の収益性を評価するための重要な指標です。

IRRを理解し、適切に活用することで、より良い投資判断を行うことができます。

しかし、IRRだけでなく、他の指標や投資のリスクも考慮することが重要です。

この記事が、あなたの投資活動に役立つ情報を提供できれば幸いです。

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