ペット共生住宅管理士
昭和から平成になったあたりから、資格・検定が一気に多様化しました。
- 趣味・教養の資格取得・ビジネスにする
- 会社・社内での検定制度
- 環境問題に対して検定
など、
ビジネスに関わるものはもちろん、趣味の延長上など、資格コレクターという言葉も生まれました。
今回紹介するペット共生住宅管理士は、
1979年からペットの適正飼養の普及啓発に関わってきた公益社団法人日本愛玩動物協会が実施する、
人とペットが快適で楽しく暮らすために求められる「人材育成」のために、
- ペットの習性
- 正しい飼い方
を理解した上で、ペット共生住宅を支える人材の育成として始まりました。
『ペット共生住宅管理士』とは
ペット共生住宅管理士が実施されたのは比較的新しい2019年からです。
ひと昔前の一般的な資格と言えば、
- 自動車運転免許
- 専門職に関わる認定試験
- 仕業(弁護士・会計士・税理士等)などの国家試験
などをはじめ、ビジネスや生活に直接、必要な試験・資格の取得が基本でした。
不動産絡みで言えば、
- 建築士(1級・2級)
- 不動産鑑定士
- 宅地建物取引士資格
などが基本でした。
通信教育で有名なユーキャンを見ると、
2001年当初は、気象予報士・ケアマネジャー・ファイナンシャルプランナーなどの通信教育が対象講座に仲間入りしたレベルなので、当時もまだ、その流れであったように思えます。
その後、趣味や教養のための検定・資格が増え、各協会・団体が独自の検定を実施するなど現状のスタイルに変わってきました。
ちなみに、
不動産絡みの資格制度として
- マンション管理士
- 賃貸不動産経営管理士
などは、国が事業者を登録制度にした関係もありますが、意外と歴史は浅く、マンション管理士は2001年から、賃貸不動産経営管理士は2013年から実施されているようです。
日本の住環境の変化によって、誕生した資格と言っていいのではないかとおもいます。
ペット共生住宅などがより良いものとなって社会に浸透・定着していくためには、
- 建物の設備
- 構造の適正化
- 飼い主の意識改革が図られる
などはもちろんです。
昭和時代は、犬は屋外に犬小屋を用意し飼うことが一般的でした。
猫は玄関を開けて出入り自由というのが当たり前でした。
時代が進むにつれて室内飼育(室内犬)が増え、2000年代に入ると
「ペットを飼う」から「ペットと暮らす」
ためのペット共生マンションや戸建住宅も生まれました。
建築当初は、ペットの不可のマンションであってもマンション管理組合の総会でペット可の決議(区分所有者の4分の3以上の出席および議決権の4分の3以上の賛成)で変更をするマンションも増えてきました。
区分所有をしている住民としては、自宅でペットを飼いたいという要求を実現できますし、
不動産投資オーナーとしても、当初はクリーニング・原状回復が面倒という側面で嫌がる傾向でしたが、
- ペット可のマンションによる客付けの優位性
- 敷金や原状回復費用を上乗せした請求等が可能
などから、ペットとの共生は、非常に高まっています。
上記のことから、ペット共生住宅管理士は、
- 人にとっての利便性
- ペットにとっての必要条件
を満たすための設計・管理・環境づくりが大切を基本としています。
ペット共生住宅管理士の必要性
ペット共生住宅管理士は国家資格でも、ペット可のマンション設計において必要な認可制が敷かれているものではありません。
公益社団法人日本愛玩動物協会がペットの共生のための専門知識を有した人への認定でしかありません。
とはいえ、
人生で一番大きな買い物である不動産である以上、
その設計・開発・運用・管理に対して、ペットの習性をきちんと理解した有資格者がいるか?いないか?は少なからずイメージも変わってきます。
【建設会社】
ペット共生住宅の建築(マンション・戸建て)に際して、ペットも飼い主も快適に過ごせる住まいをつくる専門的な知識が必要不可欠でしょう。
ペット共生住宅管理士の受講で、ペットの習性や正しい飼い方などを踏まえたペット共生住宅に関する知識を得ることができます。
【不動産会社:仲介・販売】
ペット可賃貸住宅の賃貸・売買に際して、お客にペットに最適な物件であることを紹介をするためには、ペット共生住宅に関する知識が大切でしょう。
買主の気持ちを理解している営業担当者、それも有資格者となれば、印象・成約率にも大きく影響が出てきそうです。
また、ペットを飼育している入居希望者が、入居後にペットのトラブルを起こさないかどうか判断するために行う入居者の審査に必要な項目についても学ぶことができます。
【設計事務所】
国もリフォーム需要の拡大に向けて指針を出していることもありますが、ペットのために、自宅をリフォーム・リノベーションする人が増えています。
意識の高いペットオーナーへの提案に、ペット共生住宅に関する専門的な知識(ペット共生住宅管理士)が必要不可欠と言えるでしょう。
【管理会社】
住民トラブルや近隣トラブルをはじめ、マンションの行く末を左右する大規模修繕工事など、その舵取りを取るのは管理組合ではありますが、そのアドバイザーでもあるマンション管理会社に求められるものが年々、高まっています。
ペット共生マンションも同様で、管理・運営するにあたって必要な項目や飼育規則などについての基礎知識は必須ですし、のちのちのトラブルを減らす要因にもなるでしょう。
【ペット共生住宅を建てたい方】
これからペット共生マンションを建てたいオーナーの方やペットのための戸建住宅を建てたい飼い主の方にとっても、より良いペット共生住宅をつくるためのアイデアやヒントになるのがペット共生住宅管理士です。
自身で取得する必要はないですが、ペット共生住宅管理士を有している不動産会社に話を聞くなど、参考にすることをオススメします。
ペット共生住宅管理士の試験について
ペット共生住宅管理士が、現状、高い需要、熱い資格とまでは言いません。
しかし、不動産に少なからず関係している会社であれば、1人いるとホームページ(WEBサイト)や営業において謳うことが可能でしょう。
そこで、ペット共生住宅管理士の試験(試験要項)について紹介します。
ペット共生住宅管理士には受験資格があります。
受験にあたっては、「2級愛玩動物飼養管理士」の資格の取得が前提となります。
*年齢制限なし
ペット共生住宅管理士検定を受験するにあたり、学習する教材は
- ペット共生マンションの適正化推進ガイドライン:¥ 16,500
各分野から高いレベルの有識者、いわゆるベテラン獣医師、ペット共生住宅に詳しい建築家を監修
*仕様:B5版 オールカラー 168ページ - 飼い主のマナーハンドブック:¥ 770
ペット(犬、猫、小動物、小鳥)と暮らすうえで知っておきたい適正な飼養方法や技術、マナーについて、わかりやすく解説
*仕様:A4版 オールカラー 36ページ - ペット共生住宅管理士 理論と実践:¥ 2,200
ペット共生住宅づくりのノウハウや管理運営のポイントなどを具体的にまとめた内容
*仕様:B5版 モノクロ 104ページ
になります。
ちなみに、3テキスト:19,470円・検定試験:5,000円になりますが、
公式サイトでは、3テキスト+検定セットが、20,000円なので、初めて受験する人はセットがオススメです。
- 試験時間:40分
- 形 式:4択方式
- 問題数:40問
*結果通知は、合格証を試験日から約2~3週間後に郵送
合格率や難易度に関して、公に合格率が発表されているわけではないですが、超難しい資格ではないようです。
3テキスト:計300ページ程度から4択の出題ですし、
難易度は低い・80%程度の合格率ではないかと思います。
ペット専用(犬、猫)おすすめのフロアコーティング・ペットにやさしい床材なら優床(ゆうとこ)
口コミや評判
ペット共生住宅管理士について、一番気になるのは、口コミや評判だと思います。
Googleクチコミ、ツィッターやインスタグラム、フェイスブック、公式サイトを確認しましたが、
良い口コミ・悪い口コミ、受験する意味がない、試験が難しいなどのクチコミが、Twitterにありました。
ペット共生住宅管理士の資格を取りました。。夫が。
ペットちゃんと楽しく住める賃貸物件をこれからも1戸ずつ増やしていくぞー!
無事に二級愛玩動物飼養管理士認定されたから、次はペット共生住宅管理士の資格取る!
愛玩動物飼養管理士2級を受験します!
ペット共生住宅管理士を取得したいので!
問題集をテキスト見ながらやってますが、爬虫類がサッパリ解らない。
6月のオンラインでスクーリングの時には、ある程度は覚えたいなぁ。
世話係、がんばるよ😂
ペット共生住宅管理士を運営している公益社団法人 日本愛玩動物協会
https://www.jpc.or.jp/
ペット共生住宅管理士の申し込み
ペット共生住宅管理士は、
2級愛玩動物飼養管理士の合格が前提となるため、多少の時間を要します。
ただ、計画的に受験することで、今後の更なるペットとの共生化時代にプラスに働くかもしれません。
最後に検定試験問題のサンプルを紹介。
- ペットは「地域のかすがい」になるといった効果があることにも目を向けなければならない。
- 国土交通省住宅局の調査によれば、マンションでのマナー問題の上位は、「違法駐車」「バルコニーの使用方法」「生活音」であり、ペット飼育問題は少ない状況にある。
- ペット飼育は、家庭の中での家族同士の会話を弾ませるといった効果があることにも目を向けなければならない。
- 近隣騒音問題は、常日頃から住民同士のコミュニケーションが上手くとれているがどうかによって大きく変わるといわれていることにも目を向けなければならない。
《参考サイト》
- 公益社団法人 日本愛玩動物協会
- 〒160-0016 東京都新宿区信濃町8-1
- 公式サイト:https://www.jpc.or.jp/