マンション購入 判断:家賃と住宅ローン返済
家賃と住宅ローンをどう考えればいいの?
マンション購入時の見極めのポイント・注意点
賃貸からマンション購入を検討する時のポイントは?
見極めのポイント・注意点
私がはじめてマンションを購入したのは20年ほど前、マンション購入の判断・動機はシンプルでした。
賃貸の家賃が15万円ほどに対して、新築分譲マンションを購入したときの毎月の返済が9万円(8万円+管理費1万円)だったことでした。
賃貸でお金を垂れ流しにするのであれば、
ローン返済で35年後には、完全に財産になる方が得なのではないか?
その考えて購入しました。
これまで、
マンション購入の判断材料として
など紹介しました。
今回は、マンション購入の判断・考え方の1つとして、家賃と住宅ローン返済の関係について紹介したいと思います。
マンション購入の判断材料:家賃・住宅ローン返済比較
不動産では、賃料(賃貸の料金)は、不動産相場にそれほど左右されないと言われます。
ここ15年で都心の不動産価格は大きく上昇しました。
賃貸物件の賃料も上昇していますが、想定の範囲内・利回りの調整レベルです。
その意味で、
不動産購入の1つの考えとして、不動産市況が冷え込んでいるタイミングが購入のタイミングとも言えます。
それと併せて、賃貸と住宅ローン返済の兼ね合いを考えることもマンション購入判断・基本といえます。
住宅ローンの返済が8万円、管理費・修繕積立金が1・5万円の新築マンションであれば、購入を考えてもいいでしょう。
新築マンションであれば、住宅ローン控除もありますので。
毎年の住宅ローン残高の1%を13年間、所得税から控除
*令和元年10月の消費税率引上げにあわせて控除期間を10年から13年間に拡充
ただ、住宅ローンの返済の方が安いからということで、すべてがお得・おすすめというわけではありません。
不動産市況が下火になれば、資産価値が一気に下がります。
さらに、賃貸マンションに住んでいるバリュー感も無視できません。
友人のとの会話の一コマ
最近、都心の地価高騰(高値推移)によって、マンション購入を躊躇していた友人。
友人は、7年前から東京都中央区の2LDKに家賃17.5万円で家族3人で生活しています。
そんな彼が、近隣の中古マンション購入を検討。
- 築13年;2LDK、5000万円
- 月々の返済は14万円
- 管理費・修繕積立金は25000円
頭金も入れ、住宅ローンの返済と維持費(管理費・修繕等)で16.5万円/月
現在の賃料が17.5万円なので、購入してもいいという判断になりそうです。
無理に購入するのは辞めたほうがいい
表向きは
- 賃料:17.5万円
- 住宅ローン返済+維持費:16.5万円
なので、購入してもいいかも?と判断できるかもしれませんが、
私は
「無理に購入するのは辞めたほうがいい」
と伝えました。
理由はいくつかあります。
彼は、7年前に今のところに引越し、そのままの更新しながら家賃17.5万円で住んでいます。
しかし 、近隣の賃貸相場を見ると20.5万円くらいまで上がっています。
17.5万円という家賃自体はプラチナ価格・バリュー賃料(バリュー・フォー・マネー:VFM・Value for Money)であるということ。
*勝手にバリュー賃料と命名
借地借家法によって、賃借人はかなり手厚く保護されています。
家賃交渉によって家賃が上がることは基本的にありません。拒否できます。
要するに”家賃も権利の1つ”だということです。
築年数も無視できない
築13年というのは非常に微妙なタイミングでもあります。
大規模修繕工事が終わる・真っ最中のタイミングが築10年を越した分譲マンションです。
マンション管理がしっかりされているか確認できるタイミングでもあります。
- 今後の計画はどうなっているのか?
- 修繕積立に無理はないか?
仮に、12年周期で大規模修繕を予定しているのであれば、総会の議事録などで今後のスケジュールの確認は必須項目です。
最近のマンションの場合、
初期の修繕積立金の設定*が低いため、途中で徴収金額を改定するマンションは多く、それはそれで特別なことではないですが、管理組合がギクシャクするということもあります。
*マンション建設費用(資材・人件費・土地取得)高騰で販売価格も上がっています。
そのため、手を出しやすいように、修繕積立金や管理費を抑えている新築マンションは少なくありません。
現状、修繕積立金が10,000円だったとしても、20,000円になるかもしれません。
もう、そのような話が出ているかもしれません。
住宅ローン返済+維持費:16.5万円の見立て自体が甘ければ、キャッシュフローが崩れかねません。
マンション購入判断材料:資産価値と家賃と住宅ローン返済
マンション購入において、資産価値は無視できません。
- 立地・特に駅近
- 築年数
- 間取り
- 近隣開発(再開発エリア)
など、良い物件だから購入したいという意思については否定しません。
不動産価格(地価)が上がっている場所は、まだまだ上がるかもしれませんが、それを求めすぎるとギャンブル的な考えてなってしまいます。
- 住んで善し
- 貸しても善し
- 売って善し
資産価値を保てる物件を上手にセレクトしていくことがポイントです。
今回の友人の場合、
賃貸から購入という選択においては、物件選びはいいのかもしれませんが、今の賃料の優位性も無視出来きない側面もあります。
- 賃料
- 住宅ローン返済
- 資産価値
の関係の判断は簡単ではありません。
これが、仮に賃料相場の20.5万円の家賃で住んでいたということであれば、返済+維持費:16.5万円のマンション購入はありかもしれません。
住宅ローン金利も低いですし、ローン審査もおりるでしょうから問題ないと考えることもできるでしょう。
不動産購入も賃貸も、
- マンションを安く買う
- 賃料が安いところに住む
お得なものを選ぶことはポイントの1つです。
新築と中古
マンション購入において、
・新築マンションがいいのか?
・中古マンションがいいのか?
これもよく語られます。
現状、コロナ禍でありながらも、都心の不動産価格は高値で推移しています。
物価上昇・インフレ懸念だともありますが、悪いインフレ傾向が見えているだけに安心できない状況でもあります。
新築プレミアという単語がある以上、高値推移の現状においては、中古物件で問題ないでしょう。
さらに、国もスクラップアンドビルドの不動産からリフォーム・リノベーションを推奨しているわけですから、
築20年以上のマンションを購入しリノベーションもオススメですし人気です。
おすすめのリノベーション業者比較でも紹介していますが、
現状、リノベーションを前提としたマンション購入をサポートしてくる会社もありますので、特におすすめです。
収益物件としても考える
マンション購入は、賃貸運用も想定して購入がオススメしたいと思います。
住宅ローンは別に完済する必要はないので売却益を得ることもいいですし、人に貸して家賃収入得るのも1つの判断です。
その意味で、駅からの距離などは重視したいですね。
一旦人に貸して、その後、老後自分が住んでもいいですし・・・。
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マンション購入における家賃と住宅ローン返済比較:まとめ
マンション購入の判断材料・ポイントやタイミングは1つや2つではありません。
今回は、マンション購入の判断として家賃(賃料)と住宅ローン返済の関係を比較し考えてみました。
いずれにしても賃料から住宅ローンと管理費等を引いて、プラスになることは前提ですが、今回のようなケースも頭に入れてマンション購入を考えてもいいと思います。