買い替え つなぎ資金
住宅ローンを二重で組むダブルローンは稀にあります。
銀行や金融機関の審査が通ればダブルローンだろうとトリプルローンだろうと融資はおります。
不動産投資を行ってい人、不動産オーナーならよくあることです。
住宅ローン返済中、急遽、転勤が決まれば
- マイホーム売却
- 賃貸運用(収益物件)
を検討します。
賃貸運用を選択した場合、住宅ローンが残ったまま、転勤先の地でマンション購入すればダブルローンということもあるでしょう。
また、買い替えの先行購入を選択した場合、
新たに住宅ローンを組むということになれば、一時的にダブルローンとなります。
今回は、買い替え時のつなぎ資金・ダブルロールに関して、そのメリット・デメリットを紹介したいと思います。
買い替えのつなぎ資金・ダブルローンとは
買い替え:売却の方法・購入の方法の考え方は2種類あります。
【先行売却】
先に自宅を売却し、購入資金を明確にさせてから購入のステージに入る先行売却
【先行購入】
新居探しを先にすすめ物件購入した後、売却を進める先行購入
があります。
先行売却であれば、
先にマンションを売却して、その売却益を元に新しい物件を購入するのでつなぎ資金が必要でダブルローンになることはないでしょう。
マンション買い替えの口コミ・体験談:メリットとデメリット
先行購入時の買い替え:つなぎ資金やダブルローンの判断
欲しい物件が見つかった!
立地もいいし、内覧の雰囲気も最高!
何と言っても価格も相場より安め!
不動産屋さんからもオススメ物件として太鼓判!
買い替えの判断が難しい・・・。
先行購入の壁は、ここにあります。
買い替えの先行購入の場合、つなぎ資金の前に
- 売却予定金額が住宅ローン残より高いか
- 住宅ローンの審査が通るか
の2つを最低限、確認・把握しなくてはなりません。
住宅ローン残が2000万円あり売却相場が2200万円。
これであれば少しの期間、ダブルローンになっても負担は少ないと考えるかもしれません。
しかし 、
不透明な部分が、いくつかあることを見逃してはいけません。
それが、
- いくらで売れるか?
- いつ売れるか?
近隣相場に照らし合わせた売れるであろう想定金額です。
よって、確実にその金額で売れるとは限りません。
値引き交渉も行われるでしょう。
また、すぐ売却が実現できるとは限りません。
マンション売却は普通でも引渡しまで6か月はかかります。
さらに近隣のマンションの市況が悪ければ、それに引っ張られます。
想定以上に売却が進まなければ、価格を値下げしなくてはならないといけません。
となれば、想定以下の売却価格になり、計画が崩れてしまうかもしれません。
となると、
先行購入によるつなぎ資金・ダブルローンは、より慎重に考える必要があるでしょう。
先行売却時の場合も
先行売却で自宅の売却を進めている最中、購入したい物件が出てくることも多々あります。
この場合、先行購入に踏み切るか?
難しい判断に迫られます。
そもそも、気に入った物件は、いつ出てくるか分かりません。
石橋を叩いて渡る的な考えで進めるとすれば、我慢するという結論になりますが、
多少のリスクを追って、先行購入に切り替えるという方法もあります。
例えば、契約が終わってあとは引き渡しというタイミング。
- 申し込みがあり
- 買主・売主の価格交渉も折り合い
- 買主の住宅ローン審査もクリア
契約が終われば、買主との調整で引き渡し時期の設定となります。
手付金だけしか手にしてませんし、急遽、キャンセルになる場合もありますが、このタイミングであれば、購入の申し込みを入れてもリスクは低いでしょう。
買い替えローン・つなぎ融資
今回、二重で住宅ローンを組むダブルローンを中心に進めましたが、
住宅ローンの審査のハードルが上がるのは事実です。
金融機関は、家の評価額をもとに審査を行いますが、
単純にローン総額が増えるわけですから、信用枠オーバーと判断されれば、ローンの審査は通らないでしょう。
そこで一時的なダブルローンの場合、
買い替え時には買い替え専用のつなぎ融資・ローン、
つなぎ融資と言うと一般的に、事業での融資のイメージが強く、
資金繰り・運転資金を安定させるために、一時的にお金を借りる時に使われることが多いと思います。
売掛金の回収が遅れてしまい、一時的にキャッシュフローが悪くなりそうな時など、つなぎ融資という使い方の方が多いかもしれません。
最近では、生活保護を受取るまでの生活資金としてのつなぎ融資などもあるようですが、
不動産・マンション買い替えにおけるつなぎ融資も有名です。
《つなぎ融資のメリット》
買い替えにおける先行購入。
- 今住んでいる家に住みたくない。
- 1日も早くこの地から離れたい。
- 近隣トラブルで住んでいられない。
- やっと理想のマンションにめぐり会えた。
- この機会を逃すことはできない。
など、購入要因は無視できません。
さらにマンション購入は一期一会です。
- 条件に合った物件が常に市場に出ているとは限りません。
- 欲しいと思ったマンションはいつでも買えるものではありません。
- 不動産会社から好条件物件の連絡を来ても1日躊躇しただけで2番手・3番手になることは多々あります。
要するに、
買い替えにおける先行購入は至って普通なことですし、実際によくあることでもあります。
そこで、活用できる”買い替え時のつなぎ資金”ですが、
マンションの相場は常に上下します。
- オリンピックは無観客となりましたが、公共事業・開発により地価上昇しました。
- 人口減少・町が衰退傾向であれば、地価は下落傾向になります。
- 新型コロナウイルスで今後の見通しは不透明です。
しかし 、買い替えに関しては、ほぼ同じタイミングで売り買いを行うため、
不動産における資産・鑑定に誤差が出にくいため、首を絞めるような借入にならないのが現実です。
今、住んでいるマンションの評価額が3000万円であれば、一般的に購入するマンションも同等の金額を選択するはずです。
大手不動産会社はつなぎ融資のオプションを設けているのが、一度確認してみるといいと思います。
《つなぎ融資のデメリット》
つなぎ融資を用意している大手不動産会社のつなぎ融資プラン(制度)は、売却保証制度(買換)との併用という会社が基本です。
期間内に売買が締結しなかった場合、その不動産会社が買い取ってくれるという一見、便利なシステムに見えます。
しかし 、問題はその買取額。
不動産会社も相場同等で買い取っても転売がききませんし、仲介をメインにしているので幾ら関連会社だからといって物件を持つリスクを避ける傾向があります。
よって、買取価格は、相場価格の25%引き位まで叩かれるのが相場です。
相場4000万円の物件で、普通に4000万円で売買が締結すれば問題ありませんが、最終的に不動産会社の買取で3000万円ということになれば・・・。
その間に買替も済ませているわけですから逃げ道がありません。
よって最悪、買取りというリスクを考えて、つなぎ融資の判断をする必要があります。
期間が長いことで必ずしも高く売却できるとは限りませんが、少なからず、時間的な制約に猶予がでます。
買い替えのつなぎ融資サービスがある不動産会社
大手各社のつなぎ融資サービスを調べてみました。
- 野村の仲介+は、つなぎ融資サービス
- 住友不動産販売は、ステップ買替購入立て替えサービス
- 三井のリハウスは、買替つなぎ融資
- 東急リバブルは、立替払制度(資金のつなぎ制度)
- 大成有楽不動産販売は、つなぎ融資制度
というサービス名でプランを設けていました。
三井のリハウスの買替つなぎ融資
三井のリハウスの買替つなぎ融資は、担保物件売却の売買契約を前提として融資制度です。
対象物件 | 支店エリア内 個人の居住用のマンション |
対象者 | 買替えの購入契約を締結された方で、仲介にて担保物件売却の売買契約を締結済みの方 |
融資金額 | 【担保物件未成約】300万円~5,600万円以内(10万円単位) ※アルヒ株式会社評価額の70%が上限となります。 【担保物件成約済】300万円~6,800万円(10万円単位) ※アルヒ株式会社評価額の85%が上限となります。 |
金利 | 年4.4%(返済時一括払い) |
借入期間 | 当初6ヶ月以内(延長を含め最長12ヶ月) |
東急リバブルの立替払制度(資金のつなぎ制度)
東急リバブルの立替払制度は、「売却代金」の85%や「売却保証の金額」の100%まで購入物件の残代金支払い日から売却代金の受領日まで、購入物件の残代金をつなぐプランです。
>>
東急リバブル公式サイト
野村の仲介+(PLUS)のつなぎ融資
野村の仲介+:つなぎ融資は、買換保証を前提として融資制度です。
融資期間 最長1年(保証期間は個別に審査あり)ということなので、販売期間が広めに取っているのも特徴です。
対象物件 | 支店エリア内 個人の居住用のマンション |
対象者 | 買換保証制度を利用の方 |
融資上限額 | 1億円(売却保証額が上限) |
金利 | 短プラ連動の住宅ローン+0.75%(三井住友銀行) |
借入期間 | 最長12ヶ月 ※借入期間は個別に審査の上、決定いたします |
住友不動産販売のステップ買替購入立て替えサービス
住友不動産販売:つなぎ融資は、ステップ買替購入立て替えサービスです。
買換保証の記述がありませんが、融資期間:1年以内ということなので、買換保証のプランだと思います。
対象物件 | 支店エリア内 個人の居住用のマンション |
対象者 | ・融資実行時20歳以上の方で、売主様及び買主様の両者とも住友不動産販売の仲介による売買契約済みの方 ・その他住友不動産販売および三井住友銀行の利用基準を満たしている方 ※お申し込みに際し、三井住友銀行所定の審査があります。審査の結果によっては本融資をご利用いただけない場合があります。 |
融資上限額 | 最大3億円(売価の70%以内・上記資金使途の範囲まで) |
金利 | 3.225%(短期プライムレート連動) |
借入期間 | 1年以内(売却不動産の引渡完了まで) |
家がいくらで売れるか?
調べたことありますか?
査定は無料、また、不動産会社の人が家に来ることなく査定(机上査定)が可能なので、上手に活用してみてください。
大手不動産会社
注文住宅
注文住宅を購入する場合の”手付金や中間金”のためのつなぎ融資もあるので、簡単に説明しておきましょう。
一般的に、住宅ローンは建物が立っていない状態では組めません。
分譲マンションや分譲住宅は完成している状態で住宅ローンを組むので問題ありませんが、注文住宅は更地から家を建てるため少し話は変わります。
よって、建物を建て終わるまでの資金として”手付金”や”中間金”が必要となり、それらが”注文住宅のつなぎ融資”として存在しています。
手付金や中間金の数百万円を一時的に、つなぎ融資として融資を受け、
住宅が完成した段階で住宅ローン借り入れを行い、そのローンで”つなぎ融資”を返済するというイメージです。
https://www.shinseibank.com/retail/housing/tsunagi/
マンション買い替え時のつなぎ資金・ダブルローンは慎重に
買い替え時のつなぎ資金・ダブルローンは、審査も厳しくなりますし月々の返済も増大します。
最悪の場合
- 一向に売れない
- 価格の値下げ
メンタル的にもいい物ではありません。
付き合う不動産会社や優良な情報が肝となります。