中古マンション売却において、値引きが起こる理由は、買主同士の競争が起きていないことが原因です。
これが、中古マンション売却における値引き交渉のポイントの1つです。
マンションを売るときに、売主として厄介・よく起きることが購入希望者からの値引き交渉です。
これに関しては、
相場より安かろうが、高かろうが、買主としてはあわよくば少しでも安く購入したいということで、仲介の不動産会社を通して相談を持ち掛けるものです。
そこで今回は、売り主目線で、中古マンション売却時の値引き・値下げ交渉についての対応方法を紹します。
また、最後に裏技的な交渉を2行追加しました。
値引き額の考え方・対処法として参考ください。
マンション売却時の値引き交渉
そもそも、中古マンションに定価というものは存在しません。
近隣の相場をベースに
- 相場に合わせた金額設定
- 早めに売るために若干低め金額
- 少し強気で高めの金額設定
など、さまざまだからです。
よって、その金額自体、高い・安いを一概に言うことができないわけです。
お互いの心理として
- 買り主は、少しでも安く買いたい
- 売り主は、少しでも高く売りたい
だけに、その攻防に値引き交渉・合戦が起こるのも納得です。
また、経済情勢・災害・開発などで相場自体上下するため、販売価格そのままで売買成立といかないのも納得でしょう。
中古マンション売却時の値引き交渉の金額・相場
結果から言えば、答えとなる割引率や割引額などはありません。
しかし 、説得力のある数字を設定する方がダラダラいかないのが現状です。
説得力を持たせる金額設定
- 端数カット(例:3980万 を 3900万など10万円単位を切り捨て)
- 中間をとる(販売価格とお客様の希望額と間の金額)
- 仲介手数料分(3%)の値引き
などになります。
当たり前というか前提の話ですが、
値引き交渉が来たからと言って、絶対、値引きに応える必要はありません。
丁重にお断りして問題ありません。
しかし 、売り主はいろいろな事情・状況下で売却活動をしているのが現実です。
- 転勤による売却
- 離婚による不動産売却
- 住宅ローンが払えない
- 子どもの学校のため
- 売却益を得たい
- 買い替えを考えている
- 子どもの増えて・減って住環境の変更
- ご近所トラブル(騒音・事件)
などあるため、
その中で急を要するものに関しては、足元を見られている分、値引き交渉の発生が高いのも現状です。
転勤
転勤が決まり、今住んでいるマンションを売却する場合、
転勤先の住居は会社が用意してくれたとしても、引越し前に片づけておきたいものです。
また、今住んでいるマンションを売却し、そのお金で転勤先の物件購入ということであれば、更にスケジュールはタイトになります。
住宅ローンが払えない
借金やリストラなどで住宅ローンが払えないという場合、
銀行に差し押さえ、任意売却、最悪競売は、相場より数段安く買いたたかれるため、早めに少しでも高くマンションを売却したいものです。
子どもの学校のため
子どもの教育、例えば特定の小学校の学区内へ引越しということであれば、4月の入学の段階で新居を確定していないと入学申請すらできません。
自宅中古マンションに買い手がつかないとなると、新居が賃貸マンションであったとしても、
- 住宅ローンの返済
- 新居の賃貸料
ダブル出費になりかねません。
買い替えの場合
買い替えで引越したい物件が決定した場合、
特に、資金的な都合で先行売却(先に自宅を売却しその売却益で新しいマンションを購入)をせざるを得ない場合、
その物件を購入するためには、1日も早く自宅のマンションを売却する必要があります。
*住み替えローンなどもありますが
離婚による財産分与
離婚による清算(現金化)・財産分与の場合、必ずしも急ぐ必要はありませんが、1日も早くキレイにしさっぱりしたいというのが常です。
よって、所有している中古マンション売却は、なるべく早く売却したいというのが心理です。
これら中古マンション売却においては値引き交渉を前提に売主も早く売りたいという心理ですが、
とはいっても、一定のライン以下では売却したくない、場合によってはオーバーローンになってしまうなので葛藤が生まれます。
中古マンション売却時の値引き交渉は心理戦
急を要する売却をいくつか挙げましたが、
実際には、急を急ぐものだけでなくても値引き交渉が発生します。
中古マンション売却時の値引き交渉は心理戦と言っても過言ではありません。
- 多少時間がかかっても欲しい人いるはずだ!
- 買い主に出会うのは時間の問題だ!
など、不動産市況を背景に強気な金額設定で進めえていても、6か月(半年)も経つと徐々に不安になります。
もしかし たら、このままでは売却しないかもしれない。
不動産会社の営業も、売り主の気持ちを忖度し強くは言わないが、何となくその雰囲気を感じる・・。
弱気になってくるものです。
売却益を出すために設定した販売価格。
決して強気な金額ではなくても、売れない期間が長くなると不安になります。
多少、値切ってでも早く売却したいと思う心理が生まれるものです。
要するに、売れない期間が長くなると不安になるのは当たり前です。
- 強気な金額であっても売れるものは売れます。
- 安いからなんでも売れるわけでもありません。
しかし 、中古マンション売却は買主との出会いがすべてなので、タイミングが合わなければ成約に結びつきません。
また、媒介契約の不動産担当者が”囲い込み”や”干し”などの悪質な行為(囲い込みとは)をしていれば、売れるものも売れません。
最悪の場合は、厄介なのが営業自身が心理作戦を仕掛けることです。
不動産会社の営業は、
売買締結(契約)が仕事なので買主側に付くことも多々あります。
よって値引き交渉をスムーズに進めたがります。
- 3000万円の物件を成約した場合、両手取引で6%:180万円の仲介手数料
- 2900万円に値引きし成約した場合、両手取引で6%:174万円の仲介手数料
仲介手数料の差は、6万円:大差ありません。
購入の意識を示す買い主がいる以上、100万円の値引きを後押し、その比重は買い主に向かうのは間違いありません。
値引き交渉を回避する方法、そのテクニック・・・。
と書いてはみたものの、値引き交渉は基本的に避けられないものです。
よって、
- 値引き交渉をどう優位にすすめるか?
- 値引きがあっても希望の金額で売却するためにどうするか?
- 競争原理を引き起こす方法
これを基本に、紹介しましょう。
≪あらかじめ値引きを想定した売却金額をつける≫
販売価格を決定する時は、相場を確認し、近隣のマンションの金額を確認した上で金額を算出しますが、
中古マンション売却においての値引き交渉を前提とした価格設定をしましょう。
端数を設定する
値引きの定番は、端数をまけてくれませんか?
3980万円を3900万円にできませんか?
事前に端数を設定金額にプラスしておくことで、値引き交渉があったとしても希望の金額で売却が可能となります。
売却方法・媒介契約を見直す
値引き交渉が起こる理由は、買主同士の競争がないだけではありません。
不動産会社同士の競争もその1つです。
- 専任媒介であれば、一般媒介に変更し、ライバルを増やしてみるのはどうでしょうか?
- 一般媒介であっても、もっと増やしてみてはいかがでしょうか?
不動産会社は、売却を仲介して初めてビジネスが成り立ちです。
ライバルがいない専任媒介契約の状況では、他社に先を越されるという危機感がありません。
一般媒介契約のようにライバルがいる環境であれば、その熱量も変わります。
不動産担当者との心理戦に勝つ
営業担当者は、仲介手数料でビジネスが成り立っているわけですから、
売り主と買い主が折り合える接点を見出すことが仕事です。
ある意味、仲人役です。
キレイな言い方をすれば・・・。
しかし 、実際は、
中古マンション売却における値引き交渉においては、
買い主・売り主、どちらなら妥協するか?
そこを探っています。
【重要】よく考えてみると・・・
値引き交渉を冷静に考えてみると、ゴール間近ということです。
営業担当からすれば、
ここで契約未成立となることは、ある意味許されないところとも言えます。
営業担当者は、大手であれば支店に属しています。
個人の営業成績もあれば、支店としての成績にも影響を与えます。
仲介における進捗は随時、部内・支店に報告しているわけですから
この値引き交渉が、売り主の拒否によって話がなくなってしまうことは、少なからずダメージとなります。
地元の不動産会社であっても、ここまできて仲介手数料”ゼロ”、他社に持っていかれるというのは大ダメージです。
営業担当との関わり方
では、営業担当とどのような関係を築くのがいいのか?
別にケンカをしろ!とは言いません。
営業マンはその道のプロです。
売主だけでなく買主の足元を見ながら判断していきます。
そこで、値引き交渉の話になった時、妥協したくない金額であれば、
どうしよぉ~
この反応を辞めましょう。
このどうしよぉ~
という反応は、営業からすれば、100%、値引きできるというサインになってしまいます。
この金額では受けられません。
次のお客様を探すことにしましょう。
っと、意思をしっかり見せましょう。
この意思表示で、説得相手が購入希望者の方に移ります。
- 契約成立しない
- 仲介手数料が”ゼロ”
- 他社に持っていかれる
ことはしなくないということで、購入希望者への伝達方法・説得方法が変わってくるはずです。
そして、ここからが本当の値引き交渉が始まるのです。
相場も気になる
値引き交渉が苦手という人もいるでしょう。
中古マンション売却をおこなう時、値引き交渉の額が気になる人もいると思います。
基本的に、営業マンとの話し合いで、落としどころを決めていきますので、安心していいと思います。
マンション売却時の「値下げ」は最終手段ですし
中古マンションの値引き交渉を成功させるポイントもあります。
中古マンションの値引き交渉と両手仲介
マンション売却で値下げするタイミングと時期にも影響しますので。
値下げと値引きは違いますが、お互いのタイミングも重要です。
https://www.zennichi.or.jp/law_faq/%E5%BB%BA%E5%A3%B2%E4%BD%8F%E5%AE%85%E3%81%AE%E5%80%A4%E4%B8%8B%E3%81%92%E8%B2%A9%E5%A3%B2/
よくある質問
値引き交渉は、購入希望者が物件を見学した後の申し込み、具体的な購入意向が示された際に行われることが多いです。
まず、要求の理由を詳しく聞き、物件の価値や特徴を再度アピールすることが重要です。また、柔軟に対応することで、双方が納得のいく結果になる可能性が高まります。
物件の状態や築年数、近隣の相場、物件の特定の欠点などが主な理由として挙げられます。
はい、例えば、引越し費用のサポートや修繕費用の補助など、価格以外の特典を提供することで、交渉を有利に進めることが可能です。
不動産業者を通じて交渉する方が、専門的な知識や経験を活かしてスムーズに交渉を進めることができるため、一般的には有利とされます。
物件の価値や特徴を再度強調し、その上で適切な価格での売却を希望する旨を伝えることで、断ることができます。
中古マンション売却時の値引き交渉:まとめ
中古マンション売却時の値引き交渉は
購入希望者様からの意向に対して売主が応えるものですが、売主も権利を主張することは可能です。
≪退去日の設定≫
一般的に、マンション売却後の退去日の設定は、2・3ヶ月というスケジュールで設定されてます。
買主の意向が2カ月の場合、値引きの代わりに3ヵ月・4ヶ月など、期間の融通を利いてもらうことも可能です。
≪補修サービス付加≫
一般媒介契約の場合、不動産会社が持っている売却後の各種保障サービスを受けることができません。
その1つが、大手不動産会社によくある瑕疵担保責任系(契約不適合責任)のもの
住宅・補修サービスです。
建物・設備に不具合が出た場合、補修費用を負担するなどのものです。
値引きに応じる代わりに、専任媒介契約同等のサービスをつけてもらうことも交渉可能です。
ちなみに筆者は、中古マンション売却時の値引き交渉に、
不動産会社の仲介手数料の減額を条件に出したこともありますwww
現金での購入は、売主にとって金融機関の手続きやローンの承認待ちなどの手間や時間が省けるため、スムーズな取引が期待できます。
この点を評価し、一定の値引きを検討することは可能です。
ただ、マンション売却で得られる金額は、買主が住宅ローンを使おうと現金だろうと入ってくる金額は同じです。
よって、現金だからと言って値引き交渉に応じる必要はありません。
キャンセルのリスクがともないます。
住宅ローンの場合、買主の審査をした上で融資します。
ローン契約後はキャンセルのハードルが高くなるため、まず、キャンセルはなくなります。
住宅ローンの審査には時間がかかりますが、買主がふさわしい人であるか?のチェック機関でもあるため、意向が真剣であるかどうかを確認することも大切かもしれません。
時間に余裕がある場合は、他の購入希望者のオファーを待つことも選択肢として考えられます。