令和3年 宅建試験できた?ダメだった?
令和3年 宅建試験(宅地建物取引士試験)に受験された方、お疲れ様でした。
- は?何コレ?
- ムッ?ムッ?
相変わらず民法はムズ!
更に、過去問をたくさん解いていた方には、こんな言い回しあったっけ?
こんな、文言聞いたことないんだけど・・・。
そんな感じではなかったのではないでしょうか?
少し紹介すると、相続の問題。
相続の問題:宅建 令和3年
- Aが2分の1、Fが4分の1、Gが4分の1
- Aが2分の1、Cが6分の1、Fが6分の1、Gが6分の1
- Aが2分の1、Gが2分の1
- Aが2分の1、Cが4分の1、Gが4分の1
正解は1なんですが、今らしい問題でした。
しっかり家系図を書いて解くわけですが、
離婚して再婚なんて今では当たり前ですが、過去問にはあまり出てこない問題だったと思います。
さらに、そこに親権というさもありげの単語を散りばめ、ここで苦戦した人、多かったと思います。
でも、考えさせられますね。
連れ子も、家族の一員と差別・区別なく・・・・というわけではない。
いちよ相続は血族・配偶者が前提です。
【雑談】
女系天皇・女性天皇という話も、意外と知らない人多いですよね。
これも、今回の問題を考えれば、認識しやすいと思います。
-
例えば、
- 父が鈴木家
- 母が佐藤家(旧姓)
- 長男と長女
の4人家族
長男と長男の子供は、みんな本家代々の鈴木家血族ですが、
長女は鈴木家の血族ですが、長女の子供は、男女関係なく旦那さんの血族です。
民法、やっぱり分からない?
問10の民法は、定番の民法ムズムズ問題でした。
- 本件契約において、給付の目的を甲にするか乙にするかについて、第三者Cを選択権者とする合意がなされた場合、Cが選択をすることができないときは、選択権はBに移転する。
- 本件契約において、給付の目的を甲にするか乙にするかについて、Aを選択権者とする合意がなされた後に、Aの失火により甲が全焼したときは、給付の目的物は乙となる。
- 本件契約において、給付の目的を甲にするか乙にするかについての選択権に関する特段の合意がない場合、Bが選択権者となる。
- 本件契約において、給付の目的を甲にするか乙にするかについて、第三者Dを選択権者とする合意がなされた場合、Dが選択権を行使するときは、AとBの両者に対して意思表示をしなければならない。
こんな過去問ないし、民法は幅広いから正解率低かったと思います。
ちなみに、正解は2です。
宅建らしい意地悪な言い回し
設問36。
宅建の問題で、たまに出てくる意地悪な言い回し。
最後まで設問を読まないと泥沼に陥る問題。
- 建物の貸借の媒介を行う場合における、「都市計画法第29条第1項の規定に基づく制限」
- 建物の貸借の媒介を行う場合における、「当該建物について、石綿の使用の有無の調査の結果が記録されているときは、その内容」
- 建物の貸借の媒介を行う場合における、「台所、浴室、便所その他の当該建物の設備の整備の状況」
- 宅地の貸借の媒介を行う場合における、「敷金その他いかなる名義をもって授受されるかを問わず、契約終了時において精算することとされている金銭の精算に関する事項」
少なくとも説明しなければならない事項
として、考えると、泥沼に陥ります。
選択肢、たくさんあるぞ?!どうする?
最後まで読むと、
規定に少なくとも説明しなければならない事項として掲げられていないもの
説明しなくてならないものではないもの
これに引っかかった人、意外といるのではないでしょうか?
ちなみに、答えは1です。
18歳の者は成年?
設問5も意図を感じるものでした。
- 令和3年4月1日において18歳の者は成年であるので、その時点で、携帯電話サービスの契約や不動産の賃貸借契約を1人で締結することができる。
- 養育費は、子供が未成熟であって経済的に自立することを期待することができない期間を対象として支払われるものであるから、子供が成年に達したときは、当然に養育費の支払義務が終了する。
- 営業を許された未成年者が、その営業に関するか否かにかかわらず、第三者から法定代理人の同意なく負担付贈与を受けた場合には、法定代理人は当該行為を取り消すことができない。
- 意思能力を有しないときに行った不動産の売買契約は、後見開始の審判を受けているか否かにかかわらず効力を有しない。
答えは簡単に4と出せると思います。
しかし、
令和3年4月1日において18歳の者は成年である
という文言に、待てよ!っと疑いを持った人もいたと思います。
成人は20歳
2022年4月1日から18歳に引き下げられます。
民法で一番の難問
令和3年の民法問題で、難問だったのはこれではないでしょうか?
- ア AがBとの間でB所有建物の清掃に関する準委任契約を締結していた場合、Aの相続人は、Bとの間で特段の合意をしなくても、当該準委任契約に基づく清掃業務を行う義務を負う。
- イ AがA所有の建物について賃借人Cとの間で賃貸借契約を締結している期間中にAが死亡した場合、Aの相続人は、Cに賃貸借契約を継続するか否かを相当の期間を定めて催告し、期間内に返答がなければ賃貸借契約をAの死亡を理由に解除することができる。
- ウ AがA所有の土地について買主Dとの間で売買契約を締結し、当該土地の引渡しと残代金決済の前にAが死亡した場合、当該売買契約は原始的に履行が不能となって無効となる。
- エ AがE所有の建物について貸主Eとの間で使用貸借契約を締結していた場合、Aの相続人は、Eとの間で特段の合意をしなくても、当該使用貸借契約の借主の地位を相続して当該建物を使用することができる。
誤っているものはいくつあるか?
そもそも民法、難しいのに、
この出され方すると、鉛筆転がすレベルだったのではないでしょうか?
引っ掛け問題ではないので、回答がバラけた問題だったように思います。
クーリング・オフもいやらしい
問39のクーリング・オフ
- 告知書面には、クーリング・オフによる買受けの申込みの撤回又は売買契約の解除があったときは、Aは、その買受けの申込みの撤回又は売買契約の解除に伴う損害賠償又は違約金の支払を請求することができないことを記載しなければならない。
- 告知書面には、クーリング・オフについて告げられた日から起算して8日を経過するまでの間は、Cが当該マンションの引渡しを受け又は代金の全部を支払った場合を除き、書面によりクーリング・オフによる買受けの申込みの撤回又は売買契約の解除を行うことができることを記載しなければならない。
- 告知書面には、Cがクーリング・オフによる売買契約の解除をするときは、その旨を記載した書面がAに到達した時点で、その効力が発生することを記載しなければならない。
- 告知書面には、A及びBの商号又は名称及び住所並びに免許証番号を記載しなければならない。
この問題、一見②に見えます。
①は当たり前すぎて、逆にアラを探したくなります。
ただ、②をよく見ると
書面によりクーリング・オフによる買受けの申込みの撤回”又は”売買契約の解除を行うことができることを記載
どちらか一方ということですね。
あるあるの問題ですね。
一般媒介契約出す?
問38 媒介契約。
一般媒介契約は珍しいと思います。
- ア 本件契約を締結する際に、Bから有効期間を6か月としたい旨の申出があったが、AとBが協議して、有効期間を3か月とした。
- イ 当該物件に係る買受けの申込みはなかったが、AはBに対し本件契約に係る業務の処理状況の報告を口頭により14日に1回以上の頻度で行った。
- ウ Aは本件契約を締結した後、所定の事項を遅滞なく指定流通機構に登録したが、その登録を証する書面を、登録してから14日後にBに交付した。
- エ 本件契約締結後、1年を経過しても当該物件を売却できなかったため、Bは売却をあきらめ、当該物件を賃貸することにした。そこでBはAと当該物件の貸借に係る一般媒介契約を締結したが、当該契約の有効期間を定めなかった。
一つ
二つ
三つ
四つ
専任媒介や専属専任媒介はよく出ますが、一般媒介契約単独で出るのは、珍しくしっかり理解できているか?
問われる問題でした。
ちなみに正解は4
ソーラーパネル???
設問32にはソーラーパネル
え?!ソーラーパネル
- A社が、都市計画法に規定する用途地域外の土地であって、ソーラーパネルを設置するための土地の売買を媒介しようとする場合、免許は必要ない。
- B社が、土地区画整理事業の換地処分により取得した換地を住宅用地として分譲しようとする場合、免許は必要ない。
- 農業協同組合Cが、組合員が所有する宅地の売却の代理をする場合、免許は必要ない。
- D社が、地方公共団体が定住促進策としてその所有する土地について住宅を建築しようとする個人に売却する取引の媒介をしようとする場合、免許は必要ない。
ソーラーパネル:正解は①
ソーラーパネルを設置するための土地の売買を媒介。
土地の媒介から、免許いるじゃ~ん
っと選択したいところですが、
用途地域外の土地なので、
建物を建てる目的で取引していないわけですね。
ちなみに、④は過去問にも何度か出てますね。
D社が、ってところで、地方公共団体は排除できたと思います。
やっぱり水害ハザードマップ
水害ハザードマップは、ある程度予想できました。
ただ、問題を作るにしても、難しい作り方は出来そうもなので、正答率は高かったと思います。
ただ、丸々1問とは・・・。
- 宅地建物取引業者は、市町村が、取引の対象となる宅地又は建物の位置を含む水害ハザードマップを作成せず、又は印刷物の配布若しくはホームページ等への掲載等をしていないことを確認できた時は、重要事項説明書にその旨記載し、重要事項説明の際に提示すべき水害ハザードマップが存在しない旨を説明すればよい。
- 宅地建物取引業者は、市町村が取引の対象となる宅地又は建物の位置を含む「洪水」、「雨水出水(内水)」、「高潮」の水害ハザードマップを作成している場合、重要事項説明の際にいずれか1種類の水害ハザードマップを提示すればよい。
- 宅地建物取引業者は、市町村が取引の対象となる宅地又は建物の位置を含む水害ハザードマップを作成している場合、売買又は交換の媒介のときは重要事項説明の際に水害ハザードマップを提示しなければならないが、貸借の媒介のときはその必要はない。
- 宅地建物取引業者は、市町村が取引の対象となる宅地又は建物の位置を含む水害ハザードマップを作成している場合、重要事項説明書に水害ハザードマップを添付すれば足りる。
ちなみに正解は①
集落地区計画って何?
設問18は、少し意地悪だったように思います。
- 都市計画により建蔽率の限度が10分の6と定められている近隣商業地域において、準防火地域内にある耐火建築物で、街区の角にある敷地又はこれに準ずる敷地で特定行政庁が指定するものの内にある建築物については、建蔽率の限度が10分の8となる。
- 市町村は、集落地区計画の区域において、用途地域における用途の制限を補完し、当該区域の特性にふさわしい土地利用の増進等の目的を達成するため必要と認める場合においては、国土交通大臣の承認を得て、当該区域における用途制限を緩和することができる。
- 居住環境向上用途誘導地区内においては、公益上必要な一定の建築物を除き、建築物の建蔽率は、居住環境向上用途誘導地区に関する都市計画において建築物の建蔽率の最高限度が定められたときは、当該最高限度以下でなければならない。
- 都市計画区域内のごみ焼却場の用途に供する建築物について、特定行政庁が建築基準法第51条に規定する都市計画審議会の議を経てその敷地の位置が都市計画上支障がないと認めて許可した場合においては、都市計画においてその敷地の位置が決定しているものでなくても、新築することができる。
このような問題、3つ違うから残った1つを答えにしようっと行きたいのですが、
・集落地区計画って何?
・居住環境向上用途誘導地区内って何?
・ごみ焼却場じゃない?
ごみ焼却場は、違うと答えが出た人は、消去法で2が出せたと思います。
筆者は、不動産会社でもないし、デベロッパーでもないので宅建試験の資格を取ろうと思いますが、
ここ数年、宅建の合格点が上がり、
コロナのテレワーク・在宅勤務で勉強時間が増えたこともあるため、出題者も少しひねってきたようにも思います。
令和3年10月の宅建試験において、
一概に難易度が高かったとは言い切れないですし、宅建の分野では、実務向きの出題というイメージもありました。
宅建スクールの会社は、12月・来年の試験に向けてどのような対策をしてくるか注目だと思います。
合格点は35点説が出ていますが、”34点”もあると思っています。
関連ページ:不動産投資に宅建の資格は必要?