マンション販売価格
マンション売却時に、重要な販売価格。
マンション販売価格は、買い手に対して最初に提示するメッセージを意味します。
購入希望者が最初に考えることの1つが”販売価格”です。
購入希望者はマンションを購入したいと思い、マンションの情報を集める時、
インターネットの不動産サイト(スーモ・アットホーム・ホームズ等)から
- エリア・地域
- 販売価格・料金
- 間取り・広さ(1LDK・2LDK等)
の検索をします。
その際、
- 間取り善し
- エリア善し
- 価格善し
3拍子揃った物件であれば、お問合せ・資料請求に進展しますが、そのバランスが崩れている物件の場合、いつまでたっても、お問合せからその先になる内覧⇒購入には進みません。
マンション販売価格は、
売主(オーナー)が自由に設定できるため、強気だろうと弱気だろうと意思決定自由です。
しかし、箸にも棒にもかからない状態では、マンション売却活動の停滞を意味します。
そこで、今回は、
- マンション販売価格の決め方
- 販売価格と成約価格との乖離
- マンション売却の口コミ:成功例・失敗例
について、マンション売却時の初期の作業である失敗しない価格決定法を紹介します。
マンション販売価格の決め方
マンション売却時の初期に重要な決定事項は
- 不動産会社との媒介契約
- マンション販売価格の決定
この2つです。
不動産を所有する時のリスクの1つに、
- 売却し難い
- 現金化が容易ではない
というものがあります。
車であれば、ガリバーやラビットに買取査定をお願いすれば査定員が家まで来てくれ、買取額を提示・そのまま買取ってくれます。
ブランド物や家電や書籍なども、買取店(出張)でその場で買取額の提示・その場で買取ってくれます。
しかし、不動産はそうではありません。
不動産会社に仲介を依頼し買主を探してもらうということで、引き渡しまで早くても半年(6ヶ月)程度は見ておく必要があります。
そこで重要なのがマンションの販売価格になるわけですが、考え方はそれほど難しくはありません。
- 相場を認識する
- 不動産屋から助言・アドバイスをもらう
これになります。
知り合いの不動産会社や一括査定サイトを活用しマンション査定を行うと、
- 大まかな査定額(強気の会社・弱気の会社)
- 直近の近隣の売買実績(成立取引価格)
- 現状、売却中の販売価格
日本人は、比較検討には長けているので、これだけの情報を手にすれば、何となく相場が確認できると思います。
1社だけに査定をお願いすると比較が難しいいですが、3・4社にお願いすれば、
- A物件は、強気の価格設定だな
- B物件は、意外と安い価格設定だな
- C・D物件は、少し強気の似たり寄ったりだな
まず、この雰囲気を確認することができます。
その上で、不動産会社の営業マンとマンションの販売価格を決定するわけですが、
- どこまで詳細な情報を持っているのか?
- より具体的な提案してくれるか?
ココが1つのポイントです。
相場の確認の段階で、
ライバル物件となるA物件・B物件・C物件・D物件の価格は認識できますが”実情”までは確認できません。
- A物件は、リノベーション済み物件
- B物件は、3ヶ月売れず販売価格の値下げを行った物件
- C・D物件は、6ヶ月以上売れていない物件
だとしたら、どうですか?
営業マンは、意外と同じエリアの他社の営業マンと面識があるものです。
- エリアの売買動向の確認
- 売主がどんな人なのか?
- 売り急いでいるのか?
- 値下げ後の反応はどうなのか?
などの情報交換で、随時アップデートしている営業マンである必要があります。
これらの側面の助言・アドバイスを受けながら、
- 売主の意向(高く売りたい・早く売りたい)
- 近隣の動向(強気の価格で売れている・飽和状態)
- ライバル物件の動向
を確認しながら、2ヶ月先・4カ月先・6ヶ月先を見て、初期の価格設定を行います。
家がいくらで売れるか?
調べたことありますか?
査定は無料、また、不動産会社の人が家に来ることなく査定(机上査定)が可能なので、上手に活用してみてください。
大手不動産会社
マンション販売価格の失敗例
多くの人は、初期のマンション販売価格について、ここまで深く考えていないかもしれません。
実際に、
- 反応が悪ければ、販売価格値下げが可能です。
- 値引き交渉で、価格の調整も可能です。
ただ、マンション販売価格において失敗する多くの人は、この価格決定の段階で失敗している人が多い事実もあります。
≪値下げはできても値上げはできない≫
不動産売却において、残念ながら後から値下げはできても値上げそう簡単にはできません。
住宅ローンの返済を考えて、ぎりぎりの販売価格設定では、首を絞める形になります。
- なかなか売れなければ、値下げを検討しなくてはなりません。
- 購入希望者は、申込時に値引きの交渉をします。
- マンション売却は、住宅ローンの返済以外に仲介手数料・印紙税・登録免許税・司法書士費用・譲渡所得税等がかかります。
安く買い叩かれたわけではなく、完全にマンション販売価格設定の失敗例です。
≪ライバル物件との比較が甘い≫
同じエリア・同じ築年数のマンションであっても、必ずしも同等の物件に扱われるワケではありません。
ブランドマンションと賃貸運用専用マンションであれば、プリウスと軽自動車のくらいの差があります。
残念ながら買主も素人多いので、営業マンの口車に乗せられて売買締結したりするのも不動産業界ですが・・・
また、同じマンション内であっても、
リノベーションを行い手の入った物件とそのままの状態の物件では大きな差があります。
ライバル物件との比較が甘く相場を読み違えると、マンション販売価格設定の失敗に繋がります。
営業マンとの関係の重要性
不動産営業マンは、マンション販売価格決定における必要な情報を提示してくれるわけですが、売主の要望に寄り添うのが基本です。
心の中で、
『絶対に売れない・反応が悪い、販売価格だよ~』
っと思っていても、全力で否定はしません。
親友関係であれば、論破してまで否定するかもしれませんが、
営業マンからすれば、人間関係が崩れてしまっては仕事になりません。
その意味で、売主は営業マンの意見・提案にも耳を傾ける必要があります。
値引き交渉を前提に、マンション販売価格決定
ここまで説明すれば、マンション販売価格の決定で失敗することなくスタートを切れるでしょう。
勿論、不動産市況は変わりますし、優良物件でも売れないという状態はあります。
いずれにしても、先を見越した販売価格の設定は非常に重要となります。
実際にマンション売却を行うと内覧後の購入申込書には、
購入希望価格として販売価格より安い金額の提示・値引き交渉が行われます。
購入申込書は、買主から
「この金額・この条件であれば、購入を考えますよ!」
というラブレターみたいなものです。
販売価格:5,000万円に対して、購入希望価格:4,000万円の提示なんてこともザラです。
そのラブレターの対応は自由(無視する・返信する)なので、
事前に値引き交渉があることを想定して
「4.600万円なら考えてもいいです」
という落としどころを探っていく作業も想定内の対応としておきたいところです。
マンション売却時の販売価格;体験談
マンション売却時の販売価格について、体験談や口コミを探してみました。
マンション売却時は販売価格に苦労しました
マンションの売却時には販売価格を自分で設定しなければならないので、苦労しました。
それだけでなく、マンションを売却しようとしている間にも維持費や税金などの問題がかかるので、それらを自分で手続をしなければならないのです。
そのため売り出しに出す場合は、専門の業者の方に一任するようにしました。
そうすると、維持費や税金などの問題はすべて業者の方が負担してくれるので、自分は売却したお金を手に入れるだけで問題はありません。
自分で売る際にはどうしても維持費を自分で管理する必要があるので、このような選択肢があることには早めに気づいたほうが良かったと思っています。
今後も業者の方に相談して売却の手続きを行おうとします。
築10年のマンションを高め設定で売却実現しました
築10年のマンションを売ることにしたのですが、不動産会社を幾つか比較をして評判が高い会社と媒介契約を結びました。
売り出しに当たり、販売価格はこちらで決めて良いとのことでしたが、実際に売るとなるとどれくらいの金額で売り出しを行えば良いのか分かりませんでした。
築10年なので比較的高めな金額で設定しても良いかと思いますが、あまりにもかけ離れた金額で販売しても売れないのではないかと不安もありました。
どれくらいの金額で売ることが出来るのかを聞いた方が良い、不動産会社の担当者に相談をするのが一番ではないかと感じるようになりました。
媒介契約を結んだ後に、価格についての相談をしたところ、相場を調べて貰えるなど、適正な金額で売ることが出来ました。
期間・スケジュールへの影響
マンション 販売価格は、売却期間にも大きく影響を与えます。
他の物件より著しく高ければ、箸もかかりません。
逆に、安ければ、何かあるのではないか?怪しまれます。
売却主の希望は
- 高額売却
- 早期売却
- 安心売却
の実現でしょう。
その意味で、マンション売却じの販売価格はいい塩梅を探る作業と言えるでしょう。
参考ページ:マンションの売却期間
気になる疑問・よくある質問
マンションの販売価格は、立地、築年数、専有面積、設備や共用部の状態など、多くの要因によって決まります。これらの要因を理解し、適切に評価することが重要です。
都心部や駅近などの立地は高価格帯となる傾向があります。一方、郊外や駅から離れた場所は、価格がやや抑えられることが多いです。
一般的に、築年数が経過すると価格は下がる傾向にあります。しかし、リフォームや設備の更新を行っている場合、価格の下落を緩和できることも。
新しい設備やトレンドに合わせたリフォームを行うことで、販売価格を上げることが可能です。特にキッチンやバスルームのリフォームは、価格向上の要因となりやすいです。
参考ページ:おすすめのリノベーションランキング
同じマンションや近隣の取引価格を参考にすることで、適切な価格設定が可能です。過去の取引価格や現在の市場価格をしっかりとリサーチしましょう。
マンションの特色や独自性をアピールポイントとして活用することで、他の物件との差別化を図り、価格アップを目指せます。
査定価格はあくまで参考の一つです。実際の売却価格は、市場の動向や交渉次第で変動します。
春や夏には引越し需要が高まるため、販売しやすくなることがあります。また、経済状況や金利の動向も価格に影響を及ぼす要因となります。
関連ページ:不動産売却のタイミング
マンション販売価格:まとめ
マンション販売価格の決定は、
- マンションが売りやすい時期
- 売りにくい時期
- 社会環境
- 外的環境
- 株価
などによっても、判断が必要となります。
景気・企業業績が右肩上がり、地価が高騰している状況では、需要が供給を上回ります。
多少強きな金額でも売れるものは売れる!という時期になります。
新型コロナウイルス前はその雰囲気がありましたが、
コロナ・ウクライナ戦争・日本における悪いデフレ(デノミネーション)の状況で、アゲアゲ傾向から高値推移に変わりました。
まだまだ、
- 購買意欲の高いユーザーが少なからずいるタイミング
- 需給関係が大きく崩れていない売却しやすいタイミング
- 購入時より高い金額で売却を実現できるタイミング
でしょう。
買った時より「高く売れるマンションの特徴とは?」
たかが”マンション販売価格”かもしれません。
マンション売り出し希望価格から値下げ・値引き交渉によって成約価格は、それなりに乖離するのがマンション売却です。
だからこそ、慎重にマンション販売価格を慎重に決定していきましょう。
私が初めてマンションを売却した時、相場を確認し近隣の状況を確認した上で販売価格を決定した訳ですが、非常に強気の価格を設定しました。
営業マンも、後押ししてくれた訳ですが、成約まで時間がかかりました。
結果的に値引き交渉を経て満足な価格で売却を実現しましたが、
営業マンからすれば、
「強気すぎるでしょ~」
っと心の中で思っていたと思います。