不動産市場は、国内外の経済状況や為替の動きに大きく影響を受ける分野の一つです。
特に、日本の為替レートが円安に振れると、その影響は不動産市場にもおよびます。
円安が進行すると、外国からの投資が増加し、不動産の需要が高まる傾向にあります。
しかし、それに伴うリスクも存在します。
令和になり、日本だけでなく世界的に雰囲気が一転しました。
- 新型コロナウイルス
- ウクライナ戦争
- インフレ・物価上昇傾向
- 歴史的(?)な円安(為替)
別に円安が悪いわけでもなく、インフレ傾向が危機という訳ではありませんが、少なからず指標が変われば、そこにメリットやデメリット・リスク管理が必要となります。
- 円安は不動産売却にプラスとなるのか?
- 円安を利した海外投資家の海外マネーを期待できるのか?
- リスクやデメリットはないのか?
など、家の売却・マンション売却について考えてみました。
円安時の不動産売却
円安とは、日本円の外貨に対する価値が低下することを指します。
この現象は、国際的な通貨の需給バランスや経済の健全性、日銀の金融政策など、さまざまな要因によって引き起こされます。
通貨価値の変動の原因
通貨の価値は、為替レートによって示されます。
この為替レートは、国際的な金融市場での通貨の需給バランスによって決まります。
為替の変動要因:金利政策
日銀が採用する金利政策は、通貨の価値に大きな影響を与えます。
例えば、金利を引き上げると、その国の通貨に対する投資が増え、通貨の価値が上昇します。
為替の変動要因:経済の健全性
国の経済成長率や失業率、インフレ率などのマクロ経済指標は、通貨の価値に影響を与えます。
経済が好調であれば、その国の通貨の需要が増え、価値が上昇します。
為替の変動要因:政治的な要因
政治的な不安定性や国際的な対立は、投資家のリスク回避行動を引き起こし、通貨の価値に影響を与えることがあります。
日本経済と円安の関係
日本は、輸出大国として知られています。
そのため、円の価値が低下すると、輸出が増加し、経済が活性化するというメリットがあります。
しかし、円安は輸入コストの上昇や原材料価格の高騰を引き起こすため、経済全体に対する影響は一概には言えません。
為替の変動要因:輸出産業の利益増
円安になると、輸出される商品の価格が外国の通貨で安くなります。
外国からの需要が増加し、輸出産業の利益が増加します。
為替の変動要因:輸入コストの上昇
一方で、円安は輸入品の価格を上昇させます。
特に、エネルギーや食品などの生活必需品の価格が上昇すると、消費者の生活コストが増加します。
為替の変動要因:資本流出
長期的な円安は、外国の高い利回りを求める投資家の資本流出を引き起こす可能性があります。
国内の金融市場に影響を与えることが考えられます。
以上のように、円安は日本経済にさまざまな影響を与えます。
そのため、円の価値の変動を正確に予測し、適切な経済政策を採用することが求められます。
不動産売却に限らず円安で得する人
USドル/円の為替レートの動きを見ると
- 2021年1月:103円台 でした。
- 2022年1月に115円に突入した時、輸入依存が高い企業への影響がニュースで流れました。
- そして2022年3月になると円が対ドルに対して大幅反発、125円の攻防となりました。
- そこからは円安加速、4月に130円突入、そして現在2022年10月、150円を前後する動きまで円安は進んでいます。
単純に、2年前から45円以上、今年に入って35円以上の円安が進行していることとなります。
輸入依存度の高い企業は、値上げに踏み切り、またレートを見直し業績予測の修正を行いました。
『円安メリットを受ける人』
この円安によって、円安メリットを受けるのが海外の人というのは誰でも想像がつくと思います。
新型コロナウイルスに伴う水際対策に関し、
- 1日当たりの入国者数5万人の上限撤廃
- 個人旅行の解禁
- ビザなし渡航の解禁
などによって、街での訪日外国人観光客を目にするにようなりました。
日本の文化・食などの魅力とあわせて、円安はかなり魅力で
日本を訪れる外国人観光客にとって
- 1ドル:105円(昨年)
- 1ドル:145円(今)
購買力アップにつながるのは間違いないでしょう。
1万円の商品を購入する場合、
- 1ドル:100円の場合、100ドルで購入できる。
- 1ドル:145円の場合、69ドルで購入できる。
バーゲン状態であることは間違いありません。
この流れは、不動産も同様です。
円安による海外投資家の不動産購入に加速というニュースを流れてきました。
Yahooニュースのタイトルだけでピックアップしても
- 「日本の不動産はバーゲンセール」 中国人投資家が“爆買い”
- 長引く円安…景気先行き不透明も海外投資家が「日本の不動産」に注目
- 円安はインバウンド投資の追い風
- 円安で海外投資マネーが流入して値上がり期待
- 日本の不動産“円安バーゲンセール”は本当か?
- 「外国資本にとってバーゲンセール」築100年以上の京町家も
などなど。
単純に1億円のマンションを購入した場合、
- 1ドル:100円の場合、1,000,000ドルで購入可能
- 1ドル:145円の場合、689,655ドルで購入可能
これだけでのメリットがあります。
海外投資家として、日本の不動産価格は安く、利回りも安定。
さらに為替が、また、1ドル:100円に戻れば、為替差益だけで大きな利益となります。
となれば、
非常に気になる所だと思います。
円安時の不動産売却のメリット”3選”
円安だからこそ、外国人投資家へのアプローチは非常にメリットに働くのは間違いありません。
- 円安時の不動産売却はメリットだらけなのか?
- 高額売却を実現できるのか?
実は、それほど甘く考えられるものではありません。
- 円安で外国人投資家の不動産購入意欲は確実に高まっているでしょう。
- 円安を利して外国人投資家向けに売却をしたいと思うのも事実でしょう。
しかし、過剰な期待は禁物です。
- 海外投資家も市場を読みます。
円安が150円が天辺なのか?
少なからず、160円の攻防まで考えている投資家は少なくないでしょう。 - 海外投資家は闇雲に不動産を購入しません。
日本ならどこでもいいわけではありません。
不動産投資が前提ですので、エリア・空室リスク・資産価値を熟考します。
エリアも東京、大阪、名古屋、地方都市中心がまずはターゲットとなります。 - 海外投資家に限らず、不動産売却時は足元を見てきます。
値引き交渉は必ずにあります。
資金力がある投資家だからこそ、強気の価格提示も考えます。 - そもそも、円安による不動産売却に期待していいのか?
不動産を購入するターゲットの基本は日本人です。
海外投資家の箸にもかからず、日本人の購入希望者にも目にとめてもらえなければ売れ残り物件になりかねません。
少なからず、リスク管理くらいは考えておく必要はあるでしょう。
まじは、円安時の不動産売却のメリットを紹介します。
不動産売却のメリット:1.海外投資家からの需要増加
円安になると、海外投資家にとって日本の不動産が割安に感じられます。
そのため、海外からの投資が増加し、不動産市場が活性化します。
特に、都心部のマンションや商業施設は、海外投資家にとって魅力的な投資対象となります。
不動産売却のメリット:2.不動産価格の上昇
円安によって海外からの投資が増加すると、不動産需要が高まります。
需要が高まると、競争が生まれ不動産価格が上昇する傾向があります。
そのため、円安時に不動産を売却することで、より高い売却益を得られる可能性があります。
不動産売却のメリット:3.賃料の上昇
円安は、輸入物価の上昇を通じてインフレを引き起こす可能性があります。
インフレになると、物価上昇に合わせて賃料も上昇する傾向があります。
そのため、円安時に不動産売却することで、不動産投資家の動きも活発になります。
円安時の不動産売却の3つのデメリット
円安は、日本の不動産市場に様々な影響を与えます。
その中でも、不動産売却を検討している方にとって、円安は大きなチャンスとなる可能性がある一方、注意すべきデメリットも存在します。
不動産売却のデメリット:1.海外投資家の動向に左右される
円安によって海外からの投資が増加すると、不動産需要が高まります。
しかし、これはあくまで海外投資家の動向に左右されるため、不安定な要素も孕んでいます。
例えば、アメリカの金利上昇や世界経済の変動などによって、海外投資家の投資意欲が低下すると、日本の不動産市場から資金が流出し、価格が下落する可能性があります。
不動産売却のデメリット:2.国内需要の低迷
円安は、国内の購入者にとって不動産価格が高く感じられるため、国内需要が低迷する可能性があります。
特に、住宅ローンを利用して不動産を購入する層は、円安によって返済負担が増加するため、購入を控える傾向があります。
不動産売却のデメリット:3.金利上昇のリスク
円安は、インフレを引き起こす可能性があります。
インフレを抑制するために、日本銀行が金利を引き上げる可能性があります。
住宅ローン金利が上昇すると、不動産購入者の負担が増加し、不動産需要が低下する可能性があります。
円安時の不動産売却:記事まとめ
円安時における不動産売却は、多くの機会とリスクを孕んでいます。
外国人投資家の増加や資本流入の拡大は、不動産価格の上昇や売却のチャンスをもたらす一方で、資材コストの上昇や金利の変動リスクも考慮しなければなりません。
成功するためには、市場の動向をしっかりと把握し、適切な売却タイミングを見極めることが重要です。
また、外国人投資家との取引をスムーズに進めるためのコミュニケーション手段や信頼関係の構築も欠かせません。
今の円高の原因は、日本と欧米の基本方針がこの差を生んでいます。
米国は雇用が安定しているものの物価上層に歯止めがききません。
そのため、消費者物価上昇率を抑えるため、株価が下がっても、多少雇用が悪化しても、量的引き締め加速・政策金利を引き上げで物価上昇の対策を行っています。
対して、日本は金融緩和を継続・低金利政策を基本としています。
インフレ傾向といっても海外に比べて小さいレベルですし、そもそもここで緊縮をおこなうこと自体、経済の低迷、給料アップにつながらないインフレをさらに助長しかねません。
本来は、景気が良くインフレ傾向が理想ですが、現状、給料が増えない状況でのインフレ傾向ですから、この相反する状況改善が日銀の方針です。
そもそも、少し前までは、日本経済の低迷は円高が問題の1つだ!と言われ続けていたのも事実です。
円高には円高のメリットがあり、円安には円安のメリットがあるため、アメリカと歩調を合わせる必要はないですし、状況に合わせて国益を最大化するのが政府の政策でもあります。
円安の今だからこそ、国内回帰を促し円安で輸出強化を後押しするタイミングでしょう。
プラザ合意が発端で円高が進んだバブル時、日本はアメリカの不動産・米国資産の買い漁ったように、
円安の今、不動産売却においては、海外投資家からすれば無視できない状況でしょう。
少なからず、現状、家の売却・都心のマンション売却を検討している人は、円安を意識した海外投資家への売却も1つの選択肢として考えておくといいですね。
不動産会社の選び方
不動産売却・マンション売却は、
- 高く売却
- 早く売却
- 安心して売却
を誰もが考えることですが、その前提として、売却の意図をしっかり持つことが基本です。
マイホーム(家)の売却には、各々売却理由があります。
- 転勤による売却
- 住み替え・買い替えによる売却
- 離婚による財産分与
- 相続による資産売却
- 子供の教育による引っ越し
- 老後資金のための売却(リースバック)
- 住宅ローン返済苦からのやむなしの売却
- 不動産価格高騰による利益確定売り
挙げたらきりがありません。
もちろん、円安による海外投資家狙いの不動産売却もその1つです。
売却の意図がはっきりすれば、売却方法も明確になります。
- 相場の見極め
- 売却価格
- 時間軸
- 不動産会社選び
が見えてくれば、迷いなく不動産売却の第一歩を踏み出せるでしょう。
査定をおこなうと、
- 思ったより高く売れないかもしれない
- 想像以上に高く売れそう
一喜一憂するものです。
現状の都心の不動産価格からすれば、想像以上に高く売れるかもしれない。
- もし、納得できる査定額であれば・・・
- 売却を本気で進めようと決心したならば・・・
不動産会社選びを重視した、円安を最大限利用した不動産売却を進めることになります。
不動産売却において、闇雲に不動産会社を選んでは意味がありません。
不動産会社には、強み弱みがあります。
- 賃貸の仲介に強い
- 都心のマンションに強い
- 地方の戸建てに強い
- 競売案件に強い
などなど・・・。
民事に強い・刑事が強い・債務整理・離婚・海外案件(渉外法務)に強いなど弁護士によっても強み弱みがあるのと同様です。
円安を活用し高額不動産売却を前提するのであれば、海外投資家との接点を一番に考える必要があります。
よって、
- 外国人投資家との仲介に強い不動産会社
- 外国人投資家に人気のある不動産
- 外国人向けの不動産投資案件を持つ不動産
- 顧客に富裕層・外国人投資家を保有する不動産
との接点を持つことがポイントとなります。
日本人購入者層はもちろん、外国人投資家との接点を持つことで、今回のチャンスを逃さず不動産売却を有利に進めることができるでしょう。
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元メガバンク融資課出身、バブル時代に不動産コンサルティングに従事し、2000年、会社設立後、底地ビジネス・事務所の立ち退き裁判等も経験した宅建士と共に立ち上げ、現在、不動産にまつわるサービスの紹介、口コミ・筆者の感想を加え紹介しています。