不動産クラウドファンディング ファンドの選び方
不動産クラウドファンディングは、おすすめの会社はどこ?
どのファンドに投資すればいいの?
不動産投資に興味はあるけれど、大規模な資金が必要で手が出しにくいと感じている方も多いのではないでしょうか。
そんな方におすすめなのが、少額から不動産投資を始められる「不動産クラウドファンディング」です。
不動産クラウドファンディングは、複数の投資家から集めた資金で不動産を購入し、その不動産から得られる家賃収入などを投資家に分配する仕組みのことです。
従来の大規模な不動産投資と比べて、少額から始められることが大きな魅力です。
しかし、様々なファンドが存在するため、適切な選択が必要です。
今回は、不動産クラウドファンディングを始める方に向けて、ファンドを選ぶ際に注目すべきポイントとして
・利回り
・劣後比率(元本毀損リスク回避)
・抽選・先着方式
・会社規模(実績)
・ファンド対象・投資対象不動産(ファンドの規模)
・運用期間
・最低投資金額
・中途解約の可否
など重要な選択基準を詳しく説明します。
この記事を参考に、自分に合ったファンドを見つけて、賢く不動産投資を始めましょう!
不動産クラウドファンディングとは?
不動産クラウドファンディングは、投資家が不動産投資に参加できるようにする新しい投資手段です。
インターネットを通じて不特定多数の投資家から資金を集め、その資金で不動産を購入・運用し、得られた収益を投資家に分配する仕組みです。
不動産クラファンの具体的な仕組み
資金調達
不動産クラウドファンディングのプラットフォームを通じて、不特定多数の投資家から資金を集めます。
この投資家のからの資金は、優先出資と呼ばれます。
不動産の購入
投資家から集めた資金(優先出資)と、事業者の出資(劣後出資)を合わせて、不動産を取得(購入)します。
不動産の運用
購入した不動産を賃貸(インカムゲイン)に出したり、売却(キャピタルゲイン)したりして、収益を上げます。
収益の分配
得られた収益から経費を差し引いた後、優先的に投資家へ分配します。
事業者の出資は、投資家への分配が全て行われた後に残った収益から分配されます。
引用;ヤマワケエステート
法的な枠組み
不動産クラウドファンディングは、「不動産特定共同事業法」という法律に基づいて行われます。
この法律は、投資家の保護を目的として、事業者の行為を規制しています。
不動産クラウドファンディングの事業者は、この法律に基づいて金融庁への登録が必要であり、登録を受けていない事業者は、不動産クラウドファンディングを運営することはできません。
不動産クラウドファンディング:ファンド選びで注目すべき9つのポイント
日本国内には、100を超える不動産クラウドファンディング会社がひしめき合い、それぞれが独自の物件取得や運用方法を採用しています。
しかし、多様な選択肢がある一方で、
「どのファンドを選べば良いのか」
と迷う方も多いのではないでしょうか。
高利回りに目が行きがちですが、安定した収益を得るためには、運営会社の信頼性や物件の将来性など、様々な要素を総合的に判断することが重要です。
そこで、各視点からファンド選びで注目すべきポイントを紹介します。
不動産クラファンの選び方:1.利回り
不動産クラウドファンディングにおいて、投資家にとって最も気になる要素の一つが「利回り」です。
しかし、利回りには様々な種類(想定利回り・実績:最終的な利回り)があり、その数字だけでは判断できない複雑な側面も持ち合わせています。
想定利回りとは?
想定利回りは、投資家に対して提示される、将来得られる見込みのある収益率のことです。
過去のデータや将来の市場予測に基づいて算出されたものです。
注意すべき点
想定利回りは、必ずしも実現するとは限りません。
様々な要因によって、実際の収益率は変動する可能性があることを理解しておく必要があります。
利回りが保証されているわけではない
不動産クラウドファンディングにおいて、利回りが保証されているわけではありません。
想定利回りは、あくまでも目標であり、将来の収益を約束するものではありません。
想定利回りを上回る場合も
まれに、想定利回りを上回る高い収益を得られる場合もあります。
不動産クラファン会社によっては、投資家保護を観点から、最低限の利回りに設定しファンドを組成します。
例えば、物件の価値が上昇したり、新たなテナントが入居したりすることで、収益が向上する可能性があります。
特に、売却益を期待するファンドの場合、想定を大きく超える利回りに着地することも少なくありません。
不動産クラファンの選び方:2.劣後比率・優先劣後構造
不動産クラウドファンディングにおける「劣後比率」と「優先劣後構造」は、投資のリスクを評価する上で重要な要素です。
優先劣後構造では、資金は「優先出資」と「劣後出資」に分けられます。
優先出資者は、収益が分配される際に最初に償還されるためリスクが低く、一方で劣後出資者(通常は運営会社自身がこの役割を担います)は、優先出資者が全ての償還を受けた後に残った利益を受け取るため、より高いリスクを負います。
劣後比率は、総出資額に対する劣後出資の割合を示し、この比率が高いほど運営会社のリスクが大きいとされ、その分、投資家へのリターンも高くなる可能性があります。
物件の評価額が10%下がるまでは、投資家には影響がない、簡単に言えばこんな感じです。
不動産クラファンの選び方:3.抽選式・先着式
不動産クラウドファンディングでのファンド選びにおいて、抽選式と先着式は投資家が参加する際の異なる方法です。
先着式では、
ファンドが開設された際に速やかに申し込みをする必要があり、早い者勝ちの方式で投資の機会が提供されます。
これは、人気の高いファンドに対して迅速にアクションを取る必要があるため、常に市場を監視している必要があります。
一方で、抽選式は
投資希望者が多数いる場合に使用される方法で、申し込み者の中からランダムに選ばれた投資家のみが投資する機会を得られます。
この方式では、公平性が保たれるため、どの投資家にも等しいチャンスが与えられます。
落選してもポイントされる新しい形:COZUCHIチャレンジプログラムとは?
落選した投資家に次のチャンスを提供するための制度としては、COZUCHI(コヅチ)はチャレンジポイントプログラムを採用しています。
過去にファンドへの出資が不成功だった回数に応じてポイントが加算され、ポイントを利用して次回の出資申込み時に抽選での当選確率を高めることができます。
不動産クラファンの選び方:4.会社規模(実績)
不動産クラウドファンディングで投資先を選ぶ際、運営会社の規模や実績は重要な判断材料の一つです。
会社の規模や実績は、その会社の信頼性、安定性、そして投資家へのサポート体制と深く結びついているからです。
長年の実績があり、様々な市場環境に対応してきた経験は、少なからずリスク管理につながります。
また、過去のファンドの成績や投資家からの評判、過去に元本が回収できなかった案件の割合(デフォルト率)を参考になります。
不動産クラファンの選び方:5.ファンド対象・投資対象不動産
不動産クラウドファンディングでは、投資対象となる不動産の種類や規模によって、期待できる収益やリスクが大きく異なります。
ファンド対象となる不動産の種類
不動産クラウドファンディングで投資対象となる不動産は、大きく分けて以下の種類があります。
居住用不動産
マンション、戸建てなど、人が居住するための不動産です。
安定的な家賃収入が見込める一方で、空室リスクも存在します。
商業用不動産
オフィスビル、商業施設など、事業活動をおこなうための不動産です。
テナントの入れ替わりによる家賃収入の変動リスクがありますが、高額な賃料収入が見込める可能性があります。
収益不動産
物件全体を賃貸に出すのではなく、一部を賃貸に出すことで収益を得るタイプの不動産です。
開発型不動産
未開発の土地や建物を開発し、収益を得るタイプの不動産です。
高リターンが期待できる一方で、開発リスクも高くなります。
投資対象不動産の規模
投資対象となる不動産の規模は、ファンドの規模やリスクと密接な関係があります。
小規模物件
一棟マンション、中小規模の商業施設など、比較的規模の小さい物件です。
大規模物件
大型オフィスビル、複合商業施設など、大規模な物件です。
収益構造:家賃収入・売却益
投資収益は、主に家賃収入と売却益によって構成されます。
家賃収入
賃貸物件に人が住むことによって得られる安定的な収入です。
売却益
将来的に物件を売却することで得られる利益です。
不動産価格の上昇によって、大きな収益を得られる可能性があります。
ハイブリッド型
賃貸による安定的な収入と、将来的な売却による収益の両方を期待する投資です。
不動産クラファンの選び方:6.運用期間: 投資期間
不動産クラウドファンディングにおける運用期間、すなわち投資期間は、プロジェクトによって異なりますが、短いものでは1ヵ月(特にソーシャルレンディング)から数年の範囲で設定されます。
短期間のプロジェクトは迅速なキャピタルゲインを目指すものが多く、比較的小規模なリノベーションや物件の転売が含まれることがあります。
一方、長期間のプロジェクトは大規模な開発や安定した賃貸収入を目的とするもので、こちらはリターンをゆっくりと安定して得ることができる可能性があります。
最近の不動産クラウドファンディングの進化として、大規模なプロジェクトを複数のフェーズに分割してファンドを組成する手法(例えば取得、解体、建設・開発、運用などに特化して投資)も増えています。
プロジェクトの各段階ごとに投資することで、投資家はより短期間でのリターンを目指すことができると同時に、リスクを分散させることが可能です。
また、段階的に資金を投入することで、一つのフェーズが成功した場合に次のステージへの再投資を行いやすくなり、運用の柔軟性が高まります。
全体的に、投資家にとっては選択肢が増え、自己の資金計画やリスク管理に合わせた投資がしやすくなるというメリットがあります。
不動産クラファンの選び方:7.最低投資金額: 投資に必要な最低金額
不動産クラウドファンディングにおける最低投資金額は、投資家にとって参入のしやすさを決定する重要な要素です。
多くのプラットフォームでは1万円からの投資が可能であり、初心者や小額での投資を試したい人にとっては非常に魅力的です。
そのため、多様な投資家が気軽に不動産投資を経験することができます。
しかし、1万円の投資では、大規模な資産形成には限界があります。
そのため、10万円以上の最低投資金額を設けるプラットフォームも増えており、これにより投資家はより大きな資金を投じることが可能となっています。
より幅広いプロジェクト選択肢にアクセスできるようになり、資産を効果的に活かすための戦略として評価されています。
不動産クラファンの選び方:8.ファンドの規模: 募集総額
不動産クラウドファンディングにおいて、ファンドの募集総額は、投資家にとって重要な判断材料の一つです。
募集総額によって、投資のリスクやリターンが異なり、投資戦略も変わってきます。
例えば、募集総額が1000万円や2000万円の場合、中古区分マンション投資が可能で、リスクは比較的低めですが、リターンも限定的な場合が多いです。
一方で、1億円を超えるタワーマンションや10億円を超える一棟マンション建設プロジェクトでは、高いリターンを期待できる一方で、投資に伴うリスクも大きくなります。
ただ、募集総額が大きいからといって、利回りが高いというワケではありまえん。
不動産投資を選ぶ際には、募集総額の他にも物件の種類、立地、そして運営会社の信頼性など、多くの要素を総合的に判断することが重要です。
特に、開発案件や複雑な投資スキームの場合、そのプロジェクトのリスクを正確に評価するためには、事前の徹底した調査が不可欠です。
不動産クラファンの選び方・補足:9.中途解約の可否
不動産クラウドファンディングにおける中途解約の可否は、投資家にとって重要な考慮点です。
原則として、多くの不動産クラウドファンディングプロジェクトでは、投資期間中の解約や売却、譲渡は許可されていません。
これはプロジェクトが一定の期間、安定した資金運用を必要とするためです。
しかし、一部のクラウドファンディング会社では、投資家が途中で投資を回収できるように、特定の条件下での解約や売却、譲渡のオプションを提供しています。
これにより、投資家はより柔軟に資金計画を立てることが可能となりますが、これらのオプションは通常、追加の手数料や特定の制限が伴います。
参考ページ:中途解約可能な不動産クラウドファンディングサービス
不動産クラウドファンディングを始めるメリット”5選”
少額から始められる不動産投資として注目を集めている不動産クラウドファンディングについて仕組みは理解できたかと思います。
しかし、投資は慎重におこなうべきものです。
メリットだけでなく、デメリットも理解した上で、自分に合った投資かどうか判断することが大切です。
ファンドの選び方を紹介する前に、
不動産クラウドファンディングのメリットとデメリットを具体的に解説していきます。
不動産クラウドファンディングのメリット:1.少額から始められる
不動産投資というと、高額な資金が必要で、なかなか手が届かないというイメージを持っている方も多いかもしれません。
しかし、不動産クラウドファンディングなら、1万円から投資を開始できます。
高額な資金を用意する必要がないため、若年層や収入が低い方でも投資に参加できます。
従来の不動産投資、例えば区分マンション投資などは、物件購入費用に加え、諸経費や管理費など、まとまった資金が必要でした。
そのため、不動産投資を始めるハードルは高かったと言えます。
不動産クラウドファンディングのメリット:2.不動産投資の専門知識がなくても始められる
不動産投資は、物件の選定、管理、税金対策など、専門的な知識が必要とされる分野です。
そのため、不動産投資を始めるには、それなりの勉強が必要でした。
不動産クラウドファンディングは、専門の不動産会社が物件の選定・組成(プロの目利きによりリスクを抑えた物件を選定)から管理までを一括で行います。
そのため、投資家は不動産に関する知識がなくても、安心して投資することができます。
物件の管理や入居者の対応など、煩わしい手続きは全てプロに任せることができます。
仕事が忙しくて、不動産投資に時間をかけることができない方でも、気軽に投資できます。
不動産クラウドファンディングのメリット:3.現物不動産投資に比べて利回りが高い
不動産クラウドファンディングは、現物不動産投資に比べて、高い利回りが期待できます。
大規模な資金を集めることで、大規模な不動産投資が可能になります。
これにより、スケールメリットを生み出し、高い利回りを実現することができます。
不動産クラウドファンディングのメリット:4.年収や年齢の縛りがない
一般的な不動産投資は、高額な資金が必要なため、ある程度の年収や資産が必要だと考えられてきました。
しかし、不動産クラウドファンディングなら、年収や年齢に関係なく、誰でも参加することができます。
年収が低い若い人でも、資産形成を始めたいと思えば気軽に投資できます。
主婦の方でも家事の合間に、手軽に投資活動をおこなうことができます。
不動産クラウドファンディングのメリット:5.スマホから簡単:手間なく投資できる
不動産クラウドファンディングは、インターネットを通じて行われるため、場所や時間に縛られずに投資をおこなうことができます。
スマートフォン一つで、簡単に投資を始められます。
いつでもどこでも、通勤時間や家事の合間など、ちょっとした時間に投資活動をおこなうことができます。
不動産クラウドファンディングを始める時のデメリット・注意点”5選”
不動産クラウドファンディングを始める際には、その魅力的な機会とともに、いくつかのデメリットや注意点を理解しておく必要があります。
不動産クラウドファンディングは通常、高い利回りを提供する可能性がありますが、それに伴うリスクも高いことを認識する必要があります。
プロジェクトの失敗や市場の変動が投資の損失に直結することがあります。
さらに、この種の投資は流動性が低く、資金を短期間で回収することが困難な場合が多いです。
不動産クラウドファンディングのデメリット:1.元本保証ではない
不動産クラウドファンディングは、元本保証ではありません。
つまり、投資した金額が全額戻ってくる保証はないということです。
なぜ元本保証ではないのか?
そもそも、出資法により、出資金元本の保証は禁止されております
また、不動産価格は、様々な要因によって変動します。
景気動向や地域の開発状況など、様々な要因が不動産価格に影響を与えるため、投資した不動産の価値が下がる可能性もあります。
賃貸物件の場合、入居者がみつからない空室期間が発生する可能性があります。
空室期間が長引くと、家賃収入が減少し、投資収益が低下するリスクがあります。
修繕費や管理費など、想定外の費用が発生する可能性もあります。
不動産クラウドファンディングのデメリット:2.流動性が低い
不動産クラウドファンディングは、株式のように自由に売買できる流動性の高い商品ではありません。
不動産クラウドファンディングは、一定期間で運用されるものが一般的です。
その期間中は、基本的に資金を引き出すことはできません。
不動産クラウドファンディングのデメリット:3.原則、途中解約できない
上記に関連しますが、不動産クラウドファンディングは、ファンドの期間が決まっており、原則として途中で解約することはできません。
途中で多くの投資家が解約してしまうと、ファンド全体の運用に支障をきたす可能性があります。
頻繁な解約は、ファンドの流動性を低下させ、他の投資家にとって不利な状況を招く可能性があります。
不動産クラウドファンディングのデメリット:4.節税効果・税制上のメリットが少ない
不動産投資は、節税効果が期待できるというイメージがありますが、不動産クラウドファンディングは、不動産の購入や売買を直接おこなうものではないため、税制上の優遇措置は期待できません。
クラウドファンディング投資の収益は「雑所得」になります。
給与所得と雑所得は合算され、その金額に対して所得税がかるため、年収(給料)が高ければ高いほど税率が高くなってしまいます。
また、現物不動産投資のように、固定資産税や修繕費などの経費を控除することができません。
不動産クラウドファンディングで得られる収益は、一般的に雑所得として扱われ、20万円以上の利益が出た場合、確定申告の必要があります。
経費計上など税制上、節税対策を目的とする場合は、現物の不動産投資をおすすめします。
ちなみに、法人としてクラウドファンディングをおこなう場合は、経費計上の幅が広がります。
不動産クラウドファンディングのデメリット:5.融資を利用できない
不動産クラウドファンディングは、原則として融資を利用できません。
全額自己資金で投資をおこなう必要があります。
レバレッジ効果が使えないデメリットがあります。
《2024年11月》
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新着ファンドカレンダー(開始前・締切間近)https://t.co/Qv8oB6Xhfn— 不動産の口コミ評判堂 (@mansionbuysell) November 1, 2024
不動産クラウドファンディング ファンドの選び方:記事まとめ
不動産クラウドファンディングを利用する際のファンド選びにはいくつかの重要な考慮事項があります。
まず、最低投資金額がプラットフォームによって異なるため、投資家の予算に合わせて選ぶ必要があります。
小額から始めることができるプラットフォームもあれば、より大きな資本が必要なものもあります。
また、ファンドの募集総額が大きいほど、潜在的なリターンは高いですが、リスクも伴います。
投資期間もプロジェクトによって異なり、短期間で回収を目指すものから、長期にわたる安定した収益を期待できるものまであります。
さらに、中途解約の可否も重要なポイントで、ほとんどのファンドは期間中の解約が許可されていないため、資金計画は慎重におこなう必要があります。
これらの要因を総合的に考慮し、自分の投資目標やリスク許容度に最も適したファンドを選択することが重要です。