高齢の親との同居を考えた時
一人暮らしの親が心配で同居を考えている
独居高齢者が抱える問題とその背景
心構えやメリットとデメリットを確認したい
空き家になる実家の処分はどうしたらいい?
「うちの親、最近ちょっと物忘れが多くなったみたい…」
「一人暮らしさせておくのは心配だわ…」
高齢化が進む日本では、このような悩みを抱える方が増えています。
離れて暮らす親御さんのことが心配だけど、仕事や家庭の事情でなかなかそばにいてあげられない。
かといって、今の生活を大きく変えるのは難しい。
そんなジレンマを抱えている方も多いのではないでしょうか?
親との同居という選択肢
そこで、今回は「高齢の親との同居」という選択肢について考えてみたいと思います。
特に高齢の親の場合、日常的な健康管理や安全面での不安が増してきます。
加えて、家の中での転倒や急病など、緊急事態に迅速に対応できない状況は、子どもとして心配の種となることでしょう。
また、親が住む家が空き家になってしまうことも大きな課題となります。
空き家の管理や処分、そして親との同居をどう進めるべきか、今後の生活設計を考えることが重要です。
この記事では、高齢の親との同居を検討する際に知っておくべき心構え、メリットとデメリット、そして空き家になる実家の処分について考察します。
高齢の親と同居する理由と背景
高齢化が進む日本社会では、高齢者が一人で暮らすことができる環境が限られつつあります。
特に、近年では一人暮らしの高齢者が増加しており、その中で様々な問題が浮き彫りになっています。
高齢者が住み慣れた家で安全に暮らすためには、家族のサポートが欠かせないと感じる人が多くなっており、同居を始める理由として、親の健康管理や生活の安心感が挙げられます。
社会の変化や家族構成の変動(核家族化からの変化)も同居を促進する要因となっており、今後ますます同居の形態が増えることが予想されます。
独居老人・一人暮らしの高齢者の現状
一人暮らしの高齢者は独居老人(どっきょろうじん)とも言われており、年々増加しています。
内閣府の高齢社会白書を確認すると
65歳以上の一人暮らしの者は男女ともに増加傾向にあり、
昭和55年には65歳以上の男女それぞれの人口に占める割合は男性4.3%、女性11.2%であったが、令和2年には男性15.0%、女性22.1%となっています。
65歳以上の一人暮らしの者が増加傾向
年度 | 男性の割合 | 女性の割合 |
---|---|---|
昭和55年 | 4.3% | 11.2% |
令和2年 | 15.0% | 22.1% |
独居老人の増加の理由
高齢者の独居が増加している背景には、様々な要因が複雑に絡み合っています。
少子高齢化が進んでおり、核家族化や地域社会のつながりの希薄化が影響しています。
子どもが親と同居しないケースが増加しています。
また、長寿命の延びや健康管理の向上により、独立して生活する高齢者が増えています。
さらに、都市部での生活費の高さや住宅事情も一因として挙げられます。
一人暮らしの親のための心配事とは何か
そんな一人暮らしの親に対する心配事はさまざまです。
親の体調が急変した際にすぐに対応できるかどうかが最大の懸念材料です。
また、孤独感や認知症の進行による精神的な影響も無視できません。
食事の準備や掃除、日々の生活のサポートが十分にできているかという点も心配の種です。
さらに、転倒や事故のリスクが増える中で、万が一の時に誰が助けに行けるのかという不安もあります。
高齢者の同居を考える社会的背景
高齢化社会が進む中で、親との同居を考える家庭は増えています。
政府や自治体でも、高齢者の生活支援や介護を充実させるための施策が進められていますが、家庭内でのサポートが重要だという認識は高まっています。
子どもたちが仕事や家庭を持つ中で、親のサポートが難しくなることもあり、人暮らしの親を迎え入れて同居する選択肢も増えています。
同居を通じて、親の生活支援が手軽にできるほか、家族全体のコミュニケーションや絆が深まることも大きな利点です。
社会的背景として、介護施設の不足や介護費用の負担が関わっており、同居の重要性がますます注目されています。
高齢の親と同居するメリット”4選”
高齢の親と同居することで得られるメリットは多岐にわたります。
親の健康状態を常に把握できる点は、大きな安心材料となります。
また、家事や育児の分担ができることで、負担が軽減され、家族全員がより健康的に過ごすことができます。
さらに、経済的な負担の軽減や相続対策にもつながるため、長期的に見ても有益です。
同居するメリット:1.親の健康状態を把握しやすい
同居する最大のメリットは、親の健康状態を日々観察できる点です。
- 食欲がない
- 元気がない
- 咳が出る
など、
親が一人暮らしをしていると、急な体調不良や怪我に気づかず、手遅れになることがありますが、同居していると、そうしたリスクを軽減することができます。
また、医師への通院や薬の管理もよりスムーズに行えるため、親の健康を守るためのサポートがしやすくなります。
同居するメリット:2.家事や育児の分担ができる
同居することで、家事や育児の負担を分担することができます。
- 料理
- 洗濯
- 掃除
- 子どもの世話
特に、子どもがいる場合、祖父母と同居することで、子どもに対する教育や世話を任せられる時間が増え、親の負担も軽減されます。
逆に、親が家事を手伝ってくれることも多く、共に協力し合いながら日常生活を支えることができます。
同居するメリット:3.経済的負担の軽減・相続対策
親との同居は、経済的にもメリットがあります。
- 家賃や光熱費の節約
- 食費の共有
- 税金の控除
など生活費を抑えることができます。
また、相続に関しても、親が高齢になった際に同居していれば、財産の管理や相続に関する手続きがスムーズに進み、トラブルを避けることができるでしょう。
空き家になる家が収入源(財源)になることも
空き家が必ずしもお金を生むわけではありませんが、適切に活用することで収益を得ることができます。
- 賃貸住宅として貸し出す
- 駐車場として貸し出す
- 民泊(Airbnbなど)として活用する
- シェアハウスとして活用する
- 店舗や事務所として貸し出す
- トランクルームに流用する
また、空き家を売却することで利益を得ることも可能です。
同居するメリット:4.親子の絆の強化(補足)
同居は、親子の絆を深める良い機会でもあります。
一緒に生活する中で、
- 会話の時間が増える
- 共通の趣味を持つ
- 旅行やイベントを共にする
日々の会話や共に過ごす時間が増えることで、お互いの理解が深まり、より良い関係を築くことができます。
これらの経験は、親孝行、親子の絆をより一層深めるでしょう。
高齢の親と同居する4つのデメリット・注意点
高齢の親との同居には多くのメリットがある一方で、デメリットや注意点もいくつか存在します。
生活習慣や価値観の違いからくるストレス、プライバシーの問題、家庭や仕事とのバランスの取りづらさ、そして最も重要な問題として介護の負担増加が挙げられます。
同居するデメリット:1.生活習慣や価値観の違いによるストレス
親と同居する際、最もよく聞かれるデメリットの一つは、生活習慣や価値観の違いです。
世代や生活環境が異なるため、何気ない日常の中で衝突が起こることがあります。
- 食事の好み
- 起床・就寝時間
- 部屋の使い方
- 音の大きさ
・・・食事の時間や掃除の頻度、趣味や休息の取り方などが異なることがストレスの原因となることがあります。
同居前にお互いの生活リズムを理解し合い、妥協点を見つけることが重要です。
同居するデメリット:2.プライバシーの確保が困難
親と同居することで、個々のプライバシーが制限されることが多くあります。
- 一人になりたい時
- 趣味に没頭したい時
- 夫婦だけで話したい時
自分の時間や空間が必要な場合でも、親の存在が常に近くに感じられるため、自由な時間を確保することが難しくなることがあります。
特に、個々の生活圏が狭い家で同居する場合、この問題はより顕著になります。
お互いに一定の距離を保ちながらも、リスペクトの気持ちを持って過ごすことが大切です。
同居するデメリット:3.仕事や家庭とのバランスが取りにくい
親と同居することで、家庭や仕事とのバランスを取るのが難しくなることがあります。
- 介護施設の送り迎え
- 食事の準備
- 入浴の介助
- 服薬の管理
特にフルタイムで働いている場合、親のサポートをしながら自分のキャリアや家庭生活を維持することは、肉体的にも精神的にも大きな負担となります。
計画的に時間を配分し、家族全員で協力して役割分担を行うことが重要です。
同居するデメリット:4.介護負担が重くなる可能性
親が高齢になると、介護の負担が避けられなくなります。
最初は健康で元気だった親でも、年齢を重ねるごとに身体的な衰えが出てきます。
そのため、介護や医療面でのサポートが必要になることがあります。
- 身体介護
- 精神的なサポート
- 介護費用の負担
介護の負担は徐々に大きくなり、精神的・肉体的なストレスとなる可能性があるため、予め介護サービスの利用や家族内での支援体制を考えておくことが大切です。
高齢の親との同居時の心構えとポイント”6選”
高齢の親との同居は、家族の生活に大きな影響を与える重要な決断です。
お互いにストレスなく、長期間にわたって円滑に同居生活を送るためには、いくつかの心構えとポイントを押さえておくことが大切です。
親と共に生活する中で起こりうる問題を予測し、事前に対策を立てておくことが、良好な同居生活を築くためのカギとなります。
1.自分自身の生活と感情を大切にする
親との同居は、自身の生活に大きな変化をもたらします。
これまで当たり前だった自分の時間や空間が減り、ストレスを感じやすくなるかもしれません。
しかし、自分の生活や感情を犠牲にしてまで親に合わせる必要はありません。
趣味や友人との交流など、これまで大切にしてきたものを諦めず、自分の時間も確保するようにしましょう。
また、ストレスを溜め込まず、適度に発散することも大切です。
家族や友人に話を聞いてもらったり、趣味に没頭するなど、自分なりのリフレッシュ方法を見つけておきましょう。
2. 親とのコミュニケーションの重要性
同居生活を円滑に送るためには、親とのコミュニケーションを密にすることが不可欠です。
日々の些細なことから、将来の介護のことまで、お互いの気持ちや考えを共有するように心がけましょう。
- 遠慮せずに自分の気持ちを伝える
- 親の気持ちに寄り添う
- 意見の相違があっても頭ごなしに否定しない
- 誰がどの家事を担当するか
- 介護が必要になった場合、誰が中心となって介護をするか
- 介護費用はどのように分担するか
- 親の財産管理
- 相続問題
- 介護施設の入居契約
- 同居の目的
- 期間
- 生活ルール
- 費用分担
- 介護が必要になった場合の対応
- 親の住居の確保
- 経済的な準備
- 家屋の倒壊の恐れ 保安上の危険
- 景観を損なっている
- 衛生上有害・周辺環境への悪影
- 1年以上住んでいない
- 管理が不十分
など、双方向のコミュニケーションを意識することが大切です。
また、定期的に家族会議を開き、話し合いの場を設けるのも良いでしょう。
3. 家事や介護の分担方法
同居生活における家事や介護の分担は、家族間でしっかりと話し合って決めることが重要です。
など、具体的な内容を決めておくことで、後々のトラブルを避けることができます。
また、親の体力や状況に合わせて、無理のない分担方法を考えることも大切です。
4. 法的・契約面の注意事項
親との同居は、法的な問題や契約関係にも影響を与える可能性があります。
など、事前に専門家(弁護士や行政書士など)に相談し、必要な手続きや書類を確認しておくことが大切です。
また、親との間で金銭的なやり取りが発生する場合は、必ず書面を作成し、後々のトラブルを防止しましょう。
5. 同居を決断する前に家族全員で話し合う重要性
同居は、家族全員の生活に大きな影響を与える決断です。
そのため、同居を決める前に、必ず家族全員で話し合い、それぞれの意見や不安を共有することが大切です。
など、具体的な内容について話し合い、全員が納得した上で同居を始めるようにしましょう。
6. 長期的な視点で計画を立てること
親との同居は、一時的なものではなく、長期的な視点で考える必要があります。
親の健康状態は常に変化しますし、介護が必要になる可能性もあります。
そのため、同居生活が長期化した場合のことも想定し、計画を立てておくことが大切です。
など、将来を見据えた計画を立てることで、安心して同居生活を送ることができます。
高齢の親との同居:空き家になる実家はどうする?
高齢の親との同居は、家族にとって大きな決断であり、様々な問題を考慮する必要があります。
その中でも、空き家になる実家の活用方法は、重要な課題の一つです。
空き家を放っておくデメリット
固定資産税をムダに払い続ける
空き家であっても、土地や建物にかかる固定資産税は支払う必要があります。
誰も住んでいない家にお金を払い続けるのは、非常にもったいないことです。
特定空き家に認定されれば固定資産税が6倍のリスク
これまで、
等の空き家を特定空き家と認定し、自治体は勧告、場合によっては過料も課せられていました。
2023年12月の空家等対策特別措置法の改正によって、
等、特定空家になる可能性のある空き家を管理不全空き家とという区分が新たに設置されました。
この管理不全空き家への指導に対して従わず勧告を受けると、現状、200㎡以下の住宅用地は固定資産税が6分の1軽減を受けられなくなり、固定資産税の負担が大幅(6倍)に増す可能性がでてきました。
管理不全空き家となれば、資産価値自体の下落
更に特定空き家に認定された建物は、資産価値が大幅に下落します。
売却しようとしても、買い手が見つかりにくくなるでしょう。
倒壊や火災・盗難や犯罪絡みとなれば、法的な責任を問われることに
空き家が倒壊したり、火災が発生した場合、所有者は法的責任を問われる可能性があります。
また、空き家が盗難や犯罪の拠点として利用された場合も、同様に責任を問われることがあります。
空き家の土地活用は様々(売却・賃貸・駐車場)
空き家は適切に活用すれば、地域活性化や新たな収入源を生み出す可能性を秘めています。
売却、解体、建替え、リノベーションなど、土地活用の方法は様々です。
そこでおすすめしたいのが、「タウンライフ空き家解決」です。
東京都新宿区西新宿に本社を構えるタウンライフ株式会社によって運営されており、売却、賃貸、解体、リノベーションといった多角的なサービスを通じて、空き家問題の解決を目指しています。
売却プラン:物件査定書
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活用プラン:収支・賃貸計画書
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高齢の親との同居時のよくある質問
高齢の親との同居する時について疑問・悩み・不安においてよくある質問・Q&A紹介します。
よくある質問詳細はコチラ一人暮らし親が心配!高齢の親との同居:記事まとめ
高齢の親との同居は、家族間の絆を深め、親の健康状態をより把握しやすくする一方で、生活習慣や価値観の違い、プライバシーの確保、介護の負担など、いくつかのデメリットも伴います。
しかし、適切なコミュニケーションと役割分担を行い、外部サポートや施設利用の柔軟な活用を組み合わせることで、生活の質を保ちながら同居を続けることが可能です。
また、同居を決断する前に、家族全員で十分に話し合い、長期的な視点で計画を立てることが重要です。
最終的には、親と共に過ごす時間の中で、生活の改善点を見つけ、家族が協力して支え合うことが同居の成功の鍵となります。
参考サイト:タウンライフ空き家解決
商号 | タウンライフ株式会社 |
---|---|
設立 | 2003年9月25日 |
代表取締役社長 | 笹沢竜市 |
所在地(本社) | 〒163-1440 東京都新宿区西新宿3丁目20番2号 東京オペラシティタワー40階 アクセス:京王新線「初台駅」東口直結 |
所在地(市川オフィス) | 〒272-0034 千葉県市川市市川1-9-8 上原ビル4F アクセス:JR市川駅北口 徒歩2分 |
電話・FAX | 本社:03-6276-7170(代表) FAX:03-6381-6357 |
公式サイト | タウンライフ空き家解決公式サイト |
紹介ページ | タウンライフ空き家解決の評判・口コミ |
元メガバンク融資課出身、バブル時代に不動産コンサルティングに従事し、2000年、会社設立後、底地ビジネス・事務所の立ち退き裁判等も経験した宅建士と共に立ち上げ、現在、不動産にまつわるサービスの紹介、口コミ・筆者の感想を加え紹介しています。