マンションの管理人さんのイメージ
- 定年退職後のおじさん
- 人当たりがいい
- 細かいところまで行き届く
- ちょっと厳つい目つきの人
など、人それぞれ管理人のイメージは違うと思います。
ゆくゆくマンションを売却を決断した時、
- マンションを高く売れるか?
- 買いたたかれるか?
は、不動産市況に左右されますが、マンションの管理状態も1つの要素です。
10年間、20年間、どのように管理されてきたか?
これは、管理人が作り上げた賜物とも言えます。
【考えてみてください】
- マンション前が汚いマンションを購入したいですか?
- 自転車が放置されているマンションを購入したいですか?
- ゴミ出しの場所が臭いマンションを購入したいですか?
- 廊下が物置のように私物であふれているマンションを購入したいですか?
マンション管理は、修繕工事だけではありません。
日々のマンションの管理人さんの仕事ぶり・ルールに基づく注意喚起が、マンションの形を作っていきます。
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現状、管理人の人材不足などもささやかれていますので、
このタイミングで管理人に求められる資質を含め、マンションの管理人にスポットをあてて紹介したいと思います。
マンション管理人の仕事
マンション管理人は、マンションの運営と維持を担当する重要な役割を持っています。
彼らの役割と重要性は、マンションの日常の運営において中心的な存在となっています。
一般的に、マンションの共有部分の清掃や設備の点検、住民とのコミュニケーション、緊急時の対応など、多岐にわたる業務を担当します。
マンションの共有部分、例えば廊下やエントランス、エレベーターなどは、多くの住民に利用される場所です。
これらの場所が清潔で整然としているかどうかは、住民の生活の質やマンションの価値に直結します。
管理人は、これらの場所を日常的に点検し、必要に応じて清掃や修理を行うことで、住民の快適な生活をサポートします。
また、マンションには様々な設備があります。
例えば、給排水設備や電気設備、防犯カメラなど、これらの設備が適切に機能しているかどうかを確認し、問題が発生した時は迅速に対応するのも管理人の大切な役割です。
特に、緊急時の対応能力は、住民の安全や生活の質を守る上で欠かせないスキルとなります。
さらに、管理人は住民との窓口としての役割も果たします。
住民からの要望や苦情、相談などを受け付け、適切な対応を行うことで、住民同士のトラブルを未然に防ぐことができます。
このようなコミュニケーション能力は、マンションのコミュニティを健全に保つ上で非常に重要です。
総じて、マンション管理人はマンションの運営と維持の中心的な役割を果たしており、その質がマンション全体の品質や価値を大きく左右すると言えるでしょう。
マンションの価値を左右する管理人の仕事は
- 清掃
- 受付
- 巡回
- 立会
などです。
清掃
管理人の清掃業務。
これは、マンションの価値を左右する大きな要因と言えます。
大規模修繕工事が人間ドックや怪我の治療だとすれば、日々の掃除は散歩・ジム・健康維持みたいなものです。
掃除が行き届いたマンションは清潔感があり、傍から見ても好印象を与えます。
清掃は管理人とは別の業者(人)の場合もありますが、
エントランス、敷地、階段、ゴミ捨て場の掃除の質の善し悪しは管理人(清掃業者)の質が問われます。
マンション管理人は、清掃業務としてゴミ出しに対しての監視も重要な仕事です。
管理人がしっかりしたところは、見せつける形で誤ったゴミを展示します。
マンションの場合、賃貸で借りている住民もいますので、この積み重ねは、住民の意識改革にもつながります。
ゴミ捨て場は、ニオイも含め、一番劣化が激しい場所です。
分別がデキているマンションはその意味で住民の民度が高いマンションとも言えるでしょう。
分譲マンションにおけるゴミ出しのルールとゴミ分別問題、資産価値に大きく影響も
受付
受け付けもマンション管理人の立派な業務ですし、管理人の存在感がマンションのセキュリティにもつながります。
25年以上前に初めて賃貸マンションを借りた時の話ですが、
不動産会社の営業マンと内見に行ったマンションの管理人が非常に不愛想でした。
「管理人は住民にやさしく、部外者には厳しく、これが基本なのでしっかりした管理人ですね」
っと教えてくれました。
愛想の悪い管理人に、このマンション大丈夫?
っと感じましたが、部外者をしっかり監視するのがマンション管理人という側面から納得したのを覚えています。
セキュリティの観点からも、
言葉遣いは丁寧であっても、厳しい目を光られることができる管理人にマンションを守ってもらいたいものです。
巡回(じゅんかい)
マンション管理人は、定期的にマンション内・敷地内を巡回します。
不審者の確認、設備の点検、またマンションの前に車の停車・自転車が放置してあれば、即撤去を促すなどの作業になります。
以前紹介した
マンション廊下の荷物もそうですが、
- 廊下の荷物
- マンション周辺の不法駐車
などの監視も、早い段階で芽を摘むことが重要となります。
立会(たちあい)
設備点検(消防・エレベーター)や引越し業者など、マンションにはいろいろな業者が出入りします。
その立合を行う業務もマンション管理人の仕事です。
別に特別な作業を行うわけではありませんが、点検・作業に問題がなかったか、その現場主任のようなものです。
引越し業者が、
・壁などにキズをけていないか?
・そのケアはしっかり出来ているか?
また、廊下にゴミを散らかしていけば注意もします。
緊急時の対応や住民とのコミュニケーション
緊急時の対応や住民とのコミュニケーションも管理人の重要な役割となります。
水漏れや停電、火災などの緊急事態が発生した際には、迅速かつ適切に対応することで、住民の安全を確保します。
また、住民からの要望や苦情、相談などを受け付けることで、マンションのコミュニティを健全に保つ役割も果たしています。
マンション管理人に向いている人
マンション管理人としての職務は、単に設備の管理や清掃業務だけに留まりません。
それは、マンションという共同生活の場において、多くの住民との関わりを持ちながら、その安全と快適性を守る役割を担っているからです。
そのため、管理人には特定のスキルや資質が求められます。
これらの資質を持ち合わせている人は、管理人としての職務を適切に遂行し、住民からの信頼を得ることができるでしょう。
【例:管理人の1日のスケジュール】
マンション管理人の1日は、多岐にわたる業務で構成されています。以下は、典型的な1日のスケジュールを示すものです。
(9:00 – 12:00) 午前中の巡回と点検 |
朝は、マンションの共有部分の清掃やゴミ収集場所の点検を行います。 また、前日に報告された故障やトラブルに対する対応の手配もこの時間帯に行います。 エントランスや駐車場、共用施設の安全確認も欠かせません。 この時間帯は、マンション内の各設備の定期点検や、共有部分の巡回を行います。エレベーターや防犯カメラ、火災報知器などの設備の動作確認や、廊下や階段の清掃状況のチェックを行います。 |
(12:00 – 13:00) 昼休み |
短い休憩時間を取りながら、午後の業務の準備や、必要な連絡事項の確認を行います。 |
(13:00 – 17:00) 午後の業務 |
午後は、住民からの要望や相談を受け付ける時間帯となります。 また、専門業者との打ち合わせや、修理・メンテナンスのスケジューリングもこの時間に行います。 1日の業務を終える前に、翌日の業務の準備や、必要な報告書の作成、連絡事項の整理を行います。 |
《24時間体制の場合》
夕方の巡回
夕方は、再びマンション内の巡回を行い、夜間の安全確認をします。
特に、共用施設の照明や、駐車場の状況などをチェックします。
元学校の先生、元警察官、元お役人は向かない?
日刊ゲンダイDIGITAL で目にしたニュース
マンション管理員の定説「元学校の先生、元警察官、元お役人は向かない」
管理員の元職業で統計的にもっとも向いていないのは、学校の先生、警察官、そしてお役人だそうだ。
管理員は黒子であり、目立ってはならないのである。ましてや住民の上にあってモノを言う立場であってはならないという。
面接される側なのに、面接官が入室してきたときに座ったまま挨拶したり、面接中に腕を組んでいたりなど、常識外れな態度をとっていた。
なんとなくわかる。
ただ、偉そうな人が向かないというわけではない。
管理人の仕事はきめ細かな仕事が求められると同様に、防犯という部分もある。
優しそうな管理人より、厳つい人の方が、番犬としての管理人は向いているという部分もある。
ただ、ある程度のポジション、優位なポジション、マウント取ることが求められてきた人には向かないというイメージはその通りだろう。
外出自粛?
新型コロナウイルスの感染拡大の中、管理人やコンシェルジュの派遣が停止されるマンションが続出とのこと。
緊急事態宣言によって、管理会社もその意思決定に迫られた。
清掃員やコンシェルジュの派遣を停止となれば、マンション管理・ゴミ・清掃の部分がおろそかになる。
サービスの低下にもなりかねない。
修繕工事の判断にも影響するだろう。
ゴミ回収の前のゴミの分別やマンションによっては、フロアごとにごみ収集可能という場合もあるので、管理人の自粛によって、改めて管理人の必要性を実感することになるでしょうね。
こんな状況で、ゴミ置き場がカオスという時のマンション売却、ごみ置き場の内見は売主としてはキツイでしょうね。
良い管理人がもたらすマンションの価値
マンションの価値は、その立地や設備、デザインだけでなく、日常の運営や管理の質にも大きく影響されます。
特に、良い管理人がいることは、マンションの価値を大きく向上させる要因となり得ます。以下に、良い管理人がもたらすマンションの価値について詳しく解説します。
住民の満足度は、マンションの価値を示す最も直接的な指標の一つです。良い管理人は、住民の日常の悩みや要望を的確に捉え、迅速かつ適切に対応します。例えば、共有部分の清掃状況や設備の故障、住民間のトラブルなど、様々な問題が発生する可能性があります。これらの問題に対して、良い管理人はプロフェッショナルな姿勢で取り組み、住民の不満を最小限に抑えることができます。また、住民とのコミュニケーションを大切にし、住民の声を反映した運営を行うことで、住民の満足度を一層高めることができます。
マンションの設備や環境の維持・向上は、長期的な価値の維持に直結します。良い管理人は、定期的な設備の点検やメンテナンスを欠かさず行い、故障や老朽化を未然に防ぐ努力をします。また、住民からの要望や最新の技術・トレンドを取り入れることで、マンションの設備や環境を常に最適な状態に保つことができます。例えば、エネルギー効率の良い設備の導入や、共有部分のリニューアルなど、積極的な取り組みを行うことで、マンションの価値を維持・向上させることができます。
マンションの住民にとって、最も大切なことは、安全で快適な住まいを持つことです。良い管理人は、安全対策を徹底的に行い、住民が安心して生活できる環境を提供します。例えば、防犯カメラの設置や点検、緊急時の対応体制の整備、火災報知器の定期的な点検など、安全に関する様々な取り組みを行います。また、住民の生活の質を向上させるための取り組み、例えば共有部分のデザインの改善や、コミュニティの活性化のためのイベントの開催なども行います。
マンション管理人・管理会社の善し悪し
ところで、マンションを所有している人に質問です。
ちなみに、
私が今まで購入したマンションすべてで、その話が議題に上がりました。
内容は
- 管理費を抑えるための管理会社変更
- 管理に対しての不満からの管理会社変更
などでしたが、
管理人さんへの不満より、管理会社への不満の方が多かったようにも思います。
その中には、管理人は残して管理会社だけ変えたいという決議になったこともありました。
管理会社から管理人に圧力がかかり、それは実らりませんでした。
基本的に、管理会社と管理人はセットなので管理会社が変われば、新しい管理人による新しい管理と考えるのが一般的でしょう。
もちろん、マンションとして管理人を雇用する時は別ですが・・・。
放送中の”あなたの番です”の管理人さん。竹中直人さんが演じていましたが、考えられないレベルの管理人さんでしたね。
気になる疑問・よくある質問
管理人の主な業務は、マンションの共有部分の清掃、設備の点検・メンテナンス、住民からの要望や苦情の対応、緊急時の対策などが含まれます。
それはマンションの規模や契約内容によります。一部の大規模マンションでは24時間常駐していることもありますが、中小規模のマンションでは日中のみの勤務や非常駐の場合もあります。
多くのマンションでは、緊急連絡先や手順が住民に通知されています。その指示に従い、必要な時は専門業者や警察、消防署に連絡してください。
はい、管理人は住民間のトラブルの仲裁や騒音問題の対応も行います。ただし、深刻な問題の時は専門機関の介入が必要となることもあります。
一般的には、共有部分の清掃、設備の点検・メンテナンス、住民からの要望や苦情の対応、緊急時の対策などが主なサービスとして提供されます。
管理人としての専門的な資格は必須ではありませんが、不動産や建築に関する知識、または実務経験を持つ人が多いです。
・マンション管理士
・管理業務主任者
・マンション管理員検定
・宅地建物取引士
などがあります。
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管理人によるマンションの行く末:まとめ
マンションの管理人の仕事によって、大きくマンションの行く末が変わります。
ビルの受付とは違い、マンションという資産価値を落とさないための大きな仕事です。
よって、管理人の仕事の質を住民はしっかり吟味する必要がありますし、
管理人や管理会社の解除・変更もそれを見越しての組合の決定でもあります。
せっかく購入したマンションだからこそ、気持ちよく生活したいですし、売却時も高く売りたいと思うのは自然の話です。
その1つのが日々の管理である、管理人さんなのです。
そんな管理人の仕事だからこそ、
誰でもいいというわけではありませんし、管理人不足と言われるのも納得でしょう。