奨学金返済中の住宅ローン借り入れ
大学や専門学校に通われた方であれば、多くの方が利用しているであろう奨学金。
日本学生支援機構の調査によると、今や大学生・大学院生の約半数が利用している奨学金制度。
授業料や生活費の負担を軽減し、夢に向かって学業に専念できるよう、心強い存在ですよね。
しかし、卒業後は奨学金の返済という新たな課題が立ちはだかります。
社会人になり、少ない給料から、毎月引かれる返済額は、毎月の家計を圧迫する可能性もあります。
そんな中、多くの人が抱える疑問が「奨学金の返済中に住宅ローンは借りられるのか?」ということです。
家の購入は人生の中でも大きな買い物であり、返済期間も長いものです。
奨学金の返済と住宅ローンの返済を両立できるのか不安に思うのは当然です。
そこで今回は、奨学金の返済状況と住宅ローン審査の関係について詳しく解説します。
奨学金返済中の住宅ローン審査は厳しい?
奨学金の返済状況は、住宅ローン審査において重要な要素の一つです。
しかし、一概に「厳しい」とは言えません。
金融機関は、住宅ローンの借り手が返済を確実に履行できるかどうかを判断する必要があります。
そのため、以下の3つの要素を審査基準としています。
返済負担率
返済負担率とは、年収に対する年間返済額の割合です。
一般的には、返済負担率が20%以下であれば問題ないとされています。
奨学金の返済額も、返済負担率に含まれます。
返済額が大きすぎると、返済負担率が高くなり、住宅ローンの審査に通らない可能性があります。
《返済負担率を抑える方法》
・年収アップを目指す:転職、昇進、資格取得など
・頭金を準備する:貯蓄、ボーナス、贈与金など
・返済期間を延長する:返済月額を抑えることができますが、総返済額は増くなります。
安定した収入
住宅ローンの返済には、安定した収入が必要です。
パートやアルバイトのみの収入では、審査に通らない可能性があります。
《安定した収入を得るための方法》
・転職する:より高収入の仕事に就く
・副業を始める:収入の柱を増やす
信用情報
信用情報とは、過去にクレジットカードやローンを利用した際の支払い履歴などが記録されたものです。
延滞や滞納があると、信用情報に傷が付きます。
奨学金の返済状況は、以下の2点で審査されます。
- 過去の返済履歴:延滞や滞納がないかどうか
- 現在の返済状況:返済額、返済方法、返済負担率など
《信用情報を改善する方法》
・延滞履歴を解消する:滞納している料金を完済する
・クレジットカードの利用状況を見直す:利用限度額に近いまで利用している場合は、利用額を減らす
・過去に延滞や滞納がある
・現在の返済額が大きすぎる
・返済負担率が高い
・信用情報に傷がある
そのため、奨学金の返済状況や住宅ローンの審査について不安な場合は、ファイナンシャルプランナー(FP)などの専門家に相談することをおすすめします。
社員の奨学金を肩代わり、1000社超す 人材確保
最近、多くの企業が社員の福利厚生として奨学金返済制度を取り入れています。
この制度では、企業が社員の奨学金を一部または全額肩代わりし、社員の経済的負担を軽減します。
この取り組みにより、社員は金銭的なプレッシャーを少なくしながらキャリアを築くことができ、企業は優秀な人材を引きつけて定着させることが可能になります。
また、社員のロイヤリティ向上やモチベーションの維持にも寄与し、全体として企業の生産性向上に繋がるとされています。
奨学金返済制度とは、企業が社員の奨学金の返済を支援する制度です。
・代理返済:企業が直接日本学生支援機構に返済金を支払い、社員の返済負担を軽減する制度
・補助金制度:社員が返済する奨学金に対して、一定額を補助する制度
上記のような2種類があります。
全国で1000社以上が導入(日経より)
参考ページ:日本経済新聞
奨学金の返済支援金を社員に支給する企業は以前からある。ただ、給与などに上乗せする方法がほとんどだった。これでは通常の給与と支援金の区別がつかず、支援金に所得税がかかるなどの課題があり、広まってはいなかった。だが、21年4月に企業が日本学生支援機構に直接返済する「奨学金返還支援(代理返還)制度」が新設され風向きが変わりつつある。新制度では企業が直接、日本学生支援機構などの奨学金貸与元に返済額を送金できるようになった。社員の給与と区分できるようになったため、支援金は課税対象ではなくなった。
代理返還制度によって、奨学金を肩代わりした企業にもメリットが生まれた。返還金を給与として損金算入できるようになったほか、返還額が「賃上げ促進税制」の対象となる給与等支給額にも充てられるため、一定の要件を満たせば法人税の税額控除の適用を受けられる。
こうした利点が企業の間で広まり、21年4月末に65社だった導入企業は23年8月末時点で1049社まで増えた。足元では毎月50〜70社ほどのペースで増加する。
株式会社リクルート・株式会社メルカリ・株式会社サイバーエージェント・・・など多数
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奨学金返済と住宅ローンの両立を成功させるためのヒント
奨学金返済と住宅ローンの両立は、決して簡単ではありません。
しかし、計画的な返済と対策 を講じることで、夢のマイホーム を手に入れることは可能です。
家計簿をつけて、収支を把握する
まずは、家計簿をつけて収入と支出を把握 することが重要です。
家計簿をつけることで、無駄な支出 を把握し、節約 することができます。
また、将来のライフプラン を立てる際にも役立ちます。
無理のない返済計画を立てる
家計簿で把握した収入と支出に基づいて、無理のない返済計画 を立てましょう。
返済計画は、返済負担率 を20%以下に抑えることを目標に立てます。
また、ボーナスなどの臨時収入 を計画的に返済に充てることで、返済負担を軽減することができます。
必要に応じて、家計の見直しを行う
生活状況や収入が変化した場合は、必要に応じて家計の見直し を行いましょう。
支出項目を見直し、節約できる項目 を探します。
また、収入を増やすために、転職 や 副業 を検討するのも良いでしょう。
奨学金の返済制度や補助金制度を活用する
奨学金には、返済額を減額 できる制度や、返済を猶予 できる制度があります。
また、経済的に困窮している学生 向けには、補助金 制度もあります。
これらの制度を積極的に活用することで、返済負担を軽減することができます。
参考ページ:企業等の奨学金返還支援(代理返還)制度
住宅ローンの金利や返済条件を比較検討する
住宅ローンを選ぶ際は、金利 や 返済条件 を比較検討することが重要です。
金利は低い方が、当然ながら返済総額も低くなります。
また、返済期間や返済方法なども、自分に合ったものを選ぶ必要があります。
奨学金返済と住宅ローンに関するよくある質問
奨学金は、経済的な理由で高等教育の修学が困難な学生に対して、学費や生活費を援助する制度です。
大きく分けて、返済不要な「給付型奨学金」と、卒業後に返済する必要がある「貸与型奨学金」の2種類があります。
給付型奨学金
給付型奨学金は、成績優秀者や特定の分野で優れた才能を持つ学生などに、返済義務のない資金が支給されます。
代表的なものとしては、文部科学省の「修学支援新制度」や、日本学生支援機構の「第一種奨学金」などがあります。
貸与型奨学金
貸与型奨学金は、学生に資金を貸与し、卒業後に一定期間をかけて返済する制度です。
代表的なものとしては、日本学生支援機構の「第二種奨学金」や、民間金融機関の奨学金などがあります。
はい、奨学金の返済状況は住宅ローン審査において重要な要素となります。具体的には、返済負担率 や 信用情報 に影響を与えます。
返済負担率とは、年収に対する年間返済額の割合です。
一般的には、20%以下であれば問題ないとされています。
返済負担率の計算サイト(住宅金融普及協会)
信用情報とは、過去にクレジットカードやローンを利用した際の支払い履歴 などが記録されたものです。
延滞や滞納があると、信用情報に傷が付きます。
必ずしもではありません。
年収や資産、住宅購入状況などの他の審査基準も考慮されます。
一概には言えません。
返済状況や金利状況などを総合的に判断する必要があります。
倫理的に問題があり、発覚した場合に多額の返済金が請求される可能性があります。
有利になることはありませんが、審査のハードルを下げることは可能です。
・計画的な返済を行い、返済状況を良好に保つ
・返済負担率を抑える
・信用情報を意識する
・複数の金融機関で審査を受ける
はい、日本学生支援機構 などから、返済額を減額 できる制度や、返済を猶予 できる制度があります。
奨学金バンクは、株式会社アクティブアンドカンパニーが開始した、奨学金の返済を支援 する新しいサービスです。
個人や企業が奨学金の提供者となり、学生への経済支援を行うシステムです。
まとめ:奨学金返済中の住宅ローン審査
奨学金返済中の住宅ローンを組むことは、多くの人にとって大きな挑戦ですが、適切な計画と情報に基づくアプローチで実現可能です。
この記事では、返済負担率を適切に管理し、安定した収入源を確保する方法、さらに信用情報を清潔に保つことの重要性に焦点を当てました。
また、金融機関の選択や専門家の助言を求めることの利点も解説し、奨学金返済者が住宅ローンを賢く利用するための具体的なヒントを提供しました。
奨学金返済中でも夢のマイホームを実現するためには、これらの要素を慎重に考慮することが不可欠です。
マイホーム購入は人生の大きなイベントです。
諦めずに、積極的に情報収集を行い、自分に合った方法を見つけてください。
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