終活と聞くと、
「まだ早い」
「考えたくない」
という気持ちになる方も多いかもしれません。
しかし、終活は、人生の最期を迎えるための準備だけでなく、残りの人生をより豊かに過ごすためのものです。
ただ、終活について考える時、
多くの人が何から始めれば良いのか、いつ始めるべきなのかという疑問を持ちます。
この活動は単なる事務的な整理だけでなく、自身と家族の未来に対する深い配慮から始まります。
人生の最終章をどのように締めくくりたいか、どのような遺産を残すかを考えることは、決して早すぎるということはありません。
今回は、終活のやり方について、
・終活は何からはじめたらいいのか?
・いつ始めるのがいいのか?
・エンディングノートとは?
など、具体的なステップと役立つアドバイスを紹介したいと思います。
終活とは?
「終活」とは、人生の終わりを見据え、自分自身の死後について考え、準備をする活動のことです。
具体的には、葬儀の方法、財産の相続、残された家族へのメッセージなど、さまざまなことを決めておくことで、自分らしい最期を迎えるための準備を整えることを指します。
おひとりさま高齢者の64.0%が終活を検討中
高齢者向けの終活サポートサービスを提供する「おひさぽ」のおひとりさま高齢者の終活に関する意識調査結果を見ると、おひとりさま高齢者、「終活について考えている」と64.0%が回答しています。
・終活について考えていて、実際に準備もしている:13.0%
・考えてはいる:51.0%
・まだ考えていない:31.0%
・わからない/答えられない:5.0%
また、終活への不安として、
「他人に迷惑をかけることへの不安」が約6割で最多というアンケート結果も確認できます。
引用:おひさぽ
終活の目的は、大きく分けて以下の3つが挙げられます。
終活の目的:家族への負担を軽減する
自分自身の希望を明確にしておくことで、家族が後から困ることなく、スムーズに手続きを進めることができます。
特に、複雑な家族関係や多くの財産がある場合、事前に準備しておくことで、相続トラブルを防ぐ効果も期待できます。
終活の目的:自分らしい最期を迎える
葬儀の形式や場所、墓地など、自分自身の希望を具体的に決めておくことで、自分らしい最期を迎えることができます。
また、エンディングノートに自分の考えや思い出を書き残すことで、自分の人生を振り返り、より豊かな人生を送ることにつながります。
終活の目的:残りの人生をより良く生きる
終活をすることで、自分の人生について深く考える機会になります。
自分の価値観や大切にしたいことを明確にし、残りの人生をより積極的に生きるきっかけとなります。
なぜ終活が必要なのか?
終活は、決して暗い話題ではありません。
むしろ、自分の人生を主体的に生き、大切な人たちへの感謝の気持ちを伝えるための、ポジティブな活動と言えるでしょう。
終活が必要な理由は、以下の通りです。
終活の必要性:誰しもが必ず迎える死
死は、誰しもが必ず迎えるものです。
しかしながら、多くの人が死について考えることを避けてしまいがちです。
この避けたい気持ちは自然なものですが、死を前向きに考え、準備することで、自身と家族の未来に対する安心感を得ることができます。
終活の必要性:家族への負担
突然の別れは、家族にとって大きなショックとなり、さまざまな手続きに追われることになります。
葬儀や遺品整理、財産の分配(不動産)、お墓など、多くの手続きが必要となり、家族は物理的な負担や精神的なストレスにさらされることがあります。
終活の必要性:社会の変化
日本では、少子高齢化と核家族化が進んでおり、家族や地域の人とのつながりが弱くなっています。
このため、死後の整理なども自分で準備する必要があります。
終活の必要性:自分らしい最期を迎えるため
自分自身の希望を尊重し、自分らしい最期を迎えるためには、生前からの準備が重要です。
終活は、単に死を迎えるための準備ではなく、自身の意志や価値観を大切にした生活を最終まで維持できる機会を確保するための活動でもあります。
終活、いつから・何からはじめたらいいの?
終活を始めるのに「早すぎる」ということはありません。
むしろ、早いうちから始めることで、より自分らしい人生を送ることができ、家族への負担も軽減できます。
終活を始めるタイミング:年齢不問
終活を始める年齢に決まりはありません。
40代から60代まで、現在の年齢に関わらず、終活が気になったらすぐに始めることができます。
実際には、還暦(60歳)を前に終活を意識し始め、60代で実際に始める方が多くなっています。
70代・80代以上でも、健康状態の変化や介護が必要になる可能性を考慮し、より具体的な準備を進めることも大切です。
終活を始めるタイミング:判断能力があるうちに
終活は、判断能力があるうちに始めることが重要です。
必要な契約や準備を進めるために、健康で判断力があある状態で始めるのがベストです。
終活を始めるタイミング:ライフイベントに応じて
結婚や転勤、病気などのライフイベントに応じて終活を始めるのも良いでしょう。
例えば、子どもが自立したときや、定年を迎えて仕事を引退したタイミングで始める方も多いです。
大切なのは、自分の年齢や状況に合わせて、無理なく始められることです。
終活のやる事リスト”7つ”
終活を始めるにあたって、最初に行うべきことは、自分の財産と家族構成を把握することです。
次に、エンディングノートを作成し、自分の望む葬儀の形式や遺品の処置、大切な人々へのメッセージを記録します。
さらに、遺言書を作成して法的な手続きを整え、可能であれば生前贈与を検討することも有効です。
これらのステップを踏むことで、自分の意志がしっかりと反映され、家族に負担をかけることなくスムーズな手続きが可能となります。
終活のやる事リスト:①エンディングノートの作成
エンディングノートとは
もしもの時に備えて自分の想いや自分の望む葬儀の形式など重要な情報を書き残しておくノートのことです。
エンディングノートや終活ノートと呼ばれることもあります。
家族へのメッセージ: 自分の想いや感謝の言葉を家族に伝えるためのメッセージ。
契約している保険やサービス: 保険証券、銀行口座、クレジットカードの明細など。
医療・介護に関する情報: 病危や臨終時の医療指示声明、延命治療の有無など。
葬儀やお墓の希望: 自分の葬儀やお墓についての希望や安排。
ちなみに、エンディングノートに法的な効力はありません。
法的効力があるメッセージを残すなら、遺言書の作成がおすすめです.
終活のやる事リスト:②葬儀やお墓の準備
《葬儀の準備》
葬儀は、人生の最後の儀式であり、家族や親族に最後の別れを告げる大切な場です。
生前、どのように送りたいか、希望を明確にしておくことで、家族の負担を軽減することができます。
葬儀の規模と形式
個人の希望に応じた葬儀の規模と形式を決定し、事前に葬儀社と相談します。
家族葬か社葬か、または無宗教葬などの選択が含まれます。
葬儀の場所
葬儀を行う場所を決定します。
地元の寺院、自宅、または公共の葬儀場など、利用可能なオプションを検討します。
《葬儀の準備》
お墓の場所
自身や家族が望む場所にお墓を設置するか、既存の家族墓を使用するかを決定します。
地域によっては、公営の墓地や民営の墓地が選択肢になります。
お墓の管理
お墓の維持管理に関する計画を立てます。
定期的な清掃や年間のメンテナンス費用の見積もりを含まれる必要があります。
終活のやる事リスト:③遺言書の作成
遺言書は、財産の相続方法や分配を明確に記載することで家族間のトラブルを防ぎます。
法的に認められた遺言書には強い効力があり、亡くなった後の財産分配がスムーズに行われるよう保証されます。
遺言書の内容
財産の相続先
個人の財産がどの相続人に渡るかを明記します。
遺贈
特定の財産を特定の人物に遺贈する指示を記載します。
これは財産を公正に分配するため、または特定の意向を反映させるために行います。
遺言執行者の指定
遺言の内容が正確に執行されるよう、信頼できる遺言執行者を指名します。
この人物が遺言の指示に従って財産の分配や手続きを管理します。
終活のやる事リスト:④資産の整理・見直し
銀行預金や金融資産
預貯金、証券、その他の金融資産を整理し、最新の残高や投資状況を確認します。
不動産
所有している不動産のリストを作成し、それぞれの不動産の現状管理方法や市場価値を把握します。
必要に応じて、将来の継承者や売却について計画を立てます。
負債
現在の債務状況を詳細に把握し、返済計画を再確認または新たに計画を立てます。
負債の整理は、将来的に家族に負担をかけないようにするために重要です。
終活のやる事リスト:⑤生前整理・断捨離
生前整理は、終活において非常に重要な要素の一つです。
自分にとって不要なものを処分し、残された家族に負担をかけないための準備となります。
生前整理
生前整理は、自分の「過去」を振り返り、「未来」と「死後」を見据えて行う整理活動です。
家族や相続人への負担を減らすため、必要な物と不要な物を区別し、適切な処分方法を決定することが重要です。
特に重要な書類や骨董品などの価値のある物については、相続人に対してその重要性を伝え、適切な保管方法を伝える必要があります。
断捨離
断捨離は、現在の快適な生活のために行う整理活動です。
不要な物を処分し、必要な物だけを残すことで、生活スペースを整理し、生活の効率を上げることが目的です。
終活のやる事リスト:⑥遺品・形見分けの整理・計画
思い出が詰まった品物を、単に処分するのではなく、大切な人に譲りたいと考える方も多いでしょう。
終活における遺品・形見分けの整理・計画は、譲りたいアイテムを選定し、それらを大切な人々に適切に分配するためのプロセスです。
《遺品の選定》
個人の遺品の中から、特に意味が深いものや価値のあるものを選び出します。
《受取人の特定》
遺品を譲ることは、故人の思い出を繋ぎ、新しい人生へと繋げるための大切な行為です。
各遺品を誰に譲るかを決定、遺言書やエンディングノートに、譲りたい品物と相手を記載しておくことで、家族の負担を軽減することができます。
終活のやる事リスト:⑦交友関係の名簿作り・友人リスト
交友関係の名簿作りは、終活の一環として非常に重要な活動です。
自分自身の交友関係を整理し、家族や友人への連絡先を明確にし、将来の葬儀やその他の重要なイベントでの連絡をスムーズに進めるための準備を進めます。
交友関係を振り返る
自分の過去の交友関係を振り返り、重要な友人や親戚、同僚などの連絡先をリストアップします。
特に、長年の友人や同僚、親戚などを優先的にリストに含めます。
連絡先の収集と整理
友人や親戚、同僚などの連絡先(電話番号、メールアドレス、住所など)を収集し、整理します。
古いアドレス帳や電話帳、SNSなどのデータを参照して、最新の連絡先を確認します。
連絡先をリスト形式で整理し、名前、電話番号、メールアドレス、関係性(友人、親戚、同僚など)を明記します。
終活は、自分自身と家族の未来に対する深い配慮から始まります。
上記のリストを参考に、自分が手をつけやすい項目から始めて、少しずつ進めることが重要です。
早い段階で終活に取り組むことで、残りの人生をより豊かに過ごすための基盤を築くことができます。
終活のメリット・デメリット
終活は、自分の人生を振り返り、残りの人生をより豊かに過ごすための準備です。
また、大切な家族や周囲の人々への思いやりが形になる行為でもあります。
しかし、終活は決して楽しいものではありません。
メリットとデメリットをしっかり理解し、自分にとっての最善の選択をしていくことが大切です。
終活のメリット:自分の人生を見つめ直すきっかけになる
終活を行うことで、自己の人生を振り返り、過去の経験や人間関係を整理する機会を得ることができます。
這までの人生を静かに振り返ることで、現在と未来についての新しい視点を得ることができます.
終活のメリット:老後に関する不安を解消できる
終活を通じて、老後や死後の準備を進めることで、老後に関する不安や死に対する漠然とした不安を解消することができます。
具体的な計画を立てることで、現状と向き合えるようになり、不安が和らぎます.
終活のメリット:遺された家族の負担を軽減できる
自分の希望や要望を事前に決めて伝えておくことで、遺された家族の負担を軽減できます。
エンディングノートや遺言書を作成することで、葬儀、遺品整理、財産相続などの手続きがスムーズに進むことが期待されます。
終活のメリット:相続トラブルを回避できる
終活では、財産の分配や相続方法について具体的に検討し、遺言書を作成することができます。
相続トラブルを回避し、家族間の仲が拗れないようにすることができます.
終活のメリット:残りの人生を充実させることができる
終活は、人生の最期を考える活動ですが、これからの人生を明るく楽しく暮らすためのよい指針にもなります。
人生の最期に対する不安を解消できると、これから過ごす未来を前向きにとらえることができます.
終活を行うデメリット:初期の心理的な抵抗
終活は死を意識する必要があるため、初期には心理的な抵抗感を感じることがあります。
死に対する漠然とした不安やつらい感情が生じることがあります.
終活を行うデメリット:時間と労力の必要性
終活には、財産の整理、遺言書の作成、葬儀やお墓の準備など、多くの時間と労力が必要です。
特に、断捨離や遺品整理などの作業は手間がかかることがあります.
終活を行うデメリット:専門家への依頼による費用
終活に関連する専門家(終活カウンセラー、終活アドバイザーなど)への依頼や、業者への依頼による費用がかかることがあります.
終活の相談なら
終活は、人生の最終段階に向けて自己の意志を整理し、家族への負担を軽減する大切なプロセスです。
しかし、どのように計画を始め、何を準備すべきかについては、専門的な知識が必要とされることも多く、一人ですべてを決定し進めるのは容易ではありません。
終活相談サービスを利用することで、経験豊富な専門家からのアドバイスを受け、自身に合った終活プランを形成することが可能になります。
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営業時間 | 平日/土日 11:00~20:00 |
公式サイト | 株式会社終活のまどぐち |
おすすめ終活相談サイト:みんなが選んだ終活
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電話番号 | 0120-33-3737 |
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決して暗い話題ではなく、自分の人生をより豊かにするための、ポジティブな活動と言えるでしょう。
自分の意志の実現
エンディングノートや遺言書を用いて、自分の意志を文書化し、具体的な希望を家族に明確に伝えることができます。
自分が望む葬儀の形式や財産の分配などが実現されます。
家族間の対立の予防
すべての計画が事前に整理され、明記されているため、家族間での意見の食い違いや対立を最小限に抑えることができます。
経済的な計画
財産の整理や生命保険、退職金の管理を通じて、家族の経済的な負担を軽減します。
医療・介護の事前計画
自分の医療や介護に関する希望を事前に計画し、文書化することで、万一の事態に備えることができます。
これらのステップを踏むことで、終活は単なる終末期の準備だけでなく、生きがいを感じ、精神的にも充実した時間を過ごすための大切なプロセスとなります。
元メガバンク融資課出身、バブル時代に不動産コンサルティングに従事し、2000年、会社設立後、底地ビジネス・事務所の立ち退き裁判等も経験した宅建士と共に立ち上げ、現在、不動産にまつわるサービスの紹介、口コミ・筆者の感想を加え紹介しています。