今回は、文學界で見た
落合陽一さんと古市憲寿さんの対談から。
千代田区・港区・中央区のマンション価格
対談の趣旨は、
「平成」が終わり、「魔法元年」が始まる
テクノロジーは人間の能力をどこまで拡張するか? 少子高齢化社会の未来図は?
それでも小説が必要とされる理由……トップランナー二人が次代を占う!
というタイトルで、
少子化・産業・テクノロジー・地政学・宗教など幅広いテーマで話をしているのですが、
その中の1つに不動産のことがでてきました。
- 古市
ヨーロッパだと、住み続ければ買ったときより不動産価値が上がっていくからね。
だから建物を大事にして住むことが合理的だけど、日本ではそうじゃない。
地震が多くて人口が減っていく国だと、住宅価値は下がらざるを得ないんじゃないのかな。 - 落合
だからそこを変えないと。しかも土地によりけりですし。
東京は――東京でも千代田区・港区・中央区に限った話ですけど――放っておいても2040年ぐらいまでは過密していくので、しばらく住宅価値は上がり続けますよ。 - 古市
その3区はしばらく上がり続けるとしても、東京全体で見れば高齢化は深刻だよね。 - 落合
多摩ニュータウンとか。
そうなったときに、建物を適度に間引くことが必要なんだろうな、と思ってます。
古い建物をいくつか残しつつ、人口が減ったぶんだけ周りの建物を潰していくと、地震や火事が起きても周りに延焼しないし、需要と供給のバランスも整えられる。都市計画法の規制があって、市街化調整区域に指定された離島や集落だと、今ある建物に住み続けるぶんには問題ないけど、それを取り壊すと新しい建物は建てられないように規制されているでしょう。
そういう規制をそこらじゅうでやっていくと、綺麗に収まると思います。
引用:文春オンライン
千代田区・港区・中央区のマンション・住宅価値上昇
会話の中にありましたね。
東京は――東京でも千代田区・港区・中央区に限った話ですけど――放っておいても2040年ぐらいまでは過密していくので、しばらく住宅価値は上がり続けますよ。
このサイトでもよく出てくる不動産価格・地価相場の考え方そのものです。
対談では、3区(千代田区・港区・中央区)だけが名前に挙がりましたが、3区だけでなく
- 駅に近い
- 人口減が考えにくい地域
- 人の流れが活発な地域
など、需給関係が成り立つ場所が、それなりに上昇していくと考えられます。
上がる地域と下がる地域
上がる地域も下がる地域も予想するのは、簡単ではありません。
- 古市
東京は人口密度が高いと思われているけど、東京都はマンハッタンやパリに比べて人口密度が低くて、結構分散しちゃってるんだよね。
落合
広く見れば、東京は分散してますよね。中心部は人口密度が高くても、西側に人口密度が低い地域が広がっている。奥多摩なんて一キロ四方あたり23人しか住んでないんですよ。
古市
多摩ニュータウンが計画された時代は、距離の問題は交通の発達が解決するという発想があったんだよね。でも、結局ゴーストタウン化してしまった。郊外の問題というのも、自動運転や新しいテクノロジーで解決できるんだろうか?
多摩ニュータウンがここでも出てくるけど、
多摩ニュータウンに限らず、ベットタウンや***ニュータウン・衛星都市などが生まれた理由の1つに
戦後日本が急速な成長を遂げ、人口増加にともない住宅難を解消するために郊外の土地を開拓し住宅建設が行わたのが所以。
当時は一軒家・借家が基本。
高層マンション・アパートなどないため、都心の深刻な住宅問題になったというのもわかる。
また、当時の思考の1つに、
一家の主として、庭付き一軒家を持つ、持ちたいという夢もあったことから、立地やアクセスの優先順位が下だったのもわかります。
ドーナッツ化現象が生まれたのも、時代が作り上げた理想像からとも言えるでしょう。
その意味で今後、
今までの不動産に対する勘違いが補正にされていくことは、間違えないと言えるのではないでしょうか?
マンション販売広告のすり込み
マンション販売の告知・電車の中刷りでよく見るのが、
よく
- ・・・・を望む
- ・・・・を極める
- ・・・・で暮らす
- ・・・・の森
- ・・・・にそびえる
などのキャッチフレーズとともに、
- 東京駅:何分
- 新宿駅:何分
- 大手町駅:何分
- 品川駅:何分
- 渋谷駅:何分
- 上野駅:何分
など、マンションの最寄り駅からターミナル駅の時間を大きく告知している物件広告を目にします。
もちろん、その都市(街・駅)を語る上で主要駅へのアクセスは大切です。
しかし 、それ以上に大切であり・資産価値に大きな影響を与えるのが、その駅から家までの距離は言うまでもありません。
人気ブランドに陰り・2極分化
昨年の住宅地の上昇率で著しかったのが、それまで人気のなかった城北・城東地域である荒川区西日暮里、江東区東陽、北区赤羽、足立区北千住など。
今までなんとなく、安っぽく思われていた地域にスポットが当たりました。
逆に、世田谷区などブランドのある街に関しては、
駅からバス利用地域に関しては、価値を見出すことができず新築マンションの販売スピード、売れにくくなってきているのも事実で、2極分化の様相が見られるのも事実です。
対談ではこんな話も
- 落合
多摩はわからないけど、リニア中央新幹線が開通すれば、品川から甲府まで25分ですよ。
25分というと、僕が通っているつくばより遥かに近い。
そうなったときに、甲府に間引かれた土地が増えると僕は嬉しいですけど。
広いと作品作りも研究もやりやすいので。 - 古市
リニアで25分って遠くない?
乗り降りと待ち時間を考えたら、もっとでしょ。 - 落合
25分は近いですよ。
俺はつくばに通うのに往復2時間かかるけど、つくばエクスプレスに乗っているあいだは作業してるから、遠いと感じたことはないかな。
満員電車には乗りたくないけど、座って作業できるなら全然苦にならないですね。 - 古市
僕は友達の家まで車で15分かかるだけでも遠いと感じるから、できれば仕事先から徒歩圏内に住みたいけどな。
2人の個性が出ている会話ですね。
お2人とも、時間の使い方に無駄がなさそうなので、非常に興味深い会話です。
駅選びは今後も重要な要素
ここ数年の不動産のトレンドとして見えているターミナルへのアクセスとしての城北・城東エリア。
資材高騰で新築マンションの建設する抑えられいるわけで、中古マンションも含め人気が集中していくでしょう。
これも需給バランスとして供給が追い付かなくなるのも時間の問題かもしれません。
となると、その周辺エリアへ人が流れていくイメージがありますが、それが
- 駅から徒歩10分異常のエリアになるのか?
- 隣の駅にスポットが当たるか?
それとも・・・。
会話の中で落合さんが
俺はつくばに通うのに往復2時間かかるけど、つくばエクスプレスに乗っているあいだは作業してるから、遠いと感じたことはないかな。
満員電車には乗りたくないけど、座って作業できるなら全然苦にならないですね。
ここのポイントになる要素で、同じ通勤時間2時間でも
- 座っていけるか?
- 立ったまま揺られていくか?
昔から、
- 急行・特急が止まる駅であるか?
- 始発駅であるか?
など、マンション・一軒家だけでなく、賃貸物件選びでも駅選びは重要な要素です。
住環境自体、3畳ワンルーム(3畳一間)が人気?!狭くても立地!狭小アパートで、話題にしましたが、自分自身の時間の使い方をベースに家選びが行わているのは事実です。
その意味で、通勤時間という時間という概念だけでなく、その質が問われるのも時間の問題かもしれませんね。