ヒートショックって何?
ヒートショックの具体的な対策を知りたい
補助金制度・費用対効果を知りたい
リフォームのポイントや注意点は?
マイホームを購入したり、長く住んでいる家をリフォームしたりと、住まいに関する悩みや希望は人それぞれです。
より快適に、そして安全に暮らせる空間を求めて、多くの方がリフォームや家づくりを検討しています。
壁紙や床の張り替え、キッチンやお風呂の改装、さらには間取りの変更など、リフォームの方法は多種多様です。
また、新築住宅では、自分のライフスタイルや家族構成に合わせた間取りや設備を選ぶことができます。
しかし、リフォームや家づくりを進める上で、忘れてはいけないのが、住まいの機能性です。
特に、日本の冬は寒さが厳しく、特に高齢者の方にとっては、温度差による健康被害が大きな問題となっています。
ヒートショックとは?
ヒートショックとは、急激な気温変化により体温調節が追いつかず、血圧が急激に変動することで、心臓や血管に大きな負担がかかる現象です。
特に冬場の浴室での入浴時に多く見られ、寒い脱衣所から熱い浴室への移動が原因で起こります。
この血圧の急激な変動により、脳内出血や心筋梗塞など、重大な健康リスクを引き起こすことがあります。
2024年12月6日には、歌手の中山美穂さんが自宅の浴室でヒートショックが原因とみられる不慮の事故で亡くなったこともニュースになりました。
*「事件性はなく、入浴中に起きた不慮の事故」と発表。捜査関係者は「入浴中に溺れて亡くなったということです」
厚生労働省の調査によると、高齢者を中心に「不慮の溺死及び溺水」による死亡者数は、交通事故死の約2倍にも上り、多くが冬季に発生しています。
また、ヒートショックに注意 死者数は約10年で1.5倍に増加というデータもあります。
*ちなみに、他のメディアでは、4倍としている所もあります。
【解説】ヒートショックに注意 死者数は約10年で1.5倍に増加、救急救命医に聞いた3つの対策https://t.co/H3lakBBX4U
◆対策1
温度設定は41℃以下にし、浴槽につかる時間は10分以内に。◆対策2
脱衣所には暖房機器を、設置湯船は蓋を開けて、蒸気で浴室を温める。◆対策3… pic.twitter.com/nHJuZKrFSt
— ライブドアニュース (@livedoornews) December 6, 2024
このような事故を防ぐためには、家族が協力して入浴習慣を見直し、安全対策を講じることが重要です。
ヒートショックから家族を守るために
そこで注目したいのが、ヒートショック対策リフォームです。
ヒートショックとは、暖かい室内から寒い場所へ急激に移動した際に、血圧が急上昇したり、脈拍数が急激に変化したりすることで起こる健康被害のことです。
特に、冬場の浴室でのヒートショックは、高齢者の死亡原因の一つとして挙げられています。
ヒートショックを防ぐためには、室温の差をできるだけ少なくすることが大切です。
そこで、今回は、ヒートショック対策リフォームについて詳しく解説していきます。
特に、国や自治体から支給される補助金についても詳しく紹介しますので、リフォームを検討されている方は、ぜひ参考にしてください。
ヒートショック対策リフォームの流れ
ステップ | 内容 | 備考 |
---|---|---|
1 | 事前調査 | 住居の現状を確認し、ヒートショックの原因となっている部分を特定。 |
2 | 計画立案 | どの部分をリフォームするか、必要な設備を選定。 |
3 | 見積もり作成 | 施工業者からリフォーム費用を見積もり、詳細なプランを提示。 |
4 | 施工準備 | 設備の手配、リフォーム日程を調整。 |
5 | 施工 | ヒートショック対策のための断熱工事や暖房設備の設置を実施。 |
6 | 施工後のチェック | 完成後、設備が正しく機能しているか確認。 |
7 | アフターケア | 完成後のメンテナンス、定期点検を行う。 |
ヒートショック対策リフォームを行うメリット”3選”
ヒートショック対策リフォームは、家の中の温度差を減らし、快適で健康的な生活環境を実現するための重要なステップです。
特に断熱材の追加や二重窓の設置、浴室暖房の導入により、室内の温度を一定に保つことができます。
冬場に外気との温度差で起こる血圧の急激な変動を抑制し、ヒートショックによる健康リスクを大幅に低減することが可能になります。
また、断熱改善は光熱費の節約にもつながり、経済的なメリットも享受できます。
このようなリフォームによって、特に高齢者や小さな子供がいる家庭では、安全で快適な日常生活が送れるようになります。
ヒートショック対策リフォームのメリット:1.健康リスクの軽減
ヒートショック対策リフォームによって、急激な温度変化を和らげ、血圧の大きな変動を防ぎます。
特に高齢者や心臓病のリスクがある方にとって重要で、浴室暖房の設置や断熱材の充実により、ヒートショックによる健康障害のリスクを著しく減少させることができます。
冬場の寒暖差による不快感を解消し、安全で快適な生活空間を提供します。
参考:政府広報オンライン:交通事故死の約2倍?!冬の入浴中の事故に要注意!
ヒートショック対策リフォームのメリット:2.エネルギーコストの削減
適切な断熱材の使用や二重窓の設置は、室内の熱が外に逃げるのを防ぎ、暖房費用を節約することができます。
冬場における暖房効率が向上し、光熱費の削減に直結します。
家計に優しいだけでなく、エネルギーの消費を減らすことで環境にも貢献することが可能になります。
ヒートショック対策リフォームのメリット:3.生活の快適性向上
ヒートショック対策リフォームを行うことで、家全体の快適性が向上します。
特に冬の寒い時期において、家の中の温度が均一に保たれるため、どの部屋にいても快適に過ごすことができます。
暖かい室内環境は、家族全員のストレス軽減にも繋がり、家での時間がより心地良いものになります。
ヒートショック対策リフォームを行うデメリット”3選”
ヒートショック対策リフォームは、寒暖差による健康リスクを軽減し、快適な生活環境を提供することができます。
しかし、すべてのリフォームには注意すべきデメリットも存在します。
例えば、初期費用の高さや工事期間中の不便さ、場合によっては十分な効果が得られない可能性もあります。
ヒートショック対策リフォームのデメリット:1.初期費用の高さ
ヒートショック対策リフォームを実施するためには、相応の費用がかかります。
断熱材の設置や浴室暖房の設置、二重窓の導入など、多くの設備投資が必要です。
特に、住宅の規模やリフォームの範囲によっては、予想以上のコストがかかることがあります。
これらの費用は、短期的には家計に負担をかける可能性があります。
ヒートショック対策リフォームのデメリット:2.工事期間中の不便
リフォームを行う際には、工事期間中の生活に影響が出ることがあります。
水回りの使用制限や、一部の部屋の使用停止などが発生するため、日常生活に支障をきたすこともあります。
特に、家族全員が住んでいる家庭では、工事中の不便さを解消するために代替案を考える必要があります。
ヒートショック対策リフォームのデメリット:3.効果が限定的な場合も
ヒートショック対策リフォームは、確実に効果が得られるとは限りません。
施工後も期待通りに室温が保たれない、または思ったほど快適さが向上しない場合もあります。
リフォームの内容や施工業者によっても差が出るため、事前に詳細な計画と見積もりを確認することが重要です。
ヒートショック対策リフォーム:おすすめリフォーム業者の選び
冬季に特に多く発生するヒートショック事故を防ぐためには、効果的な対策リフォームが重要です。
しかし、リフォームを行う際には、どの業者に依頼するかが成功のカギを握ります。
適切なリフォーム業者の選定は、安心してリフォームを進めるために欠かせません。
そこで、ヒートショック対策リフォーム会社・業者の選び方・見極め方として
- おすすめのリフォーム会社
- 一括見積もりサイト
- 全国対応のリフォーム会社
- 地場に強い地域密着店
- 利用者の口コミ評判
を紹介します。
ヒートショック対策リフォーム会社比較サイト【SUUMO(スーモ)リフォーム】
株式会社リクルートが運営するスーモカウンター(リフォーム)の中立な立場のアドバイザーがあなたにぴったりなリフォーム会社を無料で紹介してくれるサービスです。
- リフォームプランニングサポート
自宅の現状を聞き、どのようにリフォームを計画するのがいいのかをアドバイス - リフォーム費用情報サポート
アドバイザーがあなたの希望の外構リフォームをお聞きして、 リフォーム費用情報等を調査・紹介。
社名 | 株式会社リクルート |
---|---|
創業 | 2012年 10月1日 株式会社リクルートホールディングス設立時の分社化により設立 2018年 4月1日 株式会社リクルートに商号変更 |
本社所在地 | 〒100-6640 東京都千代田区丸の内1-9-2 グラントウキョウサウスタワー |
役員 | 代表取締役社長 北村 吉弘 |
公式サイト | URL:https://reform.suumocounter.jp/ |
ヒートショック対策リフォーム会社比較サイト【タウンライフリフォーム】
全国300社以上のリフォーム会社があなたの要望や希望に基づいて、リフォーム費用の見積もりやリフォームのアドバイス対応を無料でご提案するサービスです
提案力が特徴!
発想を自由に膨らませてより良いプロのアイデアを盛り込むことが可能
- 外構リフォームアドバイス・アイデア
- リフォーム無料見積もり(費用確認)
- リフォームプランニング
商号 | タウンライフ株式会社 |
---|---|
設立 | 2003年9月25日 |
代表取締役社長 | 笹沢竜市 |
所在地(本社) | 〒163-1440 東京都新宿区西新宿3丁目20番2号 東京オペラシティタワー40階 アクセス:京王新線「初台駅」東口直結 |
公式サイト | https://www.town-life.jp/ |
ヒートショック対策リフォーム会社比較サイト【リショップナビ】
全国の優良おすすめリフォーム会社から金額の公開されたリフォームプランや事例を厳選して比較することが可能
- 復数の審査項目をクリアした優良な外構リフォーム会社
- 専門のスタッフがヒアリング後、リフォーム会社をマッチング
- リフォーム会社情報やリフォーム事例など情報満載
社名 | 株式会社じげん (ZIGExN Co., Ltd.) |
---|---|
所在地 | 〒105-0001 東京都港区虎ノ門3-4-8 |
代表者氏名 | 代表取締役 社長執行役員 CEO 平尾 丈 |
設立年月日 | 2006年6月1日 | 公式サイト | https://zigexn.co.jp/ |
ヒートショック対策のリフォーム箇所
ヒートショックを防ぐためのリフォームでは、特に重要となるのが浴室やトイレなどの水回りの改善です。
急激な温度差による血圧の変動を防ぐため、適切な温度調整ができる設備や、断熱性の高い素材の導入が求められます。
ヒートショックリフォーム箇所:浴室・浴室暖房
浴室は、冬場に特に温度差が大きくなる場所です。
浴室暖房機を設置することで、寒い季節にも快適な温度を保ち、ヒートショックを防げます。
断熱材の追加により、壁や天井からの熱の流出を防ぎ、効率的に温かさを保持できます。
換気扇の交換も重要で、湿気やカビの発生を抑え、健康的な空間作りに寄与します。
ユニットバスへのリフォームも有効で、断熱性や保温性が高く、冬場でも暖かく使えるようになります。
さらに、パネルヒーターや遠赤外線ヒーターを取り入れることで、全体的に温かい空間を実現できます。
ヒートショックリフォーム箇所:洗面所
洗面所は、特に朝晩の寒暖差が大きく、ヒートショックを引き起こしやすい場所です。
暖房器具を設置することで、急激な温度差を緩和し、体への負担を軽減できます。
床暖房を設置することで、足元から温まるため、寒さを感じることなく快適に過ごせます。
また、洗面所の壁や床に断熱材を追加することで、外部からの冷気を遮断し、室内温度を安定させることができます。
ヒートショックリフォーム箇所:トイレ
トイレも温度差が大きく、特に冬場に冷え込みが激しいため、ヒートショックのリスクがあります。
暖房便座を設置することで、座る際に感じる冷たさを和らげ、快適に使用できます。
また、床暖房を設置することで、足元から温かさを感じることができ、トイレに入る際の寒さを軽減できます。
さらに、断熱材の追加により、外からの冷気を遮断し、トイレ内の温度を安定させることができます。
ヒートショックリフォーム箇所:廊下
廊下も温度差が大きくなる場所です。床暖房を設置することで、足元から温まることができ、冬場でも快適に移動することができます。
さらに、断熱材を追加することで、廊下が冷えにくくなり、室内全体の温度が安定します。
廊下は他の部屋への通路でもあるため、全体的に温かい空間を作ることがヒートショック対策として有効です。
特に夜間や早朝に廊下を通る際に温度差を感じにくくなり、健康へのリスクを減らします。
ヒートショックリフォーム箇所:窓・二重窓
窓は、外気温との温度差が直接影響する場所です。
内窓の設置により、断熱効果を高め、外部からの冷気を遮断します。
室内の温度を安定させ、ヒートショックを防ぐことができます。
断熱サッシへの交換や断熱フィルムを貼ることでも、さらに効果が増します。
樹脂サッシやアルミサッシなど、断熱性能の高いサッシを使用することで、窓からの熱の流出を防ぎ、室内の温度を保つことができます。
二重窓を取り入れることで、外部の音や気温を効果的に遮断し、より快適な室内環境を提供します。
ヒートショック対策リフォームに活用できる補助金
ヒートショック対策リフォームは、住環境を改善し、高齢者の健康を守るために重要です。
しかし、リフォームには一定のコストがかかるため、補助金を活用することが効果的です。
特に、ヒートショック対策に関連した設備や断熱リフォームには、自治体や国からの補助金が提供されている場合があります。
これらの補助金を活用することで、負担を軽減し、より快適で安全な生活環境を実現することができます。
既存住宅の断熱リフォーム支援事業【全国対象】
「既存住宅の断熱リフォーム支援事業」は、環境省(公益財団法人北海道環境財団)が提供する補助金で、全国の住宅に対して断熱改修を支援することを目的としています。
具体的には、断熱材、窓、ガラスなどを組み合わせて住宅全体の断熱性能を向上させる「トータル断熱」や、特定の部屋、例えば居間だけの断熱改修「居間だけ断熱」が対象となります。
・断熱材、窓、ガラスを組み合わせて断熱改修 ⇒ トータル断熱
・窓を用い、居間をメインに断熱改修 ⇒ 居間だけ断熱
補助対象経費の1/3以内
戸建住宅:120万円/戸(玄関ドア5万円を含む)
集合住宅:15万円/戸(玄関ドアも改修する場合は上限20万円/戸)
次世代省エネ建材実証支援事業
「次世代省エネ建材実証支援事業」は、環境省が実施する支援事業で、戸建住宅のネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)化を促進することを目的としています。
この事業では、脱炭素化とヒートショック対策を同時に実現するための建材や技術を導入することが支援されます。
具体的には、高効率な断熱材や、省エネ効果の高い設備を導入することで、エネルギー消費を削減し、温度差の激しい住宅環境を改善します。
外張り断熱(外断)
外張り断熱工法等で住宅の外壁等を改修する方法
・補助率:補助対象経費の1/2 以内
・補助金の上限額:1~4地域:400 万円/戸・5~8地域:300 万円/戸
内張り断熱(内断)
室内側から断熱パネルや潜熱蓄熱建材等を用いて改修する方法
・補助率:補助対象経費の1/2 以内
・補助金の上限額:戸建:200 万円/戸・集合:125 万円/戸
窓断熱(窓断)
全ての窓を外窓を用いて改修する方法
・補助金の上限額:150 万円/戸
・補助率:補助対象経費の1/2 以内
各自治体の補助金・助成金
各自治体では、地域ごとの特徴に応じた補助金や助成金制度を提供しています。
住環境の改善や省エネ化、耐震化など、多岐にわたる分野にわたります。
自治体ごとの補助金制度を活用することで、個々の住宅や地域に最適なリフォームや改善が可能となり、より快適で安全な住環境の実現が期待されます。
住宅設備改善費補助(ヒートショック対策):東京都
高齢者や子育て世帯等が安心して入居できる専用住宅の供給促進を図るため、住宅設備の改善工事を行う貸主に対し、都が当該費用の一部を直接補助
ヒートショック対策設備の設置
(例:温水洗浄便座の設置)
○補 助 率:補助対象工事費の1/2
○補助上限額:1棟当たり新規登録住戸×50万円
○事業規模:300戸
ヒートショック対策リフォーム:よくある質問
ヒートショック対策リフォームについて疑問・悩み・不安においてよくある質問・Q&Aを紹介します。
よくある質問詳細はコチラヒートショック対策リフォーム:記事まとめ
ヒートショック対策リフォームは、特に冬季における寒暖差による体調不良を防ぐために重要です。
浴室や洗面所、トイレ、廊下など、家の各部位において効果的な対策を講じることで、安全で快適な住環境を作ることができます。
リフォームには、断熱材の追加や暖房機器の設置などがあり、これらの対策はヒートショックの予防に大きな効果をもたらします。
また、補助金や助成金を活用することで、コスト負担を軽減できる場合もあります。
業者選びの際は、実績や技術力、アフターサービスの充実度などを確認することが大切です。
ヒートショック対策リフォームを実施することで、健康リスクを減らし、家全体の快適さを向上させることができます。
元メガバンク融資課出身、バブル時代に不動産コンサルティングに従事し、2000年、会社設立後、底地ビジネス・事務所の立ち退き裁判等も経験した宅建士と共に立ち上げ、現在、不動産にまつわるサービスの紹介、口コミ・筆者の感想を加え紹介しています。