マンション建て替えリスク
古いマンションの場合、
そのマンションの建て替えが決定すれば、区分所有者として建て替えた後も住む権利がありますから多少の建築コスト・建設期間があっても新しいマンションに生まれ変わります。
何となく、棚からぼたもち的なラッキーな出来事に聞こえるかもしれません。
しかし 、建て替えが実現するまでのハードルが高く、
さらに隠れたリスク(建て替え費用)・マンション建て替えリスクもあります。
この隠れたリスクは、マンションの住民の対立・意識を二分させ、隠れた対立構造を生みます。
さらに最悪の場合、身の破滅までを引き起こしかねません。
今回は、そのマンション建て替えリスクについて紹介したいと思います。
マンション建て替えのメリット
マンションの建て替えは、
最新の安全基準に基づいて建築されるため、地震などの災害に対する耐震性が向上し、最新の防災設備の導入により住民の安全が確保されます。
さらに、環境に優しい建材や設備の使用、エネルギー効率の高い設計により、CO2排出量の削減やエネルギー消費の抑制が実現し、環境性能が大きく向上します。
生活機能も格段にアップグレードされ、最新のキッチンやバスルームの設備、充実した共用施設などを享受できるようになり、住民の生活の質が向上します。
また、新しい共用スペースの設置や新たな住民の流入により、コミュニティが再生・活性化し、人々のつながりが深まる可能性があります。
新築マンションとしての資産価値が上昇し、周辺地域の魅力も向上することで、長期的な投資としての価値も高まります。
本来は、古くなったマンションが構造を含めて新しくなることはいいことですが、実際、そんなにうまく話が進むものではなりません。
マンション建て替えリスクとは?
このサイトでは、これまで、
- マンションの寿命は、耐用年数とは関係なく、50年、80年、100年持っておかしくない。
- 古いマンションを購入してリノベーションすれば安く、いい立地に住める。
など紹介しました。
- 管理状態
- 修繕積立金の集金状態
- 大規模修繕工事:計画の有無
などの判断・見極めあってのものです。
ただ、建て替えという話・噂のあるマンションの場合、そのメリット・リスクを無視できません。
マンション建て替えリスク:決議
都心では、老朽化したマンションの建て替えの話が一部であがっています。
都や区が介入する形で建て替えを促している場合もありますが実際にはそううまく物事が進んでいません。
マンション建て替えに関しては、
建替え決議として区分所有法の規定で区分所有者数と議決権の5分の4以上の賛成と定められているため、まず、そのハードルを越える必要があります。
しかし 、実際のところ、ゴネル住民もいますし、高齢者は次住む場所の確保の容易ではないため、簡単に賛成しません。
【2021.12.12追記】
政府は分譲マンションの建て替え条件を緩和する検討に入るという。
所有者の賛同割合の引き下げなどを柱に区分所有法の改正をめざすとして建て替えやすくして老朽化マンションの増加に歯止めをかけるのが狙い。
2022年度にも法制審議会(法相の諮問機関)に諮問ということで、建て替えに必要な賛同を現在の「5分の4」から、共用部の変更や管理組合法人の解散などを決める場合と同じ「4分の3」かそれ以下に引き下げる内容を軸とするとしているようです。
また、相続などを経て連絡がつかなくなった「所有者不明」の区分所有者は一定の条件下で意思決定から除外する案も議論するらしい。
建て替えに関して、5分の4から4分の3にすればいいという問題ではないような気もしています。
デベロッパーからすれば建て替えすることがビジネス。
そのために管理組合に手を回す業者。
倒壊の可能性があるのであれば即手を打たないといけないが、老朽化=住めないマンションでもない。
容積率の緩和とセットになるだろうし、立ち退きと資産計算、どこまで問題解決に突っ込むか注目です
マンション建て替えリスク:時期は未定
さらに5分の4以上の賛成で決議されたからといって、即解体・建替えという流れにはなりません。
あくまでも方向性が決まっただけであって、そこに強制力はありません。
そのため具体的な事業・建て替え計画に向けて全ての住民の同意を取らなくてはなりません。
- 建て替えのための退去の交渉、立ち退き・買取交渉
- 建て替え後に、新しくなったマンションに住む意思があるか?その間の保障など
住民が全て退去に同意しない以上、建て替えは実現できませんので、
建て替えの決議が通っても、建て替え時期は未定ですし、場合によっては建て替え自体、頓挫する場合さえあります。
具体的に、
- 建て替えの経済的リスク
- 法的・制度的なリスク
- 技術的リスク
- コミュニケーションのリスク
- 環境的リスク
などの建て替えリスクを挙げてみました。
マンション建て替えリスク:経済的リスク
マンションの建て替えを検討する際、最も重要な要因の一つが経済的リスクです。
このリスクは、主に資金調達の問題点、予算超過のリスク、資産価値の変動の3つの要素から成り立っています。
マンション建て替え:法的・制度的なリスク
マンションの建て替えを進める際、経済的リスクだけでなく、法的・制度的なリスクも大きな障壁となり得ます。
特に、建築基準法や都市計画法の変更、手続きの複雑さ、そして所有者間の合意形成の難しさが主な要因として挙げられます。
以上の3つの要素を考慮すると、マンションの建て替えは単なる建築プロジェクト以上の複雑さを持っています。
法的・制度的なリスクを適切に管理し、スムーズな建て替えを実現するためには、専門家との連携や十分な情報収集が不可欠です。
技術的リスク
マンションの建て替えにおいて、技術的リスクは避けられない要素となっています。
新しい建築技術の導入、既存の基礎や構造の問題、そして災害リスクへの対応が主な懸念点として挙げられます。
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コミュニケーションのリスク
マンションの建て替えを進める過程で、技術や経済面だけでなく、人間関係に起因するコミュニケーションのリスクも大きな障壁となり得ます。
住民間の意見の対立、情報の非透明性、そして専門家とのコミュニケーションギャップが主な懸念点として挙げられます。
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環境的リスク
マンションの建て替えにおいて、環境的リスクは近年の持続可能な社会を目指す中で、より重要な要因として認識されています。
建て替えによる環境への影響や、建材の選択とサステナビリティが主な焦点となります。
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新築マンション建て替え後のリスク
新築マンションの建て替えが完了した後も、新しい生活環境に伴う様々なリスクが存在します。
特に、新しいマンションの管理体制や、住民の移住・生活スタイルの変化が主な課題として挙げられます。
-
新しいマンションの管理体制
建て替えによって新しいマンションが完成した際、その管理体制の構築は重要なステップとなります。
特に、新しい設備やシステムの導入に伴い、「ビルディングマネジメントシステム(BMS)」や「セキュリティシステム」の運用・管理が求められます。
これらのシステムは専門的な知識や技術を要するため、適切な「マンション管理会社」の選定や、住民向けの研修・啓発活動が必要となります。
また、新しい管理体制の下での「管理組合」の運営も課題となります。組合の運営ルールや役員の選出、予算の策定など、新しい体制でのスムーズな運営を目指すための取り組みが求められます。
-
住民の移住や生活スタイルの変化
建て替えに伴い、一時的に他の場所へ移住する住民も少なくありません。
このような移住は、住民の生活リズムやコミュニティの形成に影響を及ぼす可能性があります。
特に、長期間の移住が必要となる場合、住民間のコミュニケーションの途絶やコミュニティの分断が生じるリスクが考えられます。
さらに、新しいマンションに移住した後も、生活スタイルの変化や新しい環境への適応が課題となります。
例えば、新しい設備やシステムの操作方法、共用部分の利用ルールなど、住民にとって新しい生活様式の導入が求められます。
建て替え後のリスクは、新しい生活環境の中での適応やコミュニティの再構築など、人間関係や生活スタイルの変化に起因するものが多いです。
これらのリスクを最小限に抑えるためには、住民同士のコミュニケーションの促進や、適切な情報提供・サポート体制の構築が不可欠です。
マンション建て替えの隠れたリスク
マンション建て替えに関して、
建て替えを提案する不動産会社・デベロッパーは慈善事業で行っているわけではありません。
ビジネスですから、
その提案内容によっては、住民の負担が大きい場合も少なくありません。
それが、区分所有者の立て替え費用捻出です。
区分所有者は、タダで建て替えられたマンションに住む権利を有するものではありません。
マンション建て替えにおいて、
マンションデベロッパーから、区分所有者の立て替え時の費用は、近隣相場(5,000万円)の半額以下(2,500万円)と提示された場合であっても、
- 相場の半額で新しいマンションに建て替えられると考える人
- 2500万円の費用・出費と感じる人
この受け取り方の相違が生まれます。
- 1日も早く新しいマンションに住みたい
- 建て替えを行った後、5,000万円で売却したい
- 住宅ローンがまだ残っているのに新たに2,500万円の住宅ローンを組みたくない。
- 年齢が年齢なのでローンが組めない可能性もある。
区分所有者数と議決権の5分の4以上が賛成が集まらない理由はそこにもあります。
さらに厄介なのが、
不動産会社・デベロッパーからの買取に関しての資産評価です。
マンションの建替えが決定した後、
建替えに拒否している区分所有に対して、デベロッパーが買取を提示する場合です。
当たり前ですが、築40年のマンションであれば、築40年としてとしての建物の評価になります。
状況が状況なので多少色を付けてくれますが、それでも納得できない人がいます。
築30年・40年などの中古マンションを安く購入し、1,000万円かけてリノベーションを行った人です。
築40年のマンションをリノベーションしていたとしても、デベロッパーから提示される買取価格には反映されません。
区分所有者は、住宅ローンとリノベーション費用をプラスして借入していた場合、
- 住宅ローンが完済できない(抵当権抹消できない)
- 建て替えの賛同するにしても、さらに住宅ローンの借入が可能なのか?
最悪な結末が待っている場合があります。
リノベーション済みマンションとして売却した場合、5,000万円の査定額であったとしても、
建て替えにおける買取価格は4,000万円にも満たないのが事実です。
もちろん、交渉によってお互いの意見を出し合い、最終的な決着を見出すわけですが、交渉力とメンタルの強い人でない限りに泣き寝入りしてしまうでしょう。
そもそも5,000万円で買い取ってもらうためには、最後の最後まで粘って相手の妥協がない限り実現しません。
とはいえ、相手は立ち退きのプロです。
マンション建て替えリスクを考えたマンション購入
古いマンションは、
- 安く購入できる
- リノベーション・リフォームで間取り・最新設備に変身
になるわけですから、マンション選び次第でお買い得物件はいくらでもあります。
しかしながら、建て替えの話は上記のようなリスクがはらみます。
よって、古いマンションを購入にあたって
- 建て替えの思惑をプラスに変えられるか?
- 建て替えリスクを回避するか?
この2つの項目を注意したいところです。
容積率
マンション建て替えメリットの享受として、容積率は大きなポイントです。
容積率は、敷地面積に対する延べ面積の割合です。
マンションを何階まで建てることができるのか?
これです。
この容積率が、マンション建て替えの有利不利に大きく左右します。
古いマンショが7階建て。
仮に建て替えると12階まで建てられるとなれば、
5階分、高くマンションが建つということになります。
土地の広さが同じでも、
時間・時代が経過し当初低く建設されていたり、マンションの高さ制限が当時と変わっていれば、今以上に高いマンションを建設可能となります。
このようなマンションの建て替えの場合、
デベロッパーは、区分所有者へかなり有利な提案が可能となります。
区分所有者への建て替え費用の減額、引越し費用負担プラスアルファまで提示できるでしょう。
逆に、
6階建てが6階建てにしかならない時は、厳しい建て替え費用捻出を提示されることでしょう。
自治体の容積率緩和
国・都・区など自治体も耐震性不足など老朽化したマンションの建て替えを積極的ではなくとも無視はできないため、容積率の緩和を打ち出しています。
よって、マンションデベロッパーや大手不動産会社も、収益性が高いマンションを再建できるわけですが、
劇的に戸数が変わるような立地の老朽化マンションは少ないのが現状です。
中規模のマンションでは、そこまで大きく変わることなく、さらにそこで立ち退き交渉がスムーズにいかないリスクもあります。
そこにプラスし都心の不動産価格の高値推移から、不動産会社(デベロッパー)が老朽化マンションへの提案が慎重になっています。
実際にあった話・体験談
最近、リノベーションしたマンションの建て替えの話を聞きました。
登記簿を見ると昨年購入しリノベーション費用と併せて5000万円。
ペアローンで住宅ローンを組んでいました。
しかし、そのマンションの建て替え費用として、その部屋の資産価値は3000万円。
築40年を超えたマンションだけに、
この夫婦は、それもあり、4,800万円で中古マンションとして売りに出しているという。
一見、室内のきれいなリノベーション済みマンションだけに、お得に見えるが、建て替えとなれば、3,000万円程度のプラスアルファが必要となる見込みだという。
その地域の相場が7,500万円程度なので、正直、購入する価値のない物件と言える。
リノベーションに1,000万円以上かけてしまったことで、逃げ道を失った結果となった。
この現状から、建て替えに関わるデベロッパーと協議する形になるようだが、かなり厳しい現実も見え隠れしているのも事実。
・マンションの建て替えリスク
・分譲マンションの建て替えは少ない
・築50年マンションは将来建て替え
・建て替え間近の中古マンション購入は損
意外と面白い物件とは言えないということです。
よくある質問
マンションの建て替えを検討する際、築年数だけが決定的な要因ではありません。
しかし、築年数は建て替えを考慮する一因として重要です。以下は、マンション建て替えを検討する際の主な要因となるポイントです:
耐用年数と劣化状況 |
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耐震性 |
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経済的な要因 |
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住民の合意 |
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都市計画や法的制約 |
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周辺環境の変化 |
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マンション建て替え:まとめ
マンション建て替えの話によって、
急激にマンション価値が高まる・売却需要が高まるマンションもありますが、メリットがある反面、大きなリスクも見えてきました。
建て替えの話が出るまでは平和な暮らしが送れていたものの、建て替えの話によって住民が二分され、さらに建て替え費用の捻出が大きな足かせとなれば、マンション価値を左右しかねません。
今、住んでいるマンションが、どのような立ち位置にあるのか?
- 古いマンションに住んでいる人
- 古いマンションを購入した人
時間がある時に確認してみるといいですね。
また、今後の動きや展望を不動産会社に相談するのもいいでしょうね。
場合によっては早めに売却し、買い替えるという判断も必要でしょう。
家の査定は、
不動産会社選びがポイントです。
特に、重要なことは、
- 家を高く売る方法はあるのか?
- 高額売却を実現するにはどうすればいいのか?
先に結論を言えば、
- 明確な売却プランをもって売却活動を行っている不動産会社
- 査定額以上に高ってくれる不動産会社
この2つです。
その営業エリアの社員が担当営業マンになりますが、
・新人なのか?
・有能なベテラン社員なのか?
会ってみるまで分かりません。
要するに、当たりハズレが発生します。
印象のいい担当者なら大丈夫というものでもありません。
・家が高く売れない!
・早く売れない!
これら口コミを目にしますが、その象徴です。
そこで、不動産売却エージェントの力を借り、綿密な計画を立てたいところです。
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- 不動産の価値を確認・市場調査
- 売却プラン・戦略の策定
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ただ売るのではなく、購入後のイメージ・メリットを買主へ提案まで気をつかい、希望価格を上回る売却の実現を目指します。
売却方法にも特徴
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関西 | 大阪府、兵庫県、京都府、滋賀県 奈良県、和歌山県 |
中国 四国 |
鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県 香川県、徳島県、愛媛県、高知県 |
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法的・制度的なリスク:建築基準法や都市計画法の変更
マンションの建て替えには、多くの法律や条例が関与します。
中でも「建築基準法」や「都市計画法」は、建て替えの許可基準や条件を定める重要な法律です。
これらの法律は、都市の発展や社会の変化に伴い、時折改正されることがあります。
例えば、防災基準の強化や、環境対策としての「緑化率」の要件強化などが考えられます。これらの変更により、既存の計画が通用しなくなるリスクが存在します。