マンション 寿命
【加筆】
中古マンションが5ヵ月連続で上昇 築46年でも“億ション” というニュースを見ました。
中古マンションの平均価格は、首都圏で4305万円となり5ヵ月連続の上昇となりました。
これまで販売の中心は、築10~20年といった物件でしたが、最近は築50年以上の物件も売れていて、いわゆる“億ション”も誕生しているとのことです。
以前、野村不動産のリノベーション事業を紹介しました。
野村不動産が築35年のマンションをリノベーションして、近隣の高級新築マンション並みの価格(坪単価650万円)で販売する、リノベーション事業を本格的にはじめるというもの。
今回のニュースは、
地上14階建ての11階と高層階に位置し、窓からは東京スカイツリー、上野恩賜公園が一望できる点も魅力。
もともと押し入れだった空間は、作業机を備えた小部屋に改造しテレワーク需要に対応しました。
価格は9980万円と高額ですが、需要はあると見込んでいます。
とのこと。
ひと昔前は、築30年は古い(30年に前に売却)、築50年の集合住宅は考えられないというイメージでしたが、
そのイメージも徐々に打破されていきそうです。
マンションの建て替えは「区分所有者数の5分の4以上」かつ「議決権の5分の4以上」の賛成が必要ですから、かなりのハードルですし・・・。
【追記:終】
- 築50年のマンション時代が来るかもしれない・・・。
- 築25年のマンションを安く買い叩いてリフォームしたほうがお得なのでは?
など、最後まで読んでいただき、参考にしてもらえればと思います。
マンション寿命 何年過ぎたら、注意すればいい?
- 築30年のマンションのイメージは古い?
- 築30年のマンションはあぶない?
今でも、それらのイメージが強いと思います。
しかし 、これからその考え方は変わるように思います。
特に都心は、開発できる土地が減ってきています。
また、建て替えは一人二人の意向で実現するものではありません。
と考えたとき、古いマンションの耐久性や寿命は大丈夫なのか?
気になるところです。
そこで、今回の記事は、マンションの寿命・耐久年数について深堀り・解説します。
それでは、詳しく確認していきましょう。
マンションの寿命ってどれくらい? 法定耐用年数(47年)を超えるとどうなる? 減価償却って?
不動産・マンションを語る上で、専門的な用語として”法定耐用年数”というものがあります。
建物の耐用年数は以下です。
構造・用途 | 耐用年数 (賃貸用) |
---|---|
木造 | 22年 |
木骨モルタル造 | 20年 |
鉄骨鉄筋コンクリート造 鉄筋コンクリート造 |
47年 |
れんが造・石造・ブロック造 | 38 |
耐用年数は減価償却のために定められた年数のことを言うもので、会計上、税務申告・確定申告時の費用計上するための法律で定められた計算期間みたいなものです。
なので、マンションや家だけでなく、様々なものに耐用年数は設定されています。
身近なもので
- パソコンの耐用年数は4年
- ベッドの耐用年数は8年
- テレビの耐用年数は5年
などにも設定されています。
耐用年数は家・マンションの寿命ではない
ただ、この耐用年数はあくまでも、
不動産投資など収益を得ている人の経費・費用計上に関わるもので、
自宅として居住している人には関係ありません。
じゃぁ、家の寿命はどうなってるの?
パソコンだってテレビだって、使おうと思えばずっと使えます。
壊れたら修理をすれば、また、使えるようになります。
マンションの寿命に関する国土交通省の見解 100年以上の中古マンション
マンションの寿命を国土交通省が出している資料がありました。
実際の建物の減耗度調査のうえ、建物の減耗度と実際の使用年数との関係から、鉄筋コンクリ-ト造建物の物理的寿命を117年と推定。
飯塚裕(1979)「建築の維持管理」鹿島出版会
参考:国土交通省
平均寿命を大きく上回る、物理的寿命を117年ということは、マンションは一生ものと言えなくはありません。
海外では、200年・300年の家はたくさんあります。
別に名のあるお屋敷というわけではありません。
故障すれば修理、劣化すれば一新し、長い時間をかけ、定期的にメンテナンスを施しながら、家を育てて価値を高めていく、
代々受け継ぐのが家へのあり方でもあります。
*日本は建てては取り壊し、スクラップアンドビルド(スクラップ&ビルド)
*海外では、チェック・リフォーム・リノベマンションしながら上手に付き合う:ストックアンドリノベーション(ストック&リノベーション)
日本の場合、地震のリスクが・・・ 建物の構造・建て替え・売却のサイクル
海外と日本の大きさ違いは、やはり地震のリスクでしょう。
ただ、1981年に建築基準法が改正され、新耐震基準が設けられました。
これにより耐震性能の高い建物が義務付けられたため、震度6・7レベルの大規模地震においても倒壊、崩壊しないとされています。
もちろん破損はするでしょうし、倒壊はしないけど住める状態ではなくなるかもしれません。
しかし 、1981年以降の物件であれば、それなりに安心・保障されていると考えていいでしょう。
付け加えれば、制振構造・免震構造のマンションを選ぶことでよりリスク軽減とも言えるでしょう。
マンションの寿命が80年だとすると・・・ 修繕とメンテナンス・リフォームを解説
国土交通省の推定寿命”117年”を百歩譲って100年、千歩譲って80年だとしても、築30年なんてまだまだ若い!とも言えなくもありません。
その時代の最先端のものだとしても今では・・・
- 古い
- 汚い
- 設備の老朽化
- 間取りが狭い・おかしい
など、というものは事実です。
しかし 、固定観念が強すぎるのも現実ではないでしょうか?
今どうでしょう?
そろそろ、不動産を柔軟に考える時期に来ているのかもしれません。
今回の場合、
マンションの構造的に、安全性が担保されているということであれば、
リフォームを検討すれば、
- 室内をきれいにできます
- 設備を一新できます
- 間取りを変えることができます
大掛かりでなく、居住しながら小さくリフォームしていくことも可能です。
修繕工事・リノベマンションなどメンテナンスも重要となります。
問題は大規模修繕工事・マンション管理 外壁・配管・共用部
築年数は、ある程度融通が利くようになっていくかもしれません。
しかし、物件の構造は、マンションによって様々です。
- 小規模な修繕工事を重ねていたマンション
- 大規模修繕工事のみのマンション
では、構造部分の瑕疵は変わってくるでしょう。
価値のあるマンションとないマンションを左右するのがこの部分でしょう。
コンクリートのヒビから水が入り、構造部分である鉄骨の強度が落ちているかもしれません。
配管も時代と共に、必ず劣化していきます。
また、1回目の大規模修繕工事より2回目の大規模修繕工事の方が金銭的な負担がかかります。
50年・60年過ぎれば、3回目、4回目と繰り返されていきます。
修繕積立金が上手に積みあがっていけるか?
この辺りが大きなポイントとなります。
マンション居住者の意思がバラバラになれば、廃墟の道をたどる可能性すらありますのでご注意を。
築20年・30年のマンションを購入するなら 購入費用・リスク計算・チェックすべきポイント
となれば、今、なんとなく嫌われがちな築20年・30年のマンションは十分そのターゲットとなるでしょう。
新耐震基準の1981年(昭和56)以降の物件ならOK(寿命関係なし)ということを視野に入れる時代がきてもおかしくありません。
同じ地域の新築マンションの半分以下で購入が可能です。
新築相場5000万の地域の築25年の物件を値切って2000万円で購入できるケースもありますし、
そこにリフォームに300万円掛けるという選択肢はアリだと思います。
リフォームとなれば、
- 自分のイメージする家にアレンジが可能です。
- 最先端の機器や設備を入れることもできます。
半額の金額でマンションを持つことができれば御の字でしょう。
立地や永住を考える
ただ、頭に入れておかないといけないことがいくつかあります。
- 物件選び
- 立地
です。
マンションの寿命はあくまでも1つの考えにすぎません。
30年を超える健全なマンションがある反面
5年過ぎた時点で、修繕積立金不足の問題が浮き上がるマンションも多くあり、問題となっています。
そのため、
当たり前と思われるかもしれませんが、物件選びをおろそかにできません。
資産価値が下がらない物件選びのポイント 将来を左右する見極め
新築や築浅のマンションとは違いますので、
- そのマンションがどのように管理されているのか?
- 現状、どのような問題を抱えているのか?
に見なくてはいけません。
もちろん、完璧な管理状況に越したことはありませんが、多少の不具合が起きていることもあるでしょう。
その線引きをしっかりし見極めることは古いマンションだからこそ、必須と言えるでしょう。
また、老後のことを考えて、エレベーターがないといけないなど長い目を見た生活スタイルをイメージしたいところです。
価値が下がらない・下がりにくい立地を探す方法
立地もここで詳しく言う必要はないかもしれません。
ただ、長い間この地で暮らすことをベースに購入しますので、
- 坂が多い
- 階段を通らないといけない
- スーパーまで遠い
- 病院や公共施設が遠い
- 駅まで遠い
など、現状のライフスタイル、老後のライフスタイル両面から物件選択同様に考えたいところです。
価値が下がりにくい立地を探す方法は無視できません。
マンション(集合住宅・不動産)の平均寿命:記事まとめ
家の寿命は、管理の状況・立地によっても変わりますが、自己責任なので判断が難しいかもしれません。
とはいえ、マンションの平均寿命は長くなっているのは事実です。
築30年を過ぎても、多くの人が住み続ける選択をしていますし、終の棲家になりうるのは間違いないでしょう。
不動産会社と言っても
- 不動産開発会社(デベロッパー)
- 不動産販売代理会社
- 不動産仲介会社(賃貸)
- 不動産管理会社
などありますが、
壊しては開発の循環で成り立っています。
よって長い間、開発が滞ることは許されません。
それでなくても、日本の人口は減少傾向、首都圏に人口集中傾向ということで、商圏が小さくなっている状況を考えると、このあたりの企業側のイメージ戦略も起こるでしょうね。
戦後、急速に発展した日本では都心部に人が住めなくなり、郊外に居住できるベットタウン・衛星都市を作りました。
その時代、その時代、トレンドが変わりますが、
長寿国日本、今後も平均寿命が延びていく傾向から、早めに資産を形成する流れは起きそうですし、そうなると築年数の考え方・リフォームの考え方が変わってくるかもしれませんね。
ちなみに、賃貸運用・不動産投資には、古いマンションは向きません。
あくまでも、居住用としての話になりますのであしからず。