マンションを売る時、その売り方はいろいろあります。
その中の1つが、今回紹介するオープンルーム(オープンハウス)です。
一般的な決まった時間にお客様が来る内覧の場合、希望が同じ時間に被ってしまうと時間の調整が必要となります。
オープンルームは、お部屋を開放し自由に出入りできるようにで、時間の被りなどの制限がなく多くの人に部屋を見てもらうことが可能となります。
今回は、そのオープンルームについて、メリット・成功のポイント、その準備を紹介します。
オープンルームとは
オープンルームとは、冒頭でも軽く紹介しましたが、
土日祝日など決まった日の特定の時間(2月1日:11:00~16:00など)にマンションを解放し、誰でも予約の必要なく、直接部屋を見学してもらう売却方法です。
部屋には、不動産の営業さんが常駐で、随時、お客様対応してもらうものです。
*オートロックのマンションなどの解除も含め
オープンルームの特徴は、
自由に出入りできることでお客様に気軽に来てもらえ、他のお客様もいることで競合意識も生まれ即契約ということもあり、効果的な販売方法でもあります。
オープンルームのメリット
オープンルームのメリットは
- たくさんの人に見学してもらえる
- 成約しやすい
- 希望価格で売却しやすい(値引きの必要がない)
- 営業マンの資質・能力を確認できる
たくさんの人の見学
オープンルームに限らず、
マンション売却をスピーディに進めるためには、多くの人に内覧してもらうことです。
その観点から、オープンルームが効果的な販売方法と言われる理由は、
- マンションを購入したい人
- 買い替えを検討している人
だけでなく、
今の住環境に満足していない潜在的な意識を持っている人にもアプローチができるからです。
駅近マンション売却のときも紹介しましたが
- 駅から家まで遠いなぁ~
- バスで駅まで行くのが面倒だなぁ~
- 子供も成人したし・・。
- 老後のことを考えようかなぁ~
など、
マンション購入は考えていないけど、
内心は
- 現状に不満を持っている人
- 今後のことを何となく考えている人
こんな方です。
オープンルームは、細かい予約の必要もありません。
通常の内覧であれば、○月○日:○時~ と限定された日時に足を運ばなくてはなりません。
その点、オープンルームは日時は限定されますが、その時間帯であれば、自由に見学いけますので、ちょっと覗いてみようかぁ~と気軽に見学ができるのです。
成約しやすい
オープンルームは”成約しやすい”と言われる理由は
- ライバル出現で購入への意識が高くなりやすい
- 周辺の環境を知っている人が多い
ライバル出現で購入への意識が高くなりやすい
オープンルームでたびたびあることは、出入り自由であるが故へのバッティングです。
- やっぱり人気だんな
- 今日決めないと売れちゃうかもしれないな
- 早めに決断しないといけないな。
など、成約率アップが期待できます。
ライバルを意識させる裏技
ライバルの存在を見せると言っても、そう簡単にお客様がバッティングするものではありません。
項目は、
- 名前
- 何を見てきたのか?(ホームページ・チラシ・案内板)
位の簡単なものでいいです。
この受付に設けるサインだけで、どれだけの人が見学来たのかを意識させることが可能となります。
たくさんの人が見学していることを間接的に知らせることで、ライバル視を認識させることが可能になります。
*もちろん、しっかりしたアンケートとは別に用意し、物件を探している人のリストは集めましょう。
周辺の環境を知っている人が多い
成約率アップはそれだけではありません。
先ほど、たくさんの人の見学する理由に”潜在的に意識を持っている人”の見学ものぞめるということを紹介しました。
オープンルームで見学される人には、近隣に居住している人も多くきます。
近隣にお住まいの方は、周辺の環境を熟知しているため、”住み替え”や”買い替え”の説明・アプローチに集中できます。
広さ、駅からの距離、今後の資産価値の推移など、プロ視点から購入のためのメリットを説明できるでしょう。
合わせて、現状の不満を聞きだすことで、それに対する解決策の提案もできるでしょう。
見学時は購入の意識はなかったとしても、近隣の環境を知っているが故に、深い話、営業ができるのもオープンルームでの成約が高くなる理由です。
希望価格で売却しやすい
マンションを売る時に、たびたび値引き・値下げ交渉が行われます。
その点、オープンルームは、ライバルの存在を意識させることで、間接的に競争を生み出せます。
よって、申込みに関しては値引き交渉なく、一番手、二番手と埋まっていきます。
もちろん、値引き交渉を持ちかけられることもあります。
その際は、無理に突っぱねることなく、
「希望額で購入の意識のあるお客様がいますので、追ってオーナー様に確認を取って連絡させていただきたいと思います」
ということで、お客様リストをもらうのもいいでしょう。
不動産担当者からすれば、購入意識の高いお客様リスト獲得となるわけですから、今後の営業にも役立てられるでしょう。
営業マンの資質・能力を確認できる
オープンルームの成功・失敗は、営業マンの資質・能力が全てと言って過言ありません。
営業の仕事は
- オープンルームの準備
- オープンルームの当日の動き
- オープンルーム後のフォロー
になります。
- たくさんのお客を集客するための戦略
- フリーのお客様の集客するための準備
- 売りとなるトーク・シナリオの確立
- 当日のお客様との接客
- 見学者リストへのフォロー
このあたりは、不動産会社の資質、営業マンの資質を判断する材料になります。
少しでも不満に感じたら
オープンルームは、複数回やっても問題ありません。
しかし、回数が増えれば増えるほど、集客が難しくなります。
よって、もし1回目のオープンルームで営業マンの動きに不満を感じたら、媒介契約を見直すことをおすすめします。
オープンルームは通常の売却方法とは違い、近隣の人へのアピール力が強いものです。
回数が増えれば増えるほど、在庫物件のイメージが強くなります。
そのイメージが強くなればなるほど、成約は遠のきます。
オープンルームを成功させるポイント
そこで、売主さんも知っておいて損のないオープンルームを成功させるポイント、準備を紹介したいと思います。
準備しておくべきこと
- 告知・DM
- チラシの作成・配布
- 看板・のぼりの用意
- 返済契約・ローンシミュレーション作成
- 周辺環境(病院・スーパー)マップ作成
です。
チラシ作成、配布、看板、のぼりは、基本的に不動産会社が広告の一環として費用負担してくれますので、売主はお金の心配はありません。
告知・DM
オープンルームで一番重要ともいえるのが集客です。
その意味では、インターネットでの告知は必須です。
スーモ、アットホームなどのポータルサイトでの告知、会社のホームページへの掲載などで開催のお知らせしましょう。

また、開催の告知は、
同条件の物件を探している方のへ紹介も必要ですので、
- 当日、近隣の物件を内覧予定させている方にお知らせ
- 近隣の物件へのお問い合わせ・資料請求の中に同封
なども行いたいところです。
告知の裏技
オープンルーム開催の告知で、一番行われていないけど、実は大きなチャンスがある告知方法を裏技として紹介します。
それは、一度、内覧された方です。
以前、内覧されたけど、結果的に成約しなかったお客様です。
もちろん、その後、購入に至っていないお客様になります。
なぜ、ここで室内を内覧している・知っている、でも成約に至っていないお客をターゲットにするのか?
というと
- 実はもう一度見たい・・・
- 再度、検討したいけど・・・
という人は少なくありません。
マンションや家の購入を希望する、購入希望者は素人です。
よって、何軒もみていくうちに、なんとなくイメージが固まっていくものです。
その意味で、前に見た物件の評価が変わってくることは多々あります。
しかし、いい難い、言えないという人へのアプローチがコレです。
たいした労力になりませんし、来ないなら来ないで別に問題ありません。
それ以上に、フラッときたお客様より、顧客として質は高く、オープンルームという環境が成約を呼び込むかもしれません。
チラシの作成・配布
ネットやDMなどの告知の次は、近隣への告知です。
ポスティングのチラシがそれです。
上記で散々、近隣の方への訴求の話をしていますので納得いただけているでしょう。
周辺環境を知っている人へのアプローチですから、買い替え・住み替え需要をあぶりだすことになります。
また、ポスティングとは別に、当日、偶然通りがかった人に手にとってもらうためにも活用したいところです。
ポスティング用チラシをデザインしてみました
【オープンルーム開催用チラシ】
マンション売却応援事務局では、
少しでもスムーズにマンションが売却きるためのサポートとしてオープンルーム開催用チラシを3パターン(PDF)ご用意しました。
チラシの利用は、無料でご利用いただけます。
下記のオープンルーム開催用チラシより、
PDFをダウンロードしていただき、手順にそって各デザインをご利用いただければと思います。
3パターンのチラシは、
開催日・マンション名・物件情報・お問い合わせ先を記述する形になっています。
手書きで十分ですし、不動産会社に直接、PDFを渡していただいてもいいと思います。
是非、営業ツールとして役立ください。
看板・のぼりの用意
ポスティングは、事前に開催を告知するものですが、
当日、偶然通りがかった人に、お知らせするのが、”看板”であり”のぼり”です。
近隣の人への告知に有効ですし、ちょっと見てみようという気持ちを誘発させます。
のぼりや看板だけでなく、オープンルームを行う際は、管理会社・管理組合に事前に了解得ることは必要です。
周辺環境(病院・スーパー)マップ作成
見学に来られる方は、近隣の方だけではないため、周辺の住環境を紹介するマップの作成も用意するといいでしょう。
- 最寄り駅
- スーパー(商業施設)
- 病院
- コンビニ
- 図書館
- 郵便局
- クリーニング屋
など。
ここに居住で、得られる住環境をアピールできるものに仕上げたいですね。
返済方法・ローンシミュレーション作成
見学に来たお客様には、室内を気に入ってもらうだけでなく、疑問や不安を取り除いていくことが購入へスムーズに進むための流れです。
その1つがお金の話です。
返済シミュレーションのパターンを用意しておくことで、より現実的な数字に落とし込むことが可能となります。
定番の落とし文句
返済シミュレーションにおける定番の落とし文句が”3つ”あります。
- 低金利
- 住宅ローン控除(減税)
- 返済金額と家賃比較
低金利
現状、住宅ローン金利は過去最低水準継続中です。
住宅ローンの場合、特別金利が設定されていることも多くありますので、低金利を無視はできません。
住宅ローン控除(減税)
住宅ローン減税を簡単に説明すると、
10年間、年末のローン残高の1%が所得税から控除され確定申告で戻ってくるものです。
さらに、消費税増税(10%)の
増税対策の1つとして住宅ローン減税が3年延長し13年に税制改正が発表されました。
返済金額と家賃比較
現状、賃貸マンションに住んでいるお客様の場合、
家賃と返済額を比較するのも、明確な数字としてアピールできます。
基本的に、
賃料より返済金額が安くなりますので、
毎月の出費が安くなり、自分の家を持てる、老後の心配が減る という訴求は定番の落とし文句です。
オープンルームを嫌がる不動産屋
オープンルームに関しては、絶対やったほうがいい手法・方法とは言えません。
そもそも集客が難しい地域・物件であれば、無駄な労力・時間になってしまう場合もあります。
不動産会社によっては、消極的なところもあるのが現状です。
人員をオープンルームに割かれるわけですから、見込みのない物件でやりたくないというのが本心かもしれません。
それでも、売主はできることを何でもしたい!早く売りたい!
と考えるわけですから、
その場合の解決を2つ紹介しましょう。
別の不動産会社を探す
1つ目は、別の不動産会社に依頼する。
日本全国不動産会社は無数にあるわけですから、積極的にオープンルームを開催して、1件でも物件を売りたいという会社はたくさんあります。
一括査定サイトを活用し、オープンルームを開催してくれる不動産会社を見つけるのは難しいことではありません。
多くの不動産会社の担当者と会うことで、今まで見えなかった問題に気づかされることも多々あります。
マンションナビ ★★★★★ 【高額査定】【全国対応】 |
イエウール ★★★★☆ 【全国対応】 |
内覧日を限定する
2つ目は、内覧の日時を限定する方法です。
大きくオープンルームという形を取るのではなく、限定した日時に内覧予約設定するものです。
のぼり・看板を出すわけではないですし、予約なしで見学できないため、フリーのお客様が来ることはありませんが、限定した時間を設定し内覧の予約を取るため、バッティング・ライバル視を促すことは可能です。
オープンルーム:まとめ
オープンルームは成功も失敗もありますが、それは紙一重です。
- しっかりと事前準備をで集客は見込めます。
- しっかりとしたセールストーク・落とし文句を様子で、少ないお客様でも成約を実現できます。
今回は、オープンルームを行ううえで最低限行っておきたいこと、また、チラシのデザインも用意させてもらいましたので、是非、ご活用ください。