マンションに限らず、一軒家でも近隣住民とのトラブルは少なからずあります。
トラブルまでいかなくとも、「ちょっと気になる隣人」がいるのは珍しくありません。
そして、その代表例がマンションの騒音トラブルです。
- 上の階の人の足音が気になる
- 子どもの声が気になる
- 騒ぎ声・ケンカの声が気になる
環境基準とは、国民の健康を保護し、生活環境を保全する上で「維持されることが望ましい基準」を指します。
騒音に係る環境基準は、騒音の影響から人の健康を保護し、生活環境を保全する観点から環境省が定めています。
ただし重要なのは、環境基準は「屋外(地域・道路・鉄道など)を想定した目安」であり、マンションの室内騒音にそのまま当てはめて“違反”を断定できるものではない点です。
たとえば住居専用地域における目安として昼間55dB以下、夜間45dB以下などが示されていますが、日常生活で毎回デシベル測定をするわけではありませんし、生活音は「受け取り方の個人差」も大きいのが実情です。
実際にマンションでは、上階や隣の住戸からの生活音が、特に夜間に不快に感じられることが多いです。
また、音の発生源が特定しづらい/相手が自覚していないケースも多いため、解決が長引くことがあります。
今回は、マンションの騒音トラブルについて
- 騒音トラブルの悩み
- 騒音トラブルは誰に相談すればいいのか?
- そんな状況から1日も早く逃れるためには?
とともに、騒音トラブルによる不動産売却体験談・口コミも交えながら解説します。
騒音トラブルからマンションを売却:体験談

マンション売却体験談・口コミ:上の階の住民の音に不満
新築マンションを購入し、入居時に気づいたことがありました。それが、上の階の住民の音です。
お互い引越し日が同じだったこともあり、動かすものが大きかったのか、ガタガタ・ドンドンとすごい音でした。日常生活が始まってからも、やはり音が気になる日々が続きました。
新築マンションの場合、モデルルームでは足音などの確認ができません。構造上、床の厚さは一定確保されていると聞いても、実際に生活してみないと分からないこともあります。
私の思い込みが強かったのかもしれませんが、買い替えを選択しました。
- 築1年のマンションを売却
- 築5年のマンションを購入
タイミングも良く、購入時よりそれなりに高く売却できたことで、手元に500万円程度(税引き後)が残りました。
マンション買い替えの口コミ・体験談:メリットとデメリット

マンション売却体験談・口コミ:生活音は人それぞれとはいえ…
中古マンションを購入したとき、周辺環境を確認したところ「夜は静かな街なので住みやすいです」というコメントを聞きました。私もそれを期待してエリアを選び、安心して購入しました。
ただ実際に住んでみると、静かな街ゆえに夏場は窓を開けると、各家庭の声が聞こえるリスクがあることを知りました。
子どもの声や犬の鳴き声など、文句を言えるレベルではないのですが、気になる人は気になるかもしれません。
10年ほど住み、夫の転勤とともに家を売却しました。
内見の時に「周辺環境はどうですか?」と聞かれ、「住みやすい街です」「生活音レベル、騒音なども気にならない、比較的静かな街だと思います」と答えました。

マンション売却体験談・口コミ:知らないうちに加害者…
騒音には注意しているつもりでした。
ある時、管理人から全住民に「騒音・足音に対する注意喚起」の書類がポストに投函されていました。
子育て世帯の多いマンションだったので、それほど気にしていなかったのですが、ある日エレベーターで下の階のご婦人から直接注意を受けました。「足音がうるさい」と。
その日から子どもには細心の注意をして生活するようになりました。今思い出すと、加害者になるとは思っていなかったので驚きましたが、共同住宅に住む最低限のマナーなのかもしれません。
そのマンションは3年前に売却しました。
⇒近隣トラブルで訳あり物件化?告知義務が発生する境界線、家を高く売るための出口戦略と買取業者に依頼すべき理由
マンションの騒音トラブル事例(よくあるパターン)
マンションで起こりやすいトラブルは、たとえば以下です。
- 騒音・生活音
- ゴミトラブル
- ペットのマナー
- 喫煙
- 民泊
- 共有部の荷物
- 駐車・駐輪
- 上の階からの水漏れ
- 洗濯物・植物等:ベランダの使い方
- マンション共用部分の荷物
資産価値を落としかねないよくある”マンショントラブル”、騒音・ゴミ・ペット・駐車場など
その中でも騒音・生活音は、
- 隣人を簡単に変えられない
- 感じ方に個人差が大きい
という理由で、特に厄介になりやすいのがマンション 騒音トラブルです。
トラブル事例:隣の声・音楽がうるさい
壁の薄さや間取りの影響で、隣室の声や音楽が「想像以上に響く」ケースがあります。
生活音を越えている場合、直接苦情を言うと関係悪化・逆恨みリスクもあるため、最初は管理会社・管理組合を通すのが無難です。
トラブル事例:足音が気になる
構造にもよりますが、歩くたびに「ピタピタ」「ドンドン」と響くと気になります。
- 悪意があっての騒音なのか
- 構造的に起こりやすい範囲なのか
判断が難しく、上階へ直接言いにくいのが難点です。
トラブル事例:子どもの騒ぎ声(親の配慮も含めて)
子どもがいれば走り回る/泣く/癇癪を起こすこともあります。
ただ、度を越えると生活に支障が出るため、「時間帯」「頻度」「具体例」を整理して、管理会社経由で注意喚起をお願いするのが現実的です。
トラブル事例:深夜の掃除・洗濯機音
家電は静音化が進んでも、深夜は周囲が静かで音が目立ちます。
一般的には、できれば朝8時〜夜8時を目安に、という考え方が無難です(管理規約・生活ルールが優先されます)。
トラブル事例:騒ぎ声・ケンカの声が気になる
騒音は子どもだけでなく、成人の口論・喧嘩でも起こります。
「警察が来るレベル」「威嚇がある」など危険性がある場合は、まず身の安全を優先し、管理会社・警察・自治体相談窓口を含めて検討しましょう。
トラブル事例:ペットの鳴き声
ペット不可なら規約違反の可能性があり、管理会社経由で注意喚起がしやすいです。
ペット可でも、早朝の鳴き声が続くなど「生活に支障」が出る場合は、同様に管理会社へ相談しましょう。
トラブル事例:酒盛り・宴会
深夜の宴会は生活音を超えやすく、騒音として扱われやすい典型例です。
一度で解決しない場合も多いので、記録を取りつつ管理会社へ。
トラブル事例:リフォーム工事
リフォームは事前告知されることが多いですが、音が大きい工事はストレスになりやすいです。
日程・時間帯が守られていない場合は、管理会社へ相談しましょう。
マンションの騒音トラブル:誰に相談?ルールは?
騒音トラブルは感情が絡みやすいので、解決のためには「順番」が重要です。
結論:いきなり直接はおすすめしません。
逆恨み・関係悪化のリスクがあるため、まずは管理会社・管理組合を通し、段階的に進める方が安全です。
相談先:1. 管理会社・管理組合(最優先)
まずは管理会社・管理組合に相談しましょう。伝える内容は「感想」より「事実」が効果的です。
- どんな音か(足音/音楽/叫び声など)
- いつ(曜日・時間帯・頻度)
- どこから(上階・隣・斜め上など推定でもOK)
- 生活への支障(睡眠障害、在宅ワークに支障等)
管理会社・管理組合の対応(よくある流れ)
初期段階では、特定の住戸にいきなり名指し注意をせず、全体へ注意喚起を行うケースが多いです。
- 掲示板への掲載
- エレベーター前に告知
- 各戸ポストへの投函
改善しない場合、状況に応じて個別対応(当該住戸への注意喚起)へ進むこともあります。
相談先:2. 住民同士の話し合い(管理会社同席が無難)
本来は当事者間の話し合いが早い場合もありますが、感情的になりやすいので、可能なら管理会社に間に入ってもらうのが安全です。
相談先:3. 自治体の相談窓口・弁護士
改善しない/悪化している場合は、自治体の相談窓口(生活相談・消費生活相談など)や弁護士への相談も検討します。
法的なルールは?(生活騒音は“民事”が中心)
マンション内の生活騒音は、工場・事業所を対象とする「騒音規制法」の直接対象になりにくく、基本は管理規約・使用細則・民事(受忍限度)での解決が中心です。
それでも深刻な場合は、状況に応じて差止めや損害賠償などの主張が検討されることがあります。
マンション内の騒音トラブルは資産価値に影響する場合も
マンションは「住民のモラル」と「管理の質」が、住み心地と資産性に直結します。
たとえばゴミ置き場の状態は分かりやすい指標で、分別や清掃が徹底されているほど、管理が機能している可能性が高いと言えます。
マンショントラブルは、マンション内だけで収束させるのが理想ですが、対応を誤ると近隣住民にも広がるため注意が必要です。
資産価値への影響:トラブルの増加
騒音問題が放置されると住民不満が蓄積し、マンション全体の評判悪化につながる可能性があります。
資産価値への影響:需要の低下
「あそこはうるさい」と認知されると、検討から外されやすくなり、売却・賃貸で不利になることがあります。
資産価値への影響:取引価格の変動
内見時の印象が悪い/近隣トラブルを疑われると、価格交渉で不利になりやすいです。
資産価値への影響:管理会社・管理組合の対応力
騒音問題は「管理が機能しているか」が問われます。適切な対応ができると、マンションの価値維持につながります。
マンションの騒音トラブルの解決方法(現実的な手順)
騒音問題は「一発で解決」しづらいので、現実的には“段階戦”です。
- 記録を取る(日付・時間・内容・頻度)
- 管理会社へ相談(記録を添えて依頼)
- 改善しないなら次の手(面談同席/相談窓口/専門家)
最終的な選択肢としては、以下の3つに集約されがちです。
騒音トラブル完全決着への3つの選択肢
- 裁判・訴訟等
- 騒音主(相手方)を追い出す(※賃貸/分譲など状況で難易度が大きく異なる)
- 自身が引越す(売却・賃貸化を含む)
解決策1:裁判・訴訟等(差止・損害賠償の検討)
解決策2:騒音主(相手方)に退去を求める
現実にはハードルが高く、賃貸か分譲か、管理規約、過去の注意履歴などで難易度が変わります。
解決策3:自身が引越す(売却・住み替え・賃貸化)
マンション騒音トラブル:記事まとめ
マンションの騒音トラブルは、足音・子どもの声・深夜の生活音など、誰にでも起こり得る身近な問題です。
ただし、生活騒音は「個人差」も大きく、直接対決すると関係悪化しやすいセンシティブな領域でもあります。
- いきなり本人に言わない(まず管理会社・管理組合へ)
- 感想より記録(いつ・どんな音・どれくらい)
- 改善しないなら段階的に次へ(同席面談/相談窓口/専門家)
- 限界なら「住み替え・売却」も現実的(心身のコストを軽視しない)
騒音問題は、早めに動くほど解決しやすくなります。無理に我慢し続けず、まずは管理会社への相談から進めてみてください。
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不動産の口コミ評判堂 編集部は、住宅ローン問題・任意売却・競売回避をはじめとした、不動産に関する実務的な情報を発信する専門編集チームです。
元メガバンク融資課出身で、バブル期から不動産金融の現場に携わり、底地ビジネスや立ち退き裁判なども経験した宅地建物取引士の知見をもとに構想・設計を行い、立ち上げました。
現在はその経験を土台に、業者目線ではなく「相談者・当事者の立場で本当に役立つか」を重視し、不動産サービスや専門家を口コミ情報と編集部の実務的な視点を交えて紹介しています。
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