火事のあった家を売却するには？仲介・買取の判断、事故物件の価格、告知義務、高額売却のコツまで徹底解説

火事のあった家の売却

火事が発生した家を売却する際、多くの人が「事故物件」としての扱いや、売却価格の下落を懸念します。

火事のあった家は、一般的な物件とは異なる取り扱いが求められることが多く、売却を検討する際には多くの疑問や不安が生じることが考えられます。

この記事では、
火事のあった家の売却として

• 火事のあった家と事故物件
• 火事のあった家の売却方法
• 火災保険の活用法
• 火事物件を高く売却する方法
• 売却の際の注意点・告知義務

など売却（火事物件売却）を検討している方々の疑問や不安を解消するためのガイドとして提供します。

火事のあった家は事故物件なのか？

火事が発生した家は、一般的な物件とは異なる取り扱いが求められることが多いです。

特に、事故物件としての扱いや、告知義務に関する法律的な側面は、売却を検討する際の大きなポイントとなります。

事故物件の定義

事故物件とは、過去に何らかの事故や事件が発生した物件を指します。

具体的には、火災、自殺、殺人、自然死などが該当します。

事故物件の判断基準として最も重要なのは、
「火災によって人の死が発生したかどうか」になります。

例えば、ボヤ程度の火事で人の死が発生していない場合、その物件は事故物件としての扱いは受けないとされています。

しかし、火災による死者が出た場合、その物件は「心理的瑕疵」としての扱いを受けることとなります。

ただ、火事が起きた事実は無視できません。

事故物件の価格影響

事故物件として扱われる場合、
売却価格には大きな影響が出ることが考えられます。

心理的瑕疵がある物件は、購入希望者の心理的抵抗や不安から、通常の物件に比べて価格が下がる傾向があります。

具体的には、事故の内容や物件の状態、立地条件などによって、売却価格が3割から5割程度下がるケースも報告されています。

火事のあった家の売却価値が低くなる理由

「火事のあった家は、なぜ安く売却されるの？」

火事のあった家の売却価値が低くなる理由には、物理的な損傷や修理が必要な点だけでなく、買い手の心理的な抵抗も大きな要因です。

火災によって受けたダメージは、見えない部分にも及ぶ可能性があり、将来的なリスクとして捉えられることがあります。

さらに、火事によって生じた過去の問題が、再発の不安を引き起こし、結果として売却価格に影響を及ぼします。

家の売却価値が低くなる理由：物理的な損傷

火災によって家の構造や設備が損傷すると、修理や再建には相当な費用がかかります。

特に構造部分（梁や柱、壁など）が損傷している場合、その修復には時間と高額なコストが必要です。

また、電気配線や配管が影響を受けている可能性もあり、これらを適切に修復するためには専門的な知識が求められます。

火災による物理的損傷は、そのままでは住み続けることができないため、修理費用が売却価格に大きな影響を与えることになります。

家の売却価値が低くなる理由：告知義務・精神的な抵抗

火災があったことは法律に基づき、売主が買い手に告知しなければならない重要な事項です。

この告知義務を果たさない場合、後々法的なトラブルを招く可能性があります。

加えて、買い手側は火災歴がある物件に対して心理的な抵抗を感じることが多く、物件自体の魅力が低下する可能性があります。

多くの人々は、火災があった物件に対して不安や恐れを抱き、その結果として価格が低くなりがちです。

家の売却価値が低くなる理由：隠れた損傷

火災による損傷は見た目には分かりにくい部分にも及ぶことがあります。

例えば、壁の内部や天井裏、床下など、火災で損傷を受けた配管や電気系統、さらには構造的なダメージが潜んでいる可能性があります。

これらは外見からは判断できず、専門的な調査が必要です。

隠れた損傷を確認するには追加のコストがかかり、そのリスクを負いたくない買い手が多いため、物件の価値はさらに下がる傾向にあります。

火事のあった家は、実際どれくらい価値が下がる？

火災が発生した不動産の価値について、具体的にどの程度下がるかについては、一概に言えませんが、

1. 火災の程度による影響
2. 人の生死による影響
3. その他の要因

3つの要因から考えることが出来ます。

売却価格への影響：火災の程度による影響

ボヤ程度
キッチンでのちょっとした火事など、小規模な火災の場合、修復費用が比較的少なく、見た目も元に戻せる可能性が高いです。
そのため、売却価格への影響は限定的かもしれません。

半焼・全焼
建物の大部分が焼損した場合、構造的な損傷や設備の故障が深刻であり、修復費用が大幅に増加します。売却価格もそれに応じて下落します。

全焼
建物が完全に焼失した場合、土地の価値のみで評価されることになります。

売却価格への影響：人の生死による影響

人が死亡した場合
火災で人が亡くなった場合、その物件は「事故物件」とみなされ、心理的な抵抗感から売却価格が大幅に下落します。

人が死亡していない場合
人の生死に関わらず、火災が発生した事実自体が、購入者に不安を与えるため、売却価格への影響は避けられません。

売却価格への影響：その他の要因

火災の原因
放火など、故意による火災であった場合は、心理的な抵抗感がより強くなり、売却価格がさらに下がる可能性があります。

火災保険の有無
火災保険に加入していた場合、保険金で修復費用を賄える可能性があり、売却価格への影響が軽減されることがあります。

物件の立地
都心部など人気の高い地域であれば、火災の影響が限定的である場合もありますが、一般的には郊外や過疎地域の方が影響が大きくなります。

火事のあった家を高く売る方法

火事のあった家を売却する際、少しでも高く売却したいと思うでしょう。

売却のテクニック・高く売却する方法として

• 心理的瑕疵
• 更地
• 複数の不動産会社
• 火災保険

４つ観点から紹介します。

火事のあった家の売却方法：1.心理的瑕疵の影響を最小限に

火事のあった家は「心理的瑕疵」としての扱いを受けることが多いです。

この心理的瑕疵の影響を最小限に抑えるための方法として、異なる用途での売却を検討することです。

例えば、住宅としての売却ではなく、事務所や店舗、賃貸物件としての売却を検討することで、心理的瑕疵の影響を軽減することができます。

その1つとして、更地として売る方法があります。

火事のあった家の売却方法：2.更地としての売却

火事のあった家の場合、建物を解体し、更地として売却する方法も考慮することができます。

特に、土地の価値が高いエリアや、再開発が進行中のエリアでは、更地としての売却が有効です。

建物の解体費用や手間を考慮した上で、土地の価値を最大限に活かすための戦略を立てることが重要です。

ちなみに、解体費用は、火災保険で賄くことが可能です。

この火災保険の活用方法が、火災時の不動産売却に大きく寄与します。

火事のあった家の売却方法：3.複数の不動産会社に売却依頼

火事のあった家（火事物件）の売却を検討する際、複数の不動産会社に査定を依頼することがポイントです。

上記で紹介した通り、
火事のあった家は、必ずしもネガティブな不動産売却とは限りません。

• 火災保険を利用して、建て替えることも可能です。
• 事故物件となっても、保険金が金銭面のサポートになります。
• 更地にして売却する場合も、保険金で費用を賄えます。
• 保険金だけ受け取って、何の手を加えず買取会社に買い取ってもらうことが可能です。

結果的に、一番多くのお金が手元に残る選択することが可能というわけです。

よって各不動産会社の査定価格や提案内容を比較し、最も適切な価格とサービスを提供してくれる会社を選ぶ必要があります

不動産売却方法（仲介・買取）、それに携わる不動産会社も強み・弱みの違いから、慎重に判断する必要があります。

競合する不動産会社同士での価格競争が生じることで、より高い価格での買取・売却も期待できます。

【通常の不動産会社での売却】
火事のあった家でも、通常の不動産会社を通じて売却することが可能です。

しかし、火事の事実を告知する義務があるため、査定額が通常の物件よりも低くなる可能性が高まります。

そのため、複数の不動産会社に査定を依頼し、最も適切な価格を提示してくれる会社を選ぶことが推奨されます。

また、物件のリフォームや修繕を行い、火事の痕跡を最小限にすることで、より高い価格での売却を目指すことができます。

火事のあった家の売却方法：4.火災保険の活用

火事のあった家の場合、火災保険を活用して修繕やリフォームをおこなうことが可能です。

火災保険は、火事による損害を補償するための保険であり、この保険金を利用して物件を元の状態に近づけることができます。

特に、屋内の煤や焦げ跡、雨漏りなどの不具合を修繕することで、物件の価値を高めることが期待されます。

また、外観の修復や庭の整備も、物件の印象を良くするために有効です。

火事のあった家：買取・売却の流れ

火事のあった家を売却する際の流れと仲介には、特有の注意点が必要です。

まず、火災によるダメージの全体的な評価と修復が必要となります。

売却プロセスを開始する前に、専門の評価士による検査を受け、修理が必要な箇所を明確にすることが重要です。

その上で、不動産仲介業者と協力し、物件の現状を正確に伝えることが必須です。

おすすめの不動産仲介・査定サイト

不動産の売買や査定を考えたとき、信頼できる仲介・査定サイトの選択は非常に重要です。

これらのサイトは、不動産の市場価値を正確に評価し、最適な買い手や販売戦略を提案するための重要なリソースとなります。

良い不動産仲介・査定サイトは、豊富なデータベース、透明性の高い情報提供、そしてユーザーフレンドリーなインターフェースを提供し、ユーザーが簡単に物件を比較し、適切な選択を行うことができるようにします。

【不動産会社での買い取り】
不動産会社が直接買い取る方法もあります。

価格が相場よりも低くなる可能性が高くなりますが、この方法は、迅速に現金化したい場合や、売却の手間を省きたい場合に適しています。

買取価格は査定価格よりも低く設定されることが多いため、最終的な売却価格に納得がいくかどうかをよく検討する必要があります。

おすすめの不動産買取業者

不動産買取は、すべての不動産会社がサービスメニューとして用意しているわけではありません。

仲介に強い会社は、買取には積極的ではありません。

逆に、積極的に不動産買取を行い再販に力を入れている会社もあります。

事故物件専門の不動産会社での売却

事故物件専門の不動産会社を利用することで、マッチング率が高まる可能性があります。

これらの専門会社は、事故物件の特性や市場価格を熟知しており、適切な価格設定やマーケティング戦略を提案してくれます。

また、事故物件を求める投資家や、特定の条件を満たす購入希望者とのマッチングが期待されます。

火事物件・事故物件としての売却の際の注意点

火事物件・事故物件としての売却は、通常の物件とは異なる多くの注意点が存在します。

売却の際の注意点：告知義務の遵守

事故物件として売却する際、最も重要となるのが「告知義務」の遵守です。

告知義務とは、売主が買主に対して、物件の瑕疵や過去の事故などの情報を正確に伝える義務を指します。

この告知義務を怠った場合、後にトラブルが発生するリスクが高まり、損害賠償請求の対象となる可能性も考えられます。

特に、火災や自殺、殺人などの重大な事故が発生した場合、その事実を明確に伝えることが義務付けられています。

売却の際の注意点：事故物件の価格設定

事故物件の売却を検討する際、適切な価格設定が非常に重要です。

心理的瑕疵がある物件は、購入希望者の心理的抵抗や不安から、通常の物件に比べて価格が下がる傾向があります。

そのため、市場の相場や物件の状態を考慮し、適切な価格設定をおこなうことで、スムーズな売却を目指すことができます。

売却の際の注意点：事故物件のマーケティング

事故物件の売却を成功させるためには、適切なマーケティング戦略が必要です。

特に、事故物件専門の不動産会社や、事故物件を求める投資家へのアプローチが有効です。

これらの専門家や投資家は、事故物件の特性や市場価格を熟知しており、適切な価格での売却が期待されます。

売却の際の注意点：契約時の注意点

事故物件の売却時には、契約書の内容に特に注意が必要です。

特定の条項や条件を明確に盛り込むことで、後のトラブルを防ぐことができます。

例えば、事故の詳細や物件の瑕疵に関する情報を契約書に明記すること、また、損害賠償の範囲や条件を明確にすることが推奨されます。

火事物件・事故物件の売却：よくある質問：疑問・悩み・不安を解決

火事物件・事故物件の売却について疑問・悩み・不安においてよくある質問・Q&A紹介します。

よくある質問詳細はコチラ

火事のあった家の売却：まとめ

火事のあった家の売却は、適切な知識と方法を選ぶことで、スムーズに行える可能性があります。

事故物件としての扱いや価格設定、告知義務など、多くのポイントが存在しますが、これらを理解し、適切なアプローチをおこなうことで、最も良い結果を得ることができるでしょう。

また、火事のあった家の売却に関する情報やサポートを提供する不動産会社や専門家との連携も、成功への鍵となるでしょう。

最後に、火事のあった家を売却する際は、自身の状況や希望をしっかりと伝え、信頼できるパートナーとともに、最適な売却方法を選択することが大切です。